4(4/7)-発明ちゃれんじ! 中編-
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「それにしても、ビー玉が、ねえ…」
ユウタはそうボヤキながら、ボクの作業の推移を見守ってくれてます。
そうして、ボクの方は……
「よぅしっ☆
あとは、出来上がったプログラムを入力して……」
でも、ここで、乗り越えないといけない、壁がありました。
「…なんだって?」
「そうなのです。
磁石を作るときには着磁の工程をするように、
魔動機として使うためには、
魔素、魔力を励圧させて籠める……
着魔という作業をさせる必要があるのです。」
「んで、その器材を持っているのは?」
「……たしか……、、、。。。」
「……マジかよ……」
ちょっとまっとれ、とユウタは秘密のアイテムを持ってきてくれるそうです。
はたしてどうなるのでしょう。
あわわ、ボクも、こわいよう……
* * * * *
「…で?」「あぅ、…」「そのー…ですねー…」
エリルリア伯母様にに、使い古しの
魔導実装機を借りる。
ただこれだけで、どんなに怖い思いをしなくてはならないのでしょう?
正直、ボクはもう昏倒しそうです…。
でも、ユウタの付け届け……ワイロ? そんな物言いはできません!……
それの効果が、今回もてきめんでした!
「あ、あるふぉーと、?
ぱく……さくっ、!?
こんな! おいし!ぃ……コホン、ケフン、
……、。。。
わーったわよ、存分に、使え!
好きなようにね…」
ただし、
「壊すんじゃないわよ!」とその後のお言葉。
とはいえ、これで万事が上手くいきました!
そうして借りた、魔導実装機……
魔道具や魔導機などの、その精密な励魔が可能な、すごい道具……
今でも名目上は帝都の研究所の研究員の籍があるという、
エリルリア伯母様の、その仕事のための道具の、一つです。
もっとも、今の伯母様は開店休業中とのことですが…
さて、これについては、
高位の魔道士なら…例えば、エリルリア伯母様や、そのお母様のエリルローズおばあさま……、
そのレベルなら、器材の経由や補助支援なしでの魔道具の作成というのもできるそうです。
ただ、今回の目的のものは、
精密な電子データの取り扱いが、求められる……
そうした意味で、念には念を!ということで。
どのみち、ボクの個人の魔導のセンスでは、とてもじゃありませんが、
フリーハンドでの励魔や実装というのは、できっこない!
伯母様も、ボクには昔からつっけんどんですし、
そうすると、あとに残るのはエリルローズおばあさま……
だけど、ボクの細かい指示は、たぶん最後まで聞かずに、
途中で寝ちゃうか、勝手にコードをアレンジして、厳密な再現性を持ったものにはならなそうな雰囲気でした。
さっきダメ元で伺いに行ったら、断られない代わりに、そのような恐ろしさを感じたので、回避したのです……
さて、そうなりますと?
「おお、こっちにも、スポッと収まった」
「おお☆」
魔導実装機のスロットにも、嵌ってくれた!
う~ん、♡もう完成は目前です!
けど、
それにしても…
「それにしても、なんで、ビー玉の口径が合ったんでしょうね?」
「なーんかな、
結局、ウチの家の勝手口の秘密というか正体というか、由来? もわからんままだし。
まっさか、うちら日本人の、美浜ヶ崎(ユウタの地元の街の名前…)の先祖が、魔王に入れ知恵してたとかってのは……
無いよな! アッハハハ!」
「あはは、
…
かつての魔王帝国の勃興の時、
黄肌人は、
魔王に入れ知恵をしていた腹心の何人かがそうだった、
という悪い伝説の言い伝えもありますね。」
「 おぅ、
………」
異世界との往還扉の、その真相についても…謎が深まります…。
そしてもって、
「ワンボードコンピュータのための電源は、どうしようか…?」
「 あ゛、」
今度は!
どうしよう…
「一進一退。やな?」
「うぅーっ、へぅーっ、へぅうーっ!!!」
まあ、ここにおいては、
ユウタが融通してくれた、スマートフォンなど用の、
モバイルバッテリーというもので、なんとかなりました……
「これで、レジーバーのドングルは完成ですっ!」
「おおー!」
ユウタも、歓声で喜んでくれた!
ここまでに、わずか一日。
思い立ってからは、わずか2日!
ボクの実力、すごいでしょっ?
なによりも、……////
ユウタに手助けしてもらえながらなら、ボクは、何でもできてしまえますっ♡////