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「第百三話」魔導ディスク端末の開発成功 (7/10)







 魔導オーブというのは、



 内部に情報を蓄えての記録や、または処理演算を内部でおこなったり、

 また、幻灯……ホログラムを、浮かべさせる事も出来る。



 ようするに、汎用的に便利に使える、この異世界の魔法や錬金の、その使用品の重要なひとつ、ということである。



 この魔導オーブの能力と特性というのを、

 光学メディアディスクの平面上に、集約実装すれば、よい…………



 さらに、そこに、

 魔導冊…術式経典…

 ぱっと見では紙やそれに類するものの冊子内に、

 アナログな印伝細工的な加工を施したモノに見えるが、

 その実体は、こちら現代地球の同機能品で例えるならば、

 一種の半導体装置と、それを組み込まれた電子回路基板に相当するモノである…

 

 これの能力をも、さらに追加して足されるに至った。


 しかも、魔法などの不確実かつ不安定な要素を、

 現代地球のデジタル技術の応用で、

 補助と補完と補強と増補強化を、いっぺん一気にやってしまおう、という、なかなか大がかりな取り組みとして。

 


 という、コペルニクス的転回というやつ? を、

 ルーは得たらしかった。




 でも、そんなことが、できるの?




「一番悩んでいた部分の解決にめどが付きました!」




 工程を見せてくれるというので、それを拝見してみる。



「まず、この光学メディアディスクを、…

…ボクの直接の術力行使は、ボクの異能のせいで、不安定になっちゃうから……

 この魔導ブローチを経由させた状態で、安定化させた錬金の術を、つかって……」



 ぴかぁ…と、

 ルーの首元のブローチが、宝石状の石が埋め込まれているその箇所から、

 まばゆい光が発されたのが今だ。

 

 

 すると、その光は、卓上の光学ディスクに吸い込まれる。

 照射されたディスクは、

 銀輪の面が、

 なにやら光の輝きが、反射の光度を増したかのような状態に、状態の変化がなされた。

 

 

 

「これで、うまい例えが思いつきませんが……いわゆる、生ディスクの完成です。

 さてですね、生素材の状態になってくれた、この生ディスクを……」





 次の工程は、あっけに取られるものだった。

 その生ディスクとやらを、

 ルーはパソコンの光学ディスクドライブに、挿入しただけに見えたからだ。

 

 

 しかし……ここが、そのルーの発明というやつの、肝心な部分であるとのことで、




「これで、書き込める状態になりました/////

 さて、それでなにを書き込むか、ということなのですが、

 まずパソコンの方で、ボクが念写入力した、ハッキングデータを、

 光学ドライブで生ディスクに書き込みます。


 生ディスクにしたときの錬金術による加工で、

 ディスクドライブの書き込みのための発振光というのに、

 この生ディスクは反応して、当てられた箇所が、魔導錬金変化するようにしてあるのです!

 

 そうして……

 この書き込んだ内容というのは、

  通常通りの書き込み方の、通常の情報データではなく、

  ディスクの面全体を使って、

  ディスク表面とその内層に、一種の半導体化とその基盤を作り込む、

  そうした内容となっています。」




 さて、そうして出来上がった、改造済みディスク、というのを、

 ルーはディスク・ドライブから取り出して、卓上に、置いた………



「そうして、もう一回……こうして、っと、」



その状態の改造済みディスクに、ルーはふたたび、ブローチを介した錬金術の光を浴びせて……



 これで、完成です。


 この光学メディアディスクを、魔導オーブの代わりの代替物として、

 各種の魔術と錬金原理を、篭めてやればよかったのです!

 」




「い、いうても、それ、唯のディスクを天地逆にひっくり返しただけやないけ?」




「みててくださいね……よっと、」




 そういいながら……ルーは利き腕の先の人差し指に、魔導の耀きを帯びさせながら、




「えいっ」




…………~~♪…………




「す、すげぇ、……」




 ディスクから浮かび上がった、ホログラムのスクリーン映像。




「ようするに、映像が見られればよかったのでしょう?

 始点から始まる手順と得たい結果の間に挟まるものが複雑高価ならば、それらを圧縮して、省いてあげればよいのです! フフーン!」



 お、ぉぉ……



「これにて、完了です♪」




「やった!!!」





 やっほーい!きゃはっはは!

 と浮かれポンチになりながら、アリエスタは護衛と使用人と共に、帰って行った…………





 さて、俺ちゃんも、帰るとするか…………






「ユウタ?」




 んをっ?!




「お願いがあるのです。

 ユウタ、これからの時間も、頂いてよろしいでしょうか……?」




 どきっ……


 え、ええ、いいですともわよ?





「錬金術で、魔法や錬金の原理を、ディスク上とその内部で、一種の半導体化をさせてやれば…………」


 



 はてさて、この、ディスク端末(仮称)


 パソコン等のディスクドライブにて、

 下地となる専用特殊データを、生ディスクに書き込んだ後は、

 そこにスターターとなる魔力を流し込むだけで、実装は完了し、

 精製が可能……ときていた。


 

 ディスクドライブで、複製作成が可能。

 このことは、ある程度の均一な、量産化が可能……ということを、まあ意味している。





 コストの面も、申し分ない。



 魔導オーブ、一個、八万円、…………


 比較して、

 最近は光学メディアは安価なモノが普及していてすごいので、


 うまくやれば、


 光学ディスクが、

 五十枚組で千円ちょっととするならば、


 三千分の一、のコスト的メリット。


 それが得られる、という計算となる。






 かくして、ディスク端末は完成した…………




 さてさてそれでそれで、





「 むふ~~っん! これで、ボクのおへやにも、

 冷房と暖房が付いてくれた!!」





 ま、魔法や、れ、錬金術も、それでできてしまうのかい……?



「もっちろんですよー♪」




 部屋の数カ所に、ディスク端末がいくつか置かれた……

 そこから、快適な温度の空気が、生成されて吹き出されている。





「魔導魔力半導体、とでもよびましょうか?

 それの実現をしてしまいました! 」






 出来上がったのは、




・自由転写配置式・魔導魔法魔術回路 集積回路



・魔導コンデンサと魔導キャパシタ



・静止型魔導力生成機構



 及び、その原理を転用した、

・静止型電力発電生成機構




 これらの相乗により…

 これひとつで、動力機ジェネレータとしても、演算装置コンピュータプロセッサとしても両用に使えて、

 魔導と電子で機能を組み込めば作用装置としても高性能かつ安定的に、使えるという、マジモンのオーパーツだ。

 しかも、圧倒的低コストにて、無限に量産可能!

 




 こっちの魔法世界では極一般的な技術ではあったが、しかし、従来ならば、巨大で、煩雑で、

 とにかく…建物数個や高級で巨大なオーブ及び専用装置設備が数十個単位と、装置として大がかりで、重量と体積と複雑さもまた膨大なものにならざるを得なかった、そのシロモノ…

 



 しかし、こうして完成したルーによるデジタル魔法錬金魔導術にかかれば、

 こっちの世界のセラミック・コンデンサ並か、

 それすらよりもちいさな規模と体積で、それらの実現を可能としてしまったのである。 



 それでありながら、実験状態のこの段階で、

 出力と能力規模は、据え置き!



 もっとともすれば、それ以上のパワー規模を、発揮可能なように、ミニサイズは保ったまま、現状以上の集積大規模化により、

 強化と発展進化を図っていける!



 その上、機械化とデジタル応用がされているので、人力の場合での不安定さは排除されているし、術の正確性と再現性は申し分なく、成功率もほぼカンペキときている。




 なので、あとは、装置の書庫メモリーにインプットする魔法や錬金の術のバリエーション次第!




……と、ルーのやつはおっしゃっていた…………










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