異世界貴族っ子、お風呂に入る。- 改定・高解像度版(6/6)
かるいひらめき、のつもりだった、と後にゆうたは追懐する。。
「みてろよ、ルー、」
「ほぇ?」
ゆうたはそうしゃべりながら、
手の組み方を、独特な形にしてやり、
「手をこうして、だな、」
「? こう、して、?」
ルーが、へたくそに、おなじかたち風に手を組んだ……
のを見計らって、
「そらぁっ!」
「ひゃっ?!」
ばしゃっ!
ぱしゃばしゃ、
「はっはっはっ! は…………?」
手を使った、水鉄砲だったのだ!
最初の一発目は湯船の外に向けて、
続きに、
ルーもおなじくやるだろうと踏んで、ゆうたはルーにも、数回、水鉄砲を見舞ったのだ。
しかし、計算が違ったらしい。
「ふぇっ、ふぇぇぇん…………!!!」
ルーは、
うるうるる、と、目の涙を潤ませ貯めると、
「ゆ、ユウタがいじわるするー! うぇぇぇん!びえぇぇぇん!」
という、案配に、
「んなっ?!」
ゆうたはたじろぐしか無かった。
そんなさなかでも、とりあえず取り繕いをして、
「そ、そうじゃなくて、おまえもやってみろ、というのだ!
こんなふうにっ」
「そ、そうですかぁっ? ぐすっ……」
取り繕いのまま、ぱしゃばしゃと水鉄砲を乱舞する、ゆうた。
「えぅ~~、…………、あっ、」
複雑そうな顔で見ていたルーであったが…………、、、
まねしてみると、案外簡単に出来た。
「……な、なるほど!」
ぐす、ぐすっ、と鼻をすすった後、
ぱしゃぱしゃ、と水鉄砲を連発する、ルー。
「…………ぐすん、」
ぱしゃ、ぱしゃ、
「…………、、」
ぱしゃ、ばしゃぽしゃ、
「………………/////」
ぽしゃぼしゃ、ぱしゃっ、
「うは、ひゃっ♡」
ぱしゃ、ぱしゃ、ぱしゃぱしゃ…………
たのしいので、何発も連発するルーである、
と、そのとき、
「あっ……」
片手で添えて、持ち挟んでいたのを、放してしまっていた、自分の胴体のバスタオル。
両手をあそばせていたので、
さらに身体も動いていたのもあり、当然、保持が緩んで…………
「! ぬのが!」
取れる!
――といかなくても、布がはだけて、薄い肉付きの上胸のぶぶんがあらわになってしまうまで、おおきくめくれてしまった。
「あ、あわわわ! ゆ、ユウタっ! むこう見ててくださいねっ!?/////////」
「ん?! どういうこと……」
「ユウタ、ぜったいですよっ!! ……
………………ふぅ、なおしおわりました、ユウタっ……」
とりあえずの応急処置をして、この危機は回避された。
安堵して、ルーは、首の顎付け根まで、湯船の中に、からだを沈み込ませた…………
背中をユウタの体に預けながら。
「いったい、なんだったんだか……
……あっ、」
ゆうたはそのころ思い出し、
「そういえば、わすれてたな、…………」
「ほぇ?」
傍らのルーに、手に取ったボトルを見せる。
「ユウタ、これは?」
「ふっふーん、これはな…………」
説明しよう!(ゆうた
かあちゃんが購入し、あまりにもの性能から、
今では一家全員で使っている、このフェイスクレンジングソープを使わせて貰おう、
使うと、顔の肌を最適な状態に洗浄することが出来る。
毛穴の汚れ詰まりや余分な皮脂はごっそり取れ、
必要な部位に使い続けると、角質がぽろぽろ取れてくれるのだが、
ここからがこのフェイスソープの優れどころなのだが、
かといって皮脂が取れすぎて肌が傷むことはない、じつにちょうど良い案配にコンディションを整えてくれる、という、優れものなのダ。
以上、説明終わりッ(ゆうた
「なんか、苦い? 香りがする…………」
「でもな、これ、すごい良い性能なのよ…………ほれほれ、」
「あっ、ひゃっ、//、ひゃっ、あっ♡」
ゆうたは数滴手のひらに点下したそのフェイスソープを、
ルーの顔に、丁寧に、慎重に、塗り込んでいった。
「~♪」
「ひゃっ、わっ、あふっ……」
そうして、塗り込んだ後……
「さぁ、洗い流してごらんよ、」
「ふぇっ、わふ、わわわ、わかったよぅ、ユウタ…………ぁっ、」
シャワーで、顔を洗い流した、ルー。
するとすると、
「……、、、、あぅ?
なんか、はだ? が、つるつるする……」
「ほれ、いいだろ~?」
ルーの顔はすっきり洗顔され、
心持ち、つやつや感がアップして、美少女度がさらに向上したようだった。
「せっかくの持ち前なんだから、磨かなきゃあ、損、よ!」
「ふぇ、ふぇっ……?」
「おんなのこ、みてーな顔してるから、な!」
「はぅっ?!///」
ルーは、「うぅぅ~~!!」とうなって、
「ゆ、ゆうた、なにを、いってるのですか?! ぼっ、ボクは見ての通りの性別です!」
「そうかそうか、うひゃっはっはっは…………」
「ぇぅ~~! ユウタ、~~!!!」
そう抗議するルーをよそに、ゆうたはけらけら笑っているのだった。
そうして、さらにゆうたの言葉は続き、
「いやー、俺ちゃんもおとうと、ってのが欲しかったんだよねっ!」
「!?」
(ぼ、ボクは…おと、うと…さん、という立場なら……ユウタと、もっと親密になれる…?)
そ、そうしたら……///////
(おんなのこ、としてはなく、同性、の、おとこのこ、として、なら……はわわ/////……ぶくぶくぶく……)
ドギマギとするルーである…
しあわせな妄想に脳裏の思考を湯立てさせてしまい、
赤顔させた表情をかくすために、湯の中に顔の半分を沈めて、あぶくを吹くしかなかった……
*****
「あら? 変ねぇ、おとこのこなのだとしたら、このぱんつ……」
洗濯機の上に置かれたルーの服を検分して、なにかに気づいた、ゆうたの母親である。