「第九十八話」パソコンちゃんの贈与(2/10)
「なぁ、ルー」「? どうしたの、ユウタ?」
おまえに、プレゼントがあるんだ。
「…………?!!」
ルーは、顔を満点に輝かせて、
「本当なの?!!」
おおよろこびのまま、じたばたとする、ルーのやつ。
ま、まあな、…………
俺のもくろみはたしかにその通りなのであるのだが、
しかし、早くお披露目しよう…………
「なにかなっ、なにかなっっ? わくわく!」
これや、…………
「!! わぁぁ……っ!!」
じゃん!!! ……というのは……
おれちゃんの、お古のぱそこん、……ということであった…
はたして、メイドたちの土木工事の結果、
僅か数日で、異世界側の勝手口の近くに、
ログハウス……が立つに至っていた。
メイド達が、警備のために、常に一人は待機するローテーションだという。
ルーの奴は、今日からここで寝泊まりする、という事であった……
このルーの小屋にへは、
ホームセンターで購入した耐候性型仕様の電源タップを用いて、
俺ちゃんの道寺橋マイハウスの居間から、コンセントを直にひいたのだ。
そうして、有線LANの耐候性ケーブルとWIFIのブースターも配置したことによって、
なんと、インターネット環境の構築にも、成功していた…………
それを扱うための端末子機として、という意味も、まあまずのものとして、あった。
「ねぇ、ねえっ? ボク、さっそく、触ってみていいかなっ?!」
ああ、どうぞ…………
「じゃ、じゃあ、じゃあっ、さ、さっそく、してみるねっ?!」
さて、この瞬間、俺ちゃんというのは、まったくの無警戒にいた訳であるが、
そうして、ルーが、
パソ子ちゃんに、
触れた瞬間……
「あっ、」「──…!?」
ぼんっ、
っとルーの髪の毛が逆立って、まるで爆発したように……というか、ドライヤーをかけた後の、風呂上がりの長毛種の猫みたいになった。
「……」「お、おい……」
……
「へにゃぁ、」「あ! おい、ルー!」
そのまま、垂直にめりこむ様に倒れ伏せるルー!
俺なんかは慌てふためくしかない。
とにかく助けないと。と……、とっさに抱き抱えたのが今だった。
「大丈夫か!? しっかりしろ、ルー!」「う、うにゃあっ……うー…………」
介抱するように、俺の腕の中にルーはいる。
そんなルーはしばらく目をぱちくり、しぱしぱさせた後、ようやく意識が定まってきた具合だった様で、しかし……
ルーは声を吸い込むと、
「………これは、」「え、ええ、」
一拍の間の後、
「 すごいよ!? 」
がばっ、とルーは喜驚した。
「っ!?「すごいよすごいよすごいすごいすごすぎるよ?! なにこれ、なにこれっ?!」
あ、は、はぁ……喜んでくれるなら、なによりですが……」
「 ユータの部屋でユータのパソコンに触れたことなかったから、こんなにすごいモノだとは、おもわなかったですよぅ!!。」
そ、そうか、そうか………………
こうして、
ルーは、俺ちゃんののサブのノートパソコンの一台をもらう……俺からさしあげることとなった。
「! ありがとうっ、ユータぁ!」
「ちょっ、やめっ」
次の瞬間、俺はルーに飛びつかれていた。
なんというか……
パソコンは、確かに高い買い物だけど、ねぇ…………
なんというか、その日は一日中、俺は自分の鼻を掻くしかなかった。
「ファーストフードも、たくさんかってきておいてるぞっ!」
「!!//////////」
ハンバーガーはバー○ーキングとウェン○ィーズのと、ポテトはマッ○とモ○、ナゲットもマ○クと○ス、
さあて、遅れたけども、ルーの誕生日祝い、これから祝いましょうかね!
…………
なのであるが、
しかして、俺の本当のもくろみは、果たしてここからであった。
それとは?
(次話に続く)