「第百二話」ルー、発明工作中…(6/10)
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「まあ、無かったわけでは、ないのですよ…………?
こちらのユウタの世界の、ビデオデッキとカセットに類するモノというのは、」
ふむふむ、
「魔導球のオーブに、篭めてあげれば、たとえば演劇の模様の実録などだったりを、映像として保存できたりもするのです……が……」
ふむ、
「例えば、アナログ処理とデジタル処理の違いなのですよぅ。」
なるほど?
つまり、既存のはアナログ的仕様と原理であるところのを、
それをデジタル化すれば、……ってことか。
「なので、ボクが今進めている作業が一段落つけば、
より良い感じにお見せできるのですが……
こちらの、アリスティリーヴの、魔法や魔導、錬金術、……というのは、まだまだ発展と進化洗練の余地が、あったということなのですね!」
ふむ、
「話を戻りましょう、
オーブで作成する、というのも十分行けるのですし、 この世界の定石としてはそれが理想的で、通常なのですが……
正規品の、ちゃんとしている、
ブランクのオーブは、高価い…………
「それに目を付けて、アリエスタさんはユウタにこのお願いを出したのでしょう。
価格破壊は、商売人の永遠のロマンとカタルシス、
でしょうからね……
うーん、比較実験がしたいな。
デジタル化信号の処理が、どうなるか……接続はこんな感じで……
或いは、魔力原理の、魔導魔法と錬金術の基礎原理をつかって、
デジタルの動作原理に魔法魔力をまとわせて、
より高規格化する、というアプローチも行けそうですね?
その場合、魔術錬金術と電気信号の相互の接続規格は…………こうすれば……
さて……
メイドたちに、また鉱石掘りをお願いしてもよいでしょうか?」
「べつに構いませんが…………」「ご用命とあらば、ざっくざっく掘っていきますよ!」
そうしてメイドたちは承諾し、屋敷の裏の崖にへと向かっていった……
そういえばそうである。
このでかくて広すぎるアリスティリーヴでは、
買ったとしても、
届くのがいつになるのか、わからんのやしな……
「 黎明期のハードディスクドライブみたいなかんじなんやな?
一個が何十万越えだったり、
もっと遡ると、
億円単位の装置ひとつがトンクラスの重量があったとか、そんな位の。 」
おそらくは……
「いちばん、魔法や錬金をつかう上で原理がアナログな情報保存媒体に、魔導札、魔導冊、術式経典、というのがあります。」
「ああ、ルーのおばーちゃんの作ってる、あの印伝細工やろ?」
「その魔導冊で代用するのも行けるでしょう。
ただ、それだとどれだけの分量と大きさになってしまうか…………」
ようするに、パンチカード、紙テープ、みたいなモノの感じか…………それは、
どっかに、磁気テープとかSDカードみたいなフラッシュメモリだとか、そういう感じの便利な物品はないもんかねぇ?
ふむ?
「いっそのこと…………、、」
…………──…………
「…………、、ユウタ。」
「へ、? え、な、なによ、ルー。」
「…………ユウタ、それは盲点でしたよ!?」
「おぉうっ?!」
「 ボクの目には、きっと光の一点が浮かんでいることでしょう。
ユウタからみたとき、ということです。
それは、ボクのやる気が煌々と立ち上っている、ということです!」
お、お、おう…………
「しーでぃー、や、でぃーぶいでぃー、
それをつかえばいいんだ!!」
「わかりましたよ、ユウタ。
魔導冊と原理が同じならば、十分いけます!!!
そうすれば、魔導オーブの機能を再現することも、不可能ではありません!!!」
「く~っ! ボクの隣にユウタが居てくれて、
ボクはとっても、幸福ですねっ♡////////」
「いてもたってもいられない!」
「やりましょう、やりましょう! さっそくやって、形にしましょう!!!」
「おおう、おうおうおう……?!」
(つづく)