「第百一話」ルーの発明の、その開始(5/10)
「ドウジバシーっ!!!!!」
「なんだなんだ……??」
これ、どうしたらいいの?!
風雲! アリエスタ。
本日もその時間となった様であります……
「 屋敷のモノ全員を動員しても、なにがなんだか判らなかったのよ!
一応、わたしは言ったわよね?
“家の中でものんびりしながら、劇や舞台を、ひとりじめできちゃうような、素晴らしいモノを”って!!」
そしたら…………
「なにこの、円盤!」
そういって持ってこられたのは……ああ、こないだのおつかいの時の購入物か。
なにって、市販品のポータブルDVDプレイヤーと、
対応するディスクじゃい。
電源ってなに? って?
それも説明したやんけ口頭で。
小型ソーラーパネルをつないだ、
完全充電した状態の無停電電源装置、それを渡して置いたでしょーに!
……あったわね!あの黒いデカイ重いやつ!
でも、さっぱりだったわ!!!
コンセント、って、何?!
なんで魔力を篭めても動作も起動もしないのよぅ!!!!キーーーーーッ!!!!!
だめぢゃん?!
「アリエスタさん……あなた、愚か者ですね??」
「あぁっん!!?? る、ルーさまあぁあぁ…♡」
へろへろと腰を床にへたり込ませて、
アリエスタのやつは、発情してしまった…………
「そうです、わたくしめは、ほんとうに、おろかものにございますぅ……♡////////////」
言葉の威力のままに、しなだれるアリエスタである。
一方、ルーのやつはというと…
(ボクとユウタが、睦ぎ合いを深めているとも知らずに…………フフ……)
…それへと向ける目を氷点下の温度にさせていて、
「まったく、本当のオロカモノなのですね?」
「あぁん?! る、るーさまの、怜悧で酷薄な、笑みと、目線が、わたくしに、ささって、、あぁあん?!/////」
「まあいってやるない、ルーよ…………」
まあそれはさておき…………
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「ふーむ…………」
なるほど、自信を持って仕入れたはよいものの、
肝心の使い方がわからなくて、
客先でのデモンストレーションに、イマイチ低評価で失敗した、と……
「折角お金だして買って貰ったんだから、有効活用しないと…………」
でもでもでも、
電池?
エレクトロン?
そんなのわかんない!!!!!
「わかんないわよーーーーーー!!!!!!」
やあれやあれ、まったく、であった。
そうしたら、わしちゃん、手持ち無沙汰ってことなんやが……
「ユウタはここにいてー。」
ん?! で、でも、俺ちゃん、やること、ないし…………
「やーだー、ユウタはボクのなのー♡」
う、うむ…………
またまた、それはさておき、
「んで、解決策は、俺ちゃんはこう考えるわけよ。」
光学ディスクドライブ、、それをなにがしかの手段で、スタンドアロン化して…………
「あとは、魔導のスクリーンとか、そんな感じの要領で、
魔法で投影映写してやれば!」
「精密機器類は、読み取りする機械のみで最小限とし、中間の、演算処理する機械と、映写する為の、液晶やらプロジェクターとか、それらの都合をつければよいのですね…………」
うむ、
いかがだろうか?
「 こっちの世界の人間には、こんな素晴らしい科学文明の利器は、もったいないでしょう……。
……いや、そういう意味ではないんだけど……」
うむ?
「こういった電子機器の、精密で繊細なモノは、魔導の産物に慣れきった、こちらの世界の人たちの蛮用には、耐えられませんね…………」
「ふむん…………」
「わかりました、やってみましょう。」
「恩に着ます、ルーさま…………!」
マッタク、ルーの奴に対してだけは、現金なアリエスタである…………
そんな感じで、工作の時間がはじまった……………
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ルー、なにやってるんだ?
「トリセツを探してるところです……
ボクの、この胸元の、ブローチ型、魔導スマートデバイスの…………あっ、あった!」
「ルーさま?」
あっ……ブローチの中に、トリセツはもうすでに入っていたのでした…………
でもでも、それはおいといて…………
まず、
先日“視たモノ”を土台として、
魔導ブローチに、念写で、パソコン類とつなげられる様にするための、無線LAN・WIFIの機能プログラムを、構築する……
つぎに、
トリセツの魔導ブローチの各種仕様を確認しながら、
パソコンに、魔導ブローチに対応した、
ホストアプリケーションを、
手打ちで、プログラミングして作成構築してやる…………
よし、行けた!!!
これで、ボクの念写をパソコンに反映して伝えられるようになりました……、
思念操作式・マンマシーンインターフェースの、完成ですっ♪
あとは、ボクの異能で構築したプログラムを、
パソコンに流し込んで、ビルドするだけ!
IDEも、自分でライブラリを追加した方がやりやすくなりそうですね?
よぉし、念写で全部やってみよう。
データベースの構築はいちから手打ちでやると、膨大な手間がかかりそうですからね。
まず、IDEに、念写入力するための、足がかりになるプログラムを、組んで入れてあげて……と、
ようするに、キーボードに入力する、その代わりをさせればいいわけだから…………
──よし、
キーボードのキー・ロガー、というのの原理で、簡単にいけた!
ちょっとまってて……よっ、と。ふぅ、
おととい当たりから考えていたこのタスクですが、
さて、これで環境は整いましたね。
ブローチの作用で、っ……
「ふむ……」
そういいながら、ルーによる工作は次なるフェーズに移行しようとしていた……
俺ちゃんは、果たしておいてきぼりであるのだが。
ンガッ!
(つづく)
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