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?!始めにクライマックス?! 6/6’(全6話)


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「ゆうた、ユウタ……//////」


「あー、ルーさんや?」


「ユウタ、ゆうた、ユウタ…………♡」



 ルーによるユウタの治癒蘇生の処置が終わった後……の、ユウタとルー。、



「もう死なせない。ぜったいにしなせない。そうだよね? だから、ぜったいにしなないようにしないとね?」


「あ、は、はい……」


「ボクが護るから……」



 そういいながら、ルーはユウタの頭とその顔を、小さな身体の己の、平たいようにしているその胸懐で、抱きしめた。



……以前からこうされる度に思うのだが、ルーはなぜサラシを巻いているのだろう? ……いや、詮索しない方がよいだろう……



(恐ろしいことに、この不感系主人公たる道寺橋ゆうたという人物は、出会ってからかれこれ三ヶ月以上になろうとするこのルーテフィアという人物の本当の性別=♀だというのを、まるで気付かずに、いままで来ているのである……

 徹頭徹尾、“やけになついている、あぶない美ショタ”と思い込んでいるのだ)



……血肉まみれでその上ルーはションベンまで漏らしていて、

 恐ろしい死臭が、現物として、今の俺たちに立ちこめている。

 己自身の血肉の散片が互いの身体に付着したまましばらく時間が経ったことで、

 さながら例えるなら……冷蔵庫の中で腐りかけている腐肉のような匂いが鼻孔に入る。



(俺の体臭も、いまはこれ、ってことかー……)



 笑うしか無い。

 己の成し遂げたかったこととは、なんだったのか?

 だが、…………己のみでは、なにもできない。

 されどルーを支えるつもりが、果たしてもたれかかっているのは、己じゃないのか、と。




「……なあ、ルー」「はい♡ なんでしょう?」


「…………帰ったら、日本の温泉旅館に行って、骨が溶けるまで骨休みしようぜぇ…………」


「わぁ♡ ステキですねっ。是非とも、そうしましょう///」



 果たして、ルーにこのまま拘束されるのが、たっぷり十分以上続いた……

 空挺部隊のみなさまは、ニヤニヤつく……以前に、ドン引いていた。

 そりゃあーそうでしょ!! シチュエーションが迷子過ぎる……




「あは、あはっは、ふふっ、ふふふ、あは、あははははははっはは、」




 ルーの嬌声は、その質量を忘れてきたかのように……

 やけに耳の奥まで、響いて聞こえた。








     * * * * *







 彼ら彼女ら:エルトール国軍及びアヴトリッヒ領・有志遊撃隊が去って行った後には、捕縛されたセンタリア軍兵士らの残存が、消火された後の陣地の残骸に拘束された状態となっていた。


 武器の類いは、全て処分がされた……

 故に、彼ら彼女らの拘束が外されたとしても、

 新しい武器を持ってくるなどしない限りには、再び戦うことは……まあしばらくはできそうにない。


 彼ら彼女ら、センタリアの兵士たちは、後にこう言及した。。

 己らの体感したこの戦いの一連を、“悪い白昼夢のようだった”と。



 なによりも、眼裏に焼き付いて離れ得ない、忘れがたい“光景”が、共通したものとして彼ら彼女らにはあった。




……燃えさかる、処分された武装や弾薬や爆薬、火器兵装類。

 時折爆ぜる音が混ざりながら……暗色の黒と鮮烈な炎の蛍光色の燃え上がりとの、溶け合うかのようなその炎熱と濛煙。

 それを背後に、この補給陣地から去って行く、エルトールの、いやアヴトリッヒ独自のだという、

 謎の装甲機……そのシルエット。




……戦慄……

 まるで、その言葉を形にしたかのようだ、……とあるセンタリア兵士の一人は後に述べた。




 歩き去るその背後の後に続く、

 燃やされたモノたちの最期の名残の、巻き上がった灰。

 風に流されるまま、その灰は散り飛ぶ。

 そして、シミター機の去って行くその道へ、振り落ちるようにして……灰の吹雪のように。

 そして、その機体のその姿が見えなくなるまで、それは永久のシークエンスかのように、センタリアの兵士等は、永く、時間を感じた。

 


 灰の最期の一粒が、いつ落ちきったのか。

……それは誰にもわからない。




 ただ一つ。

……“灰燼の畜鬼”というシミター型への渾名。

 これは、その始まりの由来である……










……人間性を失うのが先か、それとも、諸共共に朽ち果てるのが先か。





 それはともかく、いいだろう。




 さきほどまでの二人の足下には……


 綿毛を放ち切ったタンポポの隣に……

 壊れたハムスサウゼンの勲章が、転がって落ちている。



 互いのひとつずつは、血とその紅の色に、こびりつくように染まっている……





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