6(6/6)-遊星歯車の悲劇-
「 この腐れ年増は、この際捨て置いておきましょう」
は、は、はぁ……
ルーのお様子は、しかしいかんせんだろう……
先ほどよりも、纏う闇が、さらに度を増している!
「まだ、残りが、あった…………」
「…………。……」
ルーは、エリルリアの持っていたアンプルの残量数滴を、己のその口に含むと、
「……──っ……。。。。。。。。」
「もが、むが、?!!!………。。。。。、、、」
俺の口にへと、強引に、口移し、してきた、!
「なにひゅるぅ?!!」
「むふ~、♡
……ボクの、はじめて、でしたよ?
ボクも、ユウタの、はじめて……を頂きましたっ……
はじめてどうしの、契りをむすんだのです……
これで、ボクとユウタは、夜の果てまで飛び立てますね////////////////」
「♡ ♡ ♡」
「お、おれっちゃん、…………」
あ、あわわわわわわわ…………
「 さあて、倍力魔法☆ 」
うぉぉん?!
──どたばたどた、とルーは、俺を椅子ごと抱えた状態で、屋敷の中を疾走して、
「 ボクのへやですよ♡ ユウタ、ここが愛の巣なのです♪
完全に、暗くして……ください、ね?」
ばさっ、どさっ…………と、俺はルーの寝台の上に、開放された上で、──……押し倒された。
「目をとじててもいいですがっ//////
そうでしたら、天井のシミでも数えててくださいっ//////////」
オウッ、おふっ、ほふっ、オフゥッッ……
「 ユウタ、ユウタ! ユウタ。ユウタ♡、♪、」
「 あっ、あっ、あっ、あぅ、はぁうっん♡ 」
はたして、杞憂、という奴だったかも知れない。
なぜならば、
わきのしたからおこんばんわ!!だとか、
またのしたからこんにちわ!!!だとか、という塩梅の………
頭のネジが飛んだままだったのだろう。
それでええぞ、るーよ……いやよくないがぁあ!?
ぼでー・らんげーじ、もしくは、まっさぁじ、と称して、果たしてそれは始まった。
ルーのやつは、悶えさせながら、己の体を擦り付けてくる感触があるのだが……
まあなにだ。暗くて見えないので、なにがおきているのかは、おれにはわからんのばい………
「さらば…俺ちゃんの純潔………」
「そうだ! ボクには、ボクにしかできないことがあるんだ!」
冷凍イカのような目になったゆうたをそばに置いて、
身の着のまま行為に及んだがために、乱れた着衣のまま……
そんな状態のルーが、そんな何事かを、急に言明し始めたのはその時だった
ひらめいた! ということだった。
しかしそれ以上に、天啓が降りてきていた、ということらしい。
翌朝のことである。
「はつめい! そうだ、ボクの異能で、発明をしていけばいいのです!」
どどーん! と、
「あの、おかねだけしか取り柄のない、
空色髪おんなには、できないことをすれば、
創造的なことができる、ボクの価値と勝利の未来はゆらぎません!」
その様に、宣言がなされた……
「 さて、今日はこれからどういたしましょうか?
ゆうたにまあきんぐするのでいそがしくて、けっきょく、ほんばん、できませんでしたぁ……
ざんねんだけど、しょうがないよね?
だって、きょう、ひをあらためて、やればよいのだもの☆
ね? ユウタ、あぁ、起きてた♡
そんな陸の上で乾ききった目をしたお魚さんみたいな顔してないでください♡
すてきな目覚め。素敵な朝だね♪ 」
結局、本番などはなかったのであるが、
ひたすら一夜中、すさまじいテンションのルーに、
ひたすらボディタッチのらんげーじを取られた、という意味で、おれたん、つかれた…………
そんなところに、である。
スッ……っと、ルーのやつは、俺の顔に自分の顔の口許を近づけさせて…………
「あいしてる……愛してますよ…………ユウタ……」
「へ、へへぇ、へ、………………、、、。。……」
ちゅ、っと、キスをされる…………
もはや何も言うまい。
純潔……汚されました……
俺ちゃんは、ルーのやつの、所有物に、なってしまった…………
「………………これは…………」
え、………………ぎゃあっ?!!
「? あっ、おじいさまだ…………おかえりなさいっ!」
「にどめの、まぐあい、か……」
「? どうされましたか? おじいさま?」
果たして、扉は半ば開かれ、そこに、ガーンズヴァルが現れていた……
布団の上で爆弾になってしまった俺である。
そんな身じろぎをした俺に対して、ルーのやつはというと、なんだか、冷静で…………
はたして、ガーンズヴァルの目は、
哀愁を帯びた瞳であった……その瞳で、半裸の状態の、ルーと俺ちゃんを、交互に見やった後、
「ルーやよ、………」
「いや、なんでもない………」
「…………我から、ルーやに、門出……ではないが、いや、まだ我が家族に、手元に、いてほしい……が……
小屋を建ててあげよう。
そう、……そうしたほうが、二人にもよかろう………」
「!」
(ボクとユウタの、二人の愛の巣!!!)
「おじいさま、ありがとうございます!!」
ルーのやつは、まるでクエストの段落がひとつ幕を終えたかのような軽やかで爽快な満面の笑顔で、俺にへと表情を送った…………
その身体は着衣が乱れた状態で。
「やった! やった♪ やりましたよ、やりましたね! ユウタ♡」
「あっ、ふっ、うぐっ、ごふぅ、ごひゅ?!!」
俺の肉体のうえで、抱きしめてきてじたばたとする、ルーのやつ…………
おたがい、半裸の状態で、
(………………孫よ………………)
…………ガーンズヴァルは。密かに、涙を目ににじませた…………
「おはようございます、ルーさまっ…きのうはごめんなさ…あっ、あぁっ…………あぁっ?!!」
アリエスタ!!?
や、いやん、いやまちがえた、いかん、いかんのだ…………
いまの俺ちゃんを、みないでおくれ………………
「あっ、アリエスタさん、おはようございますっ☆
では、そのまま扉を閉じられて下さい。
ボクと、ユウタは、この辺で…」
えっ……その……その……る、ルーさま……?
「 ボクは、ユウタと…これから、“ね?”」
………
…………、、。。
「 …こんなのって、ありー!??」
アリエスタの断末魔であった。
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「キーッ!」
その日のこと……
「なによ、なによなによ、なによ!!!!!」
「サイッテー! むかつく! あの、ドウジバシ!!!」
なにということはない。
アリエスタにとっては、ドウジバシこそが、さいだいの障害となりつつあった……
「ふえっ……、、、ふえっ、ふへえ、ふへ、ふふぇふぇふぇふぇふぇ?!」
決めたわ!!!
「……おとうさま、おかあさま、おねえさま……みんな…………」
「乙女の純潔……わたし……捧げます…………」
「………………こうなりゃ、強攻策よ…………」
「今日から、数日掛けて、準備をするとして…………」
「みてなさぁい?! ドォジバシィィィっ?!!」
ずどぉおん! ……と、稲光が轟いた……