「1話」-カレーの風味は恋のよう?(1/6)
今日から6日間連続更新を実施いたします…
みなさまごゆるりと…
──思い当たりのない俺は思い返す…
…なんで、こうなった、?
ここで、ルーのやつとのいままで、を思い返す……
いつもメソメソしてて、幼い感じの、ちびっこでおこさまな、
末っ子の妹か、姪っ子だったような、ルーのやつ。
思い返したとき、そのイメージがまっさきに浮かんだ。
さて、それに対して、俺は?
せいぜい、かわいいとは思いはすれ……
なんだか、それが、性的であるとか、性愛的に、魅力である、などとは、俺ちゃんは……思ってはなかった、ハズ。
いや、そのルーのやつの方は、こないだのあのゼニ問答のあの晩の時に、その発露というのは、一方的に、こちらにへとしてきていた、ということでは、まああっただろうが……。
それにしたとしても、友愛の情の。
一時のそのあやまちであったのだろう、……
そう、俺にとって、俺とルーのやつとの関係は、
友愛、に基づいて成り立っている、……俺はそう見なしている。
今日の、この今現在においても、だ。
俺はそう結論づけていた。…
…のであったのだが……
ま、まあ、それはともかくで、いい。
それなのに、それなのが、それなのであるのだが、
それが、それが!
「ユウタ、…──…」
ぬが、ほが、ぬがっ?!
俺の目前に、ルーのやつが、迫っていた。
……ルーは俺の身体を撫でると、
俺の顔面にへと……胸を寄せて、きた。
「む、むが、ムガッ……」「ユウタ……♡」
ルーのやつの、胸の感触が、そっと触る……触れられてくる。
顔面へと密着させられた、それ。
ルーの着るコットン地のシャツブラウスの感触を間に挟んだ、
その触れ心地とさわり加減というのが、
俺の視界の中にいっぱいになった。
そして同時に……包み込まれるかのようであった。
そのルーの両腕が、おれの頭を抱きしめたのが、その瞬間である。
ルーが、全身とその上半身の全てを使って、
俺の胸から上を、抱きしめて……いた。
──ルーのヤツの固有の甘っぽい乳のような体臭が、鼻腔をかすめた。
その胸の、薄い肉付きというのが、俺の顔面で感じられるその感触の、全てになった……
やわらかい、
肉は薄いが、それでも、
ふわり、むっちり、とした、感触。…………
「ユウタ…ユウタは、あたたかいのですね…」
いやいや、ルーさんよ、
おまえさんも、十分ぽかぽかやで……
あれ? 男って、こんなやわらかい感覚なんだろうか……
でも、でもでも、もしかしたらこいつは男の娘というやつなので、なんらかのミラクルは働いているのかも知れない。
なにより、こいつの胸にはいつも通りなぜかサラシを巻いているだろうので、
最後にはその感触が全てであろう……
だが、、なんか、なーんか、これは……
そうして、ルーは俺の目の視界の前にへと、再び姿を立たせた。
たった今、目の前にある、その、ヤツ…
…をみてみよう。
ルーのヤツは、
漆黒に浮かぶ月…
…のような、闇夜の気配を発していた。
ルーのやつは全身から、濃密な、湿度……
欲情のうるおいというか、性愛のしっとりさ。
それを漂うように帯びさせながら、
俺の目の前に、いたのだ。
顔の表情は、口許を歪んだ笑みのようにさせて。
そして、
そのすべては、
俺という存在への一点にへと、向けられていた……
ちっこい、ルーのやつ。
そいつが、むき出しの自身の性欲の欲情を、
俺という、こちらに、向けている!!!!!
しかし、それが魅力的か?と問われると、おれとコイツとの、やはり前提問題というのがあるので、俺ちゃんアンサーとしては、否、であった……
なので、
まるで、肉食獣に追い詰められた、小動物のような心つもりになってしまっている、俺ちゃんである。
「……ユウタ」
「ユウタは、ボクのことを、子供、と、思っていますよね?」
「でも、そのボクにだって、欲情や、性欲、というのは、あるのですよ……?」
「ユウタ、キミだけに、向けた、特別な、感情が……」
「思いの丈を……受け取ってください──」
「ユウタ……♡ ……しよう、?」
──ルーの口許が、三日月のように、歪んだ。
あ、あかん、身が震えてきた……
……
…………
………………
「 ユウタ……
ずっと、ボクだけのモノでいて♡
ユウタとボクの肉体が、共に滅びる、その時まで……
いや、灰一粒ですら残らなかったとしても、
ボクとユウタのたましいは、永遠に、共に一緒ですっ♡
永遠に、永久に、生まれ変わったその後であっても、 共に側にあってほしいです♡
共にいてくださいっ♡
誓ってくれますか? 誓ってくれますね♡
誓ってくれたぁ♡
う~ん♪ユウタはやっぱり、ボクだけのモノなのですねっ♡
」
………………
…………
……
まあいうとて、今日もきょうとて、匂い付け、というやつなのであったのだ、が。
今日ものこれもが終わったとき、おれさんは、震えながら燃え尽きるしかなかった。
お、おれちゃん……おれたん、つらたん……