幕間:アリエスタの追憶(4/4)
この話で、今回の分の連続投稿は完了いたします
皆様ありがとうございます…
どうぞごゆるりと…
*****
……いいなぁ、わたしも、おひめさまになりたい!
…………すてきなおうじさまと一緒になりたいな!
はじめてお姫様と王子様の絵本を読んだとき、とても感動したのを覚えている。
でも、それと同じくらいに……
はじめて王子様とお姫様の本を読んだとき、その時に、とても不安になってしまったのを覚えている。
私の悩み……
相手が、普通の人間だったら?
この場合、
自分よりも先に伴侶が死んでしまう。
子供の頃、そればかりが、心配で不安になった。
わたしの不安はそれでいっぱいになったのだ。
それが、たしか4つのくらいの、幼稚舎の時のこと。
でも、わたしのこの不安というのを聞いた、
おなじ組のやつらは、なにがおかしいのか、みな笑いだした。
「な、なにがおかしいの……?」
たしかに、魔族は長生きでしぶといから、って、
お母さんがいってた!
でも、こいつ、病気がちだから、さっさと死んじまうぜ!きっと!
え、え、え……?
保母さんは、よくわからないものを見る目で、私のことを見つめていた。
その日以来、私の脳裏は、そのことに対する不安と、恐れと、虚無の感情で、一杯になった。
*****
「まあねぇ? わたしって、半魔族だもの。半人間、っていうことだけど。だからねぇ…」
「ん?」
怪訝がる本人に向かい……
アリエスタは、しばらくユウタの顔を睨んだ後、
「並の人間よりは長生きするのが確定してるしなぁー」
「どうしたいきなり?」
「べっつに、」
「ん???」
ユウタはさらに怪訝の度合いを増させることしかできなかった……
*****