1(1/6)-遊星歯車の悲劇-
「はぁ?!」
ええ、、
「はぃぃ?!!」
はい……
「えっ……はぁっ???」
えぇ……・・・・。。。。、、、。。
「………………」
………………
〈ぷっつん☆〉
「………………!!!!!!!」
ほぎゃ、ほが、ぬが、えぶっ、えふぅ?!!
「なによぅ! なによなによ、なによ!!!」
どむどむどむ、とその顛末を俺から聞いたアリエスタは、俺の脚の甲の上で、軽々としたフットステップを足踏みして鳴らし、
「なんで、あんたが、ルーさまと、そんな素敵な仲を深めてるのよぅ!!!!」
「いて、いて、いてっ?!」
聞き出されてしまったのだからしょうがない……
……何を? いえいえ、昨日のルーの誕生日祝いの、それの事について、である。
「この世の理が間違っているのよ!!!!」
「油断してたわ…………まさか、まさーか、まさか!! あんたなんていう伏兵がいたなんて!!!!!」
そ、そーともいえようがぁ……
「わかったわよ」
は、はぃ、
「あんたを調達先から、外すわ。」
はい???
「こうなりゃ、わたし独自で、あんたを介さずに、物品を手に入れてみせるわ!!」
なんだよ、それ……?
「どっちが、より多く、ルーさまに利益を還元できるか…………
勝負よ!」
フン!
「 え、えぇ…」
はたして、俺ちゃんは……たじろぐしかない。
「ねぇ、ユウタ♪ きょうは、なにして……」
「 すまん、ルー。
俺ちゃん。本気をだすわ……」
「え、え……」
「…………、。。」
………
アリエスタも去り、ゆうたも去り……
ルーは、孤独になってしまった。………
^^^^^^^^
「あぁ~~~~~ッ、もうっ!!」
動揺した心のまま、ゆうたは自宅の勝手口への道をたどっていた。
(俺だって、何もできないわけじゃあない!)
アリエスタに……
惚れてる、ってやつなのか?
あのとき、キスされたから???
俺。…まさか。
よしんば、そうであっても、あったとしても、
俺にそんな甲斐性が、あるわけないじゃないか、クソ!
…………、、、、、
そうだ、アリエスタのやつの言ったとおりさ。
おれはなにもまだ、出来ていない…………
ルー、ルーのじいちゃん、ルーのばっちゃん、るーの叔母さん、
……このひとたちに、できるかぎりのお礼を、恩返しをしないと……
俺は、義理知らずではいたくない!
(説明すると、ゆうたはルーの祖父・ガーンずヴァルに、ゆうたの難病の妹を治癒してもらったのだ。
しかし、その際に、日本円の額面価格に直して、910万円…もする、異世界の貴重な物品・クレネンクというモノを使用していた。
ガーンズヴァルは、自身が高潔な騎士であるとともに、その孫であるルー(が思いを寄せている)の。その友達であるゆうた、の妹のためならば…と、一切を惜しまず、気にしなかった。
だが、領主であるガーンズヴァルの家庭は、領を切り盛りしていく理由で借金まみれ。
その上、異世界の一般人がめったに得れるものではない、このクレネンクというモノを使わせてしまったことに、ゆうたは恐縮してしまった。
そして、恩返し……というか、少しでも役に立ちたい、と、己の開始していた異世界=現代日本間のせどり転売で、
今よりより多く利益を得て、すこしでも役に立とう、と考えたのだ。
ガーンズヴァルの思うところが、まず、孫であるルー(ルーテフィア)の想い人であるゆうたへのその厚意ということであり、
そしてルーは、なによりも、ゆうたと共に居れることを、願いの一番としている、ということを知らずに……)
(おれちゃんをはずして、アリエスタのやつはひとりで完結するようになる???
は、ははは、……そ、そうしたら、おれちゃんの換金のアテが…………
い、いや、よくまて、考えろ。シンキングタイムだ。
よく考えてみれば、俺を外した後は、アリエスタのやつは、どうやって現代日本物品を調達するアテがあるんだ????
は、ははは…………ひゃひゃ、は…………)
……頭の回りはそこまで論理を演算したが…………
あぁああぁって、
はぁ、かあちゃんただいま……、
……ん?
「 おじゃましているわ。」
「 おまっ…あ、アリエッタ!」
「 エッタって、よぶな!」
ずぎゃーん!!と鳴らざるを得なかった。
なぜかといえば…………いや、!
なんというべきですらない。
アリエスタが、おれの家の中で、優雅に紅茶をすすっていた!!!
なんということか。…………
「え、え、えぇ、エスタさんよぉ?! なんで、…なんーで、このような状況に?」
「 かんたんな話よ、あんたのおかーさんを買収したの。」
「 ズコッ、」
かーちゃん!
「怒らないの! ゆうちゃん!
こんなおおきな、トパーズのネックレスよ!
こんなに豪華な首飾り、おかあさんたら、生まれてはじめて身につけたの!
だから…おかあさん、エスタさんのこと、気にいっちゃった☆」
ま、ママ上どのぉ~っ!!
「 タダであげたわけじゃないわ?
もらったわよ、代金の、イチマンゴセンエン!それから、使い古しの、タブレットタンマツ?っていうのも!
ツウハン?で買って届いたときに、名義を貸してくれるのと、わたしのをこの家で優先して扱ってくれるのも、取り決めができたわ!
それを元手に、わたしの通販せどり生活ははじまるのだわ!」
は、はは、そうですかい…………
「 ふふ~ん、どうだばかおにぃ、わたしも! おこぼれに預かったのだ。」
その声に顔だけ振り向くと、アフリカか南米かのラッパーか汚職役人のように、
金ピカの飾りチェーンなりでギラギラまみれになったその姿が。
ああ、舞依、ばかいもか…おまえは好きにしとれぃ
「な、なんんだと、このぉ~!!」
まったく、家族とは無情なんだな…………と黄昏れていると、
「なんだい、おとうとくんだけがディスコミュニケーションなのかい?」
「あねき!?」
あ、あねきまで……
「嗚呼! なにもいわないでくれ給え。いまはまだ、早い……ふふっ。
わたしのいるゼミの研究している、材料開発の分野で、
いやあ、このアリエスタ女史の持ってきてくれた各種のサンプルが、おおいに価値がありそうなんだ。」
それにしたって……
他人に対して一線を常に置いていて、警戒深いあねきが、どうしてなぜ?
「いやあ?なんにも、エスタさんはその気はない、と、はっきりと己の口からで、言ってくれたからね……」
ななな、あねき、こんどはなにについての?
「いや、どうというわけではない。とても単純でシンプルなことについてさ。
だから、わたしは、ある以内の信用をこのエスタ女史に置くことにした…それだけだよ? おとうとくん。」
「そうなのだわ!」
優依ねぇとアリエスタは、片っぽ(ゆいねぇ)は猫の様な無表情であるが、表面上は、にこにことしつつ…………
((このおんなには、りようかちがある……))
……我欲の気配を感じる。
なんか目でバチバチやっとるし。
「~~~~~っ」
ああもう、おれちゃん、げっそり!
というわけで、目を、一時帰宅で家に帰っていた、末の妹の未依にへと向ける。
未依、オマエだけが味方だ…このあにきを癒やしておくれ……
「おぬい!」
はいはい、なーんじゃろ???
「グソックくんを、うごかせるようにしてくれた!」
「 」
こんどこそ、ゆうたの心のHPは、ゼロとなった……
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