表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

216/278

「第百十話」デジタル錬金釜への挑戦(4/5)







^^^^^^^^^^^^^^^^^






…………へぇ?




 やるじゃない……



 ど、ど、ど、どうでしょうか???




「…………、、、。。。。。」




 エリルリアが、メガネの向こうの目を、怜悧に、ルーにへと向ける…………



 場所は代わって、エリルリアの部屋の中、

 その書斎に居るエリルリアの片手には、

 果たして、先日のルーの発明であるところの、

 ディスク端末が、その手に握られていた……





「愚姪、わたしのすべて、あんたに使わせるわ。」



「ほえ?」






「錬金チャンバーも?」



 ええ、それもよ。



「魔導釜も? 叔母さまが余暇の時に少しずつ作られて、作り貯めされている、錬金用の素材も、いつでも?」




 ええ、存分に使って良いわよ……。




「叔母さま、だいすきっ!!!」




 ふわぁっ?!





 エリルリア叔母さんに飛びついてはしゃぎ喜ぶルーの奴である。



 はてさて、なにがあったのか、そしてそのもくろみとは?


 というのを、わたくしめ、ことゆうたが、解説いたしましょうかね…………




^^^^^^^^^^^^^^^




 

 さて、思い当たり、というのを実行する前に、

 ありそうなところを探ってみる、という行動を、

 俺ちゃんは一度、試してみた。



 するとすると……




「エリルリア叔母さんに、話は付けてきた……」





 仕様を記した、記録魔導球オーブ・スフィアと、

 魔術経典、その他のソース・コード類、

 それも、融通を効かせてくれる、ってことだそうだ。



「あの、錬金チャンバー、を?」



 ああ、それもだ。



「その仕様書、設計情報を?」




 ああ、存分に買って良いぞ。




「ユウタ、だいすきっ!!!」




 どわぁっ?!





 まあこれというのは、

 家にあった菓子類の備蓄を、いくつかピックアップして、

 エリルリア叔母さんに渡したら、すんなり話が運べた訳なのである……





 はてさて、





「ボクが生まれた頃に、エリルリア叔母さまが帝都のアカデミァで研究なされていた、

 魔術経典を記録読み出し媒体に用いた、


 魔導錬金チャンバー、

 

 それの試作品になりますね……」




 車輪の再発明、という言葉もあろうが……


 果たして錬金釜の現代版、というのを我々がこうして形作ろうとした時、

 類型の、プロトタイプをそこに求めた、という形である。





「魔導器械自体が術者と独立化されていて、

 魔術経典に設計情報を突っ込んで置いておけば、

 あとは念思や術の継続も術者の配置も省ける、

 こちらで言うところの、

 紙テープで情報入力してたようなくらいの、

 黎明期の数値工作機械みたいなそれ…

…の、試作品、か…………」




 そんなすげーモノ、なんで流行らなかったんだ?




「この規模になると、稼働させるために、高濃縮かつ高純度の魔力媒体が必要なのだそうで……

 それというのが……」




 クレネンク、……というわけか……





 さて、納戸にあった、それの前に、俺ちゃんとルーは来ていた。




「えぃっ!」




 ぺたり、と触れて、




「むふ~、♡」




 設計構造情報、ゲット!




「……それから、すこし、試してみたいことがあるのですが、」



 ん??

 まあ危なくないことならやってみいさい……と俺は答えて、



「えいっ」



 ディスク端末を起動させて、その片面を錬金チャンバーに触れさせた。



 すると……錬金チャンバーが、起動できた!





「ディスク端末の内部の魔力生成回路を起動させて、

 変圧……濃縮圧搾をかけたモノを流し込んでみました♪


 これができた、ということは…………もしかしたら……」




 なにか、についての、そのとっかかり……を得れた、ルーのやつみたいである。





 そして、話の順番はやや遡るが、




『そういえば、ゲーム機、というのは、

 デジタル?というもので、動いているのですよね?

 なにかで似たものを感じたと思ってたのですが、

 そういえば、この試作魔導錬金釜、と、試作錬金チャンバー、が、

 どうも、中央処理の原理が、似たような構造かな?って……』




 俺ちゃんの話を聞いていて、ルーはそのことに気づき、そして足がかりを得つつあった。




『すりーでぃーぷりんた? なら、マイクロコンピューターボード、というのが、データの処理をやってくれますよね?』





「だから、そうしたら……」






「……あれ、? もしや、?

 もしかしたら……」






 これ、と、それ、を、…………




「つないで、みる、の?」




「…………」





「……なるほどぉぅっ?!」



 うぉっ!?




「ユウタ、ユウタは流石っ、さすがですねっ!

 さすが、ボクのユウタっ♪ ユウタといっしょにいれるボクは、なんて幸運なんでしょうか♪」





 アルボーノ、か、らずべりーぱい、

 それに相当するものをつなげれば……いや、データ交換形式だったりが、かな?

 そこは、これで、なんとかできるね。そうしたら… 


 しかししかし、だけどだけど、…………





 などと、ひとりごとをぶつぶつ譫言させる、ルーのやつ。



 俺ちゃんは、黙ってみているだけなのだが……




「ユウタ、いまからやりますよ!」



「や、やるって、なにを……」



「ボクたちふたりの、偉大な挑戦です♪」




「できあがったら、前例なんてありませんよっ♪

 わくわく、わくわく♪」





 ひとりで気づき、ひとりで考え、ひとりで思い立つ。


 そんなルーのやつである。




………………、、、、、




 まあ、俺ちゃんは、見守ろうか……。。。。。





 魔法や魔術や錬金術類の行使は可能とは言え、


 ディスク端末単体では物質物のモノは作れないため、

 なんらかの加工製造工作機器が、必要となった……




 というわけであるのだが、そのプロトタイプに近しいモノはすでにあった……エリルリア叔母さんがかつて手がけたモノとして。



 ならば、それに範疇を執りつつ、

 より簡便に、なおかつ、アップツーデートと、現代化を図れば……





(つづく)




^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ