3(3/7)-発明ちゃれんじ! 中編-
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引き続いて、魔導乾板代わりのビー玉に、情報をインプットしていきます。
今回の目的は、
このビー玉を使って、
外付けシーケンサからの、
錬金釜に魔導錬金術の制御信号を変換して伝える、
そのレジーバー!
それをつくっていくつもりだったのです。
今から、念写で、そのコードの内容を、自動筆記装置に入力していきます……
あとは、これに、これを、こうして……
「おーい、ルーさんよー」
「あぅ? はーいー、? なんでしょうっ♪」
「ところで、これは?
なんかやけに大げさな容器に入ってるやつだが。」
! それは!
「あっ……だめです!
それは、年に2回だけ、おかあさまとおとうさまから送ってくれる、
大切な記念日の映写レターなのですっ。
大切なものだから、そうそう上書きなんて、できません。
」
「おお、わかったぜ……」
……
「ルー、おまえさんの、父ちゃん母ちゃんって、…なにしてるん?」
「ほぇっ、?…む~ふ~、♪
ボクの自慢が聞きたいですか?
ズバリ、!
お父様は帝都の帝立研究院の研究者をつとめていて、
お母様は、近衛師団の中隊の指揮官と、帝都の高級学院の、先生さまを兼務してやっておられますっ!」
「めっちゃハイソやん!? さ、さすが、世界を救った元勇者の、その係累だけはある……
……んで、」
「? はいっ、なんでしょうっ?」
「…あの、…はなればなれなのは、なにか理由が?…」
「……心配ないですよっ。ボクは、おじいさまたちが育ててくれて、元気いっぱいです。
ただ、
おとうさまもおかあさまも、忙しいそうなのです。……」
「…そうか……」
「その上で、ボクのそのことの理由は、
……いちばん大事なものが、あります。」
「んぇ、?」
一瞬、呆けた表情のユウタに、
ボクは、微笑んだ……つもりで、
「ボクの、ひみつ……知りたいっ?」
そう聞くと、……ユウタは、どんな顔をしていいか、わからないみたいでした。
ユウタの、この方の、
こんな表情は、初めて見たかも知れませんねっ。
「いつか、キミにあげるねっ!」
なので、ボクは……
「その時は、受け取ってくださいねっ、
受け取ってくれるよねっ…絶対、かならずっ!」
ボクとしては、まごころのある、精一杯、を籠めた…
…ホンキ、の言葉。
「……了解だ。その節には丁寧にの、…ありがとさんよ、」
でも、ユウタは、相変わらずの様子で……、
これは、うまくかわされちゃいましたかね?
「ありがとう…ございますっ」
けれど、
ボクにとっては、今のボクにとっては、これで、まだ、いいのです。
でも、信じてくださいね?
いつか……かならず……、
ボクは、ユウタのまごころを、手に入れちゃいます。
そんな日が、決して、来ないわけはありませんっ!
だって、やればできる子、それが、ボクなのですからっ…
ね? ユウタっ!!