「第百話」そして押し倒される……(4/10)
「みてみて! ボクも“ぱそこん”、つくってみたよ!……うわぁっ?!」
その日のこと。
「おっ……?」
がったーん!!!
「!! あっ………………、、、」
異世界では仕組みの術式を仕込むことで電子部品の代わりになる魔法石がすこぶる高価なのだそうで、
「、、、。。う、ぅえっ、うぇっ…………」
ルーが、えっちらおっちらと運んでいる途中で、ころんで、落下し…………
あっさりと壊れた、これ、
昨日の晩、悶々としていたルーのやつは、
一晩掛けて、この現代パソコンの機能と仕組みを真似てみた、これ……なるものを、作成したとのことで……
まるで、電子ブロックの類型かのような機能と仕様であるのだが、
これひとつで、こっちのお金に換算して九十万円ちかい金がつぎ込まれていたことを、延々べそをかくルーの泣き言で知ったおれは目ん玉が飛び出たわけでもあった。
ちなみに生まれてから今まで貯めたなけなしのお小遣いを崩して、これの製作に踏み切ったらしい。
「ひっぐ、ひっぐ…、……ぐすっ…」
少しして、
壊れた……というよりかは、配線の接触不良によるトラブルが起きたのみ、というのが、確認したところ判ったことであった。
しかし、これだけ複雑に、配線類や魔導石の混濁が絡み合っているとなると、
想定通りに組み直すのだけに、どれだけの手間と苦労が掛かるのだろうか…………
掛ける言葉を持たん。
「はあ、まったくよぉ、おまえもすごいやっちゃなー……」
「ぐすっ、ぐすっ………………ボクのすごいところは、これだけではおさまりません…その筈なんですっ………本気を出せば、全力になれば、
あんなアリエスタなんてひとは…………」
「うん?」
「…………、、、。。」
「?」
「……そうですね、ふぅ、。
あは、泣き疲れちゃいました……さあ、そうしたら…………」
えっ、ちょ、
ドン……、、、、。。。。。
「は、っはは、な、なんだよ、ルー、やけくそか……? 壁ドン、だとかっていうけどさ? おい……」
いいのですか? ユウタ…………。。。、、。。
ひっ、
立ち上がったルーは、そのまま俺の前に立ち…………
──そのまま、俺ちゃんはベッドに押し倒された。
* * * * *
「あっ……はぁっ、ぁっ、ぁっ、ぁっ……/////」
「ぅっ、//////////」
今日も今日とて、乱暴にされる、俺ちゃん。
「えぇい、やめんかっ!」
「――――――――っ、」
ルーのやつが、口づけ……接吻……を、求めてくる。
それを、手で払いながら、強引に、阻止しようと、!
「ドーセードーシなんだから! おとこのこだもん、そういうことにしてくださいっ、
ボクはゆうたとおなじおとこのこなんでしょぅっ?
だったらさぁ、ぁっ、ふぅっ」
俺のにルーの手の甲が押し付けられている。その手はルーのを密着していて、ルーのを押し当てるそれは、…………ように、今、動いているものでもある。
つまり俺とルーのが手のひら一枚越しに密着していたのだ。
ルーの感触は、それを覆うルーの利き手の為に分かることはできない。
小さくてあどけないのをこねくり回している……と思ったのだが、しかしおかしい。にぎっているのならその大きさ分高さが出ておかしくはないだろうが、その割には手は張り付くように自分のをつかんで覆っているのだし、なんか、なんかのようにも感じる。
だが俺は、ルーのがあまりにちいさいから、とみなした。まあ今は子供なのだし、将来はどうなるかわからんぞ???。
ってそれどころじゃねーよ! 俺っちおそわれてんやぞ!?
「あぁんギブギブギブ!」「ぅっ………っッ、」
なんだこいつ、もやしだと思ってたのに、スゲェ力入りやがる!?
背中がミシミシ言っている。俺の背骨が壊れそうだ。ルーは片腕で羽交い絞めてるだけなのに。なんだこれ。
これも、今日で何回目になるか…………
「ぅっ、」
……ふぅ。
どうもみなさんおはようございます。
昨日の日、寝床で男の娘に襲われて押し倒された、ゆうたです……ゆうたです……
………………!!…………
「ん? 」「……あぁ、」
そんな傷心の俺ちゃんと、やりきった感じでホクホク顔のルーの元に、今日もその騒がしい声が、やってきて聞こえてきた…………