7(7/7)-発明ちゃれんじ! 中編-
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「錬金木質液がどんなものなのかはよくわからんが、
いっそのこと、汎用性を無くして…
…錬金術に適合した樹脂ポリマーを、
スピンオフさせて作っちまえば良いんかもしれん。
造形に限って絞ってだけ、使えるようにするんなら、な」
「ほうっ?!」
はたして、翌日。
そんな具合で、きょうもきょうとて錬金釜談義をしていた、俺ちゃんとルーのやつの二人であったわけだが……
「その、おまえさんとこの世界の、疑似木質液っつーのは、要するに廃材やおがくずみたいなのを液化したのが基材というか主原料なわけやろ?
とすれば、だ。
おがくずに関しては俺んちの近所の木工屋行けば、安く融通してくれるだろうし、
……なにか適当な、それに良いような原料があれば……とすれば……、、、、」
がちゃり、と。
「ゆうちゃん! ちょっとあんた!
パソコンの大先生やってんじゃなくて、この古いノートパソコン、早くどうにかしなさいよ!!!」
「 か、かあちゃん、?!」「ほぇ?」
あ、アカァン、おれちゃんのなさぁけ無い所、ルーのやつに見られてまぅううんっ!!!……(自爆)
「 か、勝手に人の部屋、漁ってんじゃね~!」
「片付けができない子なんだから、やってあげてんでしょうが!! もうっ!!!」
ぱさっ……
「あらっ?! ルーちゃん、ごめんだわよね、それじゃあ、ゆうちゃん!!」
「あーもう!! で、ルー、大丈夫か……? ああ、DVDのディスクが、落ちてきて触れてあたっただけか……なら、よかったが…」
薄情なことに、一瞥しただけで去っていく母親。
俺はルーを心配したわけだが……うむ?
「うん?」
「……。。。、、。」
……なんかルーの様子に、変化が。
* * * * *
(SIDE:ルー)
……それは、その時のことでした。
(むむ?)
光ディスクに触れたとき……
“視えた”。
「原理構造は、魔導経典や術式札と、変わりは無いんだ…」
ボクの世界のそれらであれば、
エッチングで金属板に印刷したり、
粘土や石や木の板に刻みつけたり、
焼き目や、特別な樹液や液質の樹脂や油や生贄の血…などを使って、呪文と回路を紙や布に描いていくわけですが、
なるほど、これは、固体内の記録部位に書き込む形式なのですね……
パターンが作れるのなら、
あとは、それに対応した魔力の流し込み…
…それをすれば……
固有化、の魔法。
帯磁、ならぬ帯魔化。
魔導札に帯魔させるのは、磁石に帯磁させるのと、同じ……
……
そうしたらっ!
「ねえねえねえ、ユウタっ!!!」
このさっきの、ゲームの、ディスク…?
「ユウタ、これを素材にさせて!」
「まて、それはだめだ!
駄目にしたら持ち主の親父らに怒られる!
だから、このブランクのdvd-rをやる!」
「それでもいいよ!」
い、一体なにが始まるんです?
「それでねぇ、ユウタ、ゆうた、裕太、っ!
この、光ディスク、って、お値段いくらですかっ?」
「あ?ああ、
スピンドルでまとめ買いすれば、そうだな……一枚あたり、一枚百円もしないべ。」
「!!っ……、そ、そしたら、そうしたら、っ!!
くださいっ、ボクに、実験させてくださいっ!!!/////」
あ、ああ、??? う、うむ……
「ありがとうっ!!ございますっ!!!!」
どういうことなんだ??? とユウタ、
「ふっふんっ♡///// ボクは、またしてもひらめいてしまいましたっ!!/////」
* * * * *