6(6/6)-ルーの発明ちゃれんじ!-
###12
「…あーそれにしても、喉が乾いたなぁ…」
「のみもの?」
「そう! 夏のこの季節によく合う、
炭酸で、甘くて、しゅわぁああってなるような、
そんな素敵なものは……」
「はわわ…~~…っ」
そう言いながら…聞きながら…、
ユウタとボクが、部屋の天井を仰いでいると……
「ねえねえそこの悩める若人たち、
ラムネでもどう?」
開いていた部屋の扉から、
ユウタのいもうとさん……舞依さん。
その方が、なにやらよく冷えた、
細長い瓶状の青っぽい容器を、
二本、ボクたちに見せてくれました。
「おお!ラムネか!!
いもうとよ、気が利くな!
あんがとよー!」
「おおっ☆」
ボクたちに、とっても嬉しい出来事でした!
ただ、いもうとさんのまいちゃんは、そのラムネというのをボクたちに手渡しながら、
「ふふふ~」とにやにやとしながら、
なにやらあくどい表情になって…
「じゃ、あにきのプリンはわたしのものね~
わたしのぶんのラムネ、その子にあげたんだから!」
「んなっ?!
バーターなんて聞いてないぞっ?!
どうせ自分が飲まないラムネ押し付けておいて、プリンも自分の分を買っておいてもらってんだろうがっ!?
~~…まあいいか。」
ユウタはそう野次をとばしていました…
…が、
いま、ボクはというと、
「ルー、今度から、ばかいものプリン、いもうとに許可取らずに食っていいからな。長兄として許可を出すっ!
って……、どした?」
…衝撃を受けていました。
まぁるい、形の、ガラス玉……
そう、それなのです。
渡されたラムネという飲み物の瓶。
それの中に、ボクの世界の住人からすると、
喉から手が出るほどに欲しい、
垂涎の品物が、見えていたからなのです…!