「第百五話」アリエスタの塩対応?(9/10)
「ふ、ふふん? あんた自慢のゲンダイカガクって、ずいぶんアナクロなのね?」
「んなっ……」
「なんか、拍子抜けしたわよ。
アンタの世界って、映像一つみるのに、すっごい手間とお金と苦労がかかるのねー、?」
果たして、翌日の、アリエスタ。
……なんだか、ようすが おかしい…………
「こ、こんなの、魔導オーブに念じるだけで、なんとでもなるじゃない!」
「……アリエスタさん……貴方の頼みを聞いて装置を改造した、このボクを侮辱しているのですか……?」
「え?! い、いえ、そういうつもりは、滅法無く…………」
暗怨とした気配を放出しだしたルーのやつに、
アリエスタは敵わなかった…………
「たしかに、単に映像をみるだけではそうでしょうね…………
けど、聞いて下さいね?
昨日あなたが帰られたあとは、
とぉぉぉぉぉぉっても、スムーズに、ボクとユウタのふたりは、研究と、開発と、製作の工程を、踏むことが、できました…………♡
愛の共同作業、
そしてそれにより産まれた、ボクと、ユウタとの、愛の愛し子なのです♡
その仕上がった現物として、
あなたに、この端末を渡しましょう…………」
「えっ?! すごい!!
あのよくわからない円盤が、魔導器械になってるじゃない!!!
こ、これはどんなことができるのですか?! る、ルーさま!!」
「それはですね…………」
(以下、ルーによる講釈)
……
………………
「な、なるほどですわ!!!(まずいですわ、まったくわからなかった…………)」
「フフーン……」
端から見ていればわかった。
わざーと、ルーのやつは、小難しく難しい言い回しで、知識と説明の開陳をおこなったらしかった……というか、俺ですらよくわかっていないのであるが…………
「あなたがよろしければ、ボクの発明したこれを、貴方の商会で、取り扱っても、よいのですよ?」
「!? ほ、ほんとうなのです?!!」
ただし、とルーは言付けした。
「なるべく、利益が、帰ってくるように……?」
途端、アリエスタは挙動不審になり、
「いくら、に、すればよいか…………あぁあぁあわたくしったら、ルーさまから直接買い付けするのだけど、だけどだけど、いくらで仕入れて、いくらで売れば…………えぇと、えぇえと!??」
「おーい、」
「なによ?! ドウジバシ!! あんたひとりだけで、ルーさまと素敵な時間を楽しんでおいて!!」
俺に対してだけはやたら当たりの強いアリエスタのやつの逆上に……
閉口するしかない俺ちゃんである……
それの一連も楽しんだかのような表情のルーが、
ひゅるり、と声をだして、
「アリエスタさん、いくらくらいで買い取ってくれますか?」
「えぇっと、えぇっと、……とりあえず、動かしたところはみたいのだけれど、その前に…………
ドウジバシ!!」
なんやね、
「こ・れ・は!!」
……はーぁあ、
「いくらだと思う?」
「………………、、、。。。。。」
正味一分ほど。
アリエスタは、表情を微動だとも動かすことなく、
熟考し…………
「……観念したわ。」
「いくら?」
…………伝えてみた。
「ぎ、銀貨!、それも小銀貨?!、一枚の、原価だなんて…………けほ、けほん!」
「銅貨になおしたら、たった十枚よ?!」
「魔導オーブは、いったいいくらするか、という話よ!
金貨十枚でようやくたりるかどうなのか、なくらい、高価いシロモノなのに~……!」
アリエスタは合点がいった、という表情をふふ~ん、とさせて、
しかし、その後表情を崩して、
「……これなら、わたしの杞憂だった、って、ことね……へにゃあぁ…………」
ん?
「えっ?!! え、ふふふ、ほほほ、おほほほ…………」
「「………………」」
じーーーーーーーーーーーっ
「…………ほ、ほ、……」
「「………………………………」」
じーーーーーーーーーーーーーーーっ…………
「…………白状します………………」
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