2(2/6)-ルーの発明ちゃれんじ!-
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「…………、、、。。。」
……なんでしょう、これは……
頭の中にあったのは、ボクが作った量産型ガンキャノンの、その頭部部品の形状のイメージ。
だけど……錬金で出てきたのは、錬金釜から出てきたのは、とてもじゃないけど、……
ボソボソで、見た目が全然で、形もベシャベシャで、
平面が平面になってなくて、曲面も歪んじゃってて……
まるで、燃やすのに失敗した炭のカタマリ。
そんな形容が出来るような……それ……。
えぅ、えぅ、えぅ~~~?!!!
「うぇえええんっ!びえぇえええん!!!」
ユウタにお金、使わせちゃった……
ボクとあそぼうって、ボクなんかと遊ぼうって、
ボクの思いつきにっ、ぐすっ、
付き合ってくれて、そのために、たくさんのお金を、使わせちゃったよぉっ!!
もっと、いろんなことを、教えてもらいたいのに、
もっと色んなものを作りながら、一緒にあそびたいのに、
だめな子のボクが、ユウタに見つけてもらって、伸ばしてもらえた、実現させてくれた……
たった一つの、特技らしい得意なことなのに、これじゃあ、もっと上手くなれないよぉ……
もっと、いろいろな、いろんな、いっぱい、もっとすごいの、つくりたいからっ。だから、だけどっ、
ぐすっ、ぐすっ、
これじゃあ、ユウタといっぱいの時間の間、あそんでもらえないよぉっ!!!!
びえーんっ! うぇええええぇえーんっ!!!!!!
「これ、ルーやっ?!! 一体どうしたっ……」
「なにごとですかっ?!」「る、ルーさまっ!!?」
ボクの泣き声に駆けつけてくれてきた、おじいさまやメイドたち。
ユウタにも、家族たちにも迷惑をかけてしまって……
ボクは、情けないかぎりです……
* * * * *
「……、、、。」
……結局、その日の寝床の中。
ボクの部屋の中です。
本棚のふちに、昨日と今日、ユウタと一緒に作った、
ゴーレムの人形たちが並んでます……
その片隅に、あの、焼け残りの炭みたいになった、
錬金釜での試作品も、置いてあります。
……
光造形3Dプリンタ、の専用レジン液。
それというのが、一体どういう素材でできているか……
容器に触った時に、組成だったり作用の原理などは、
ボクの“異能”で、隈なく知ることができました。
けれど、液状のプラスチックにしろ、それを重合反応させて固化させたりのための薬剤にしろ……
もととなるモノから完成物ができる。
そこを見れば、
確かに、ものを作るための錬金術と似ていますが、
色々異なるという具合です……
でもまあ、異能で視た限りだと、
全部まるごと、個別に一つづつ、
錬金術で成分は再現できる感じなのですけどね?
ま、まあ、ボクみたいな魔導のセンスの足りない子では、
とてもじゃないけどどうしたらいいか、わからないのだけど……うぅ。
ユウタの世界……ゲンダイニホン? とやらの、現代地球というのの、
デジタル文明……高度に発展した、電子技術……
密閉された筐体の中で、髪の毛の何十何千も小さな経路の中を、
針のようなカミナリ? が、縦横無尽に絶えず駆け巡っている!
恐ろしい空想のようですが、
でも、同じ原理は、
ボクの世界の魔導技術も、
ユウタの世界の人間からすれば、
いわば、まあ同じようなことなのでしょう。
それでも、ボクの世界の常識からすると、
ユウタの世界である向こうというのは、
有り得ない空想の……それが実現した世界。
ボクは、今、そう考え事をしながら、まどろんでいます……
電子技術と、魔導文明……
原理の類似性……
とりかえばや……差し替え……
根本が異なるだけで、
技術原理は相互に組み換えできるのでは?
根拠になりそうなのは……
電子科学…
デジタル技術……
魔導技術……
錬金……3Dプリンタ…
「 ! 」
錬金釜をデジタル制御化すれば、!!
「~~~~~ぅ~~~~!!!!!」
ボクは思い立った。
天啓でした。
これなら!
忘れないように、
ボクの魔導ブローチに、思いついた内容を、
すべてメモとして、
気づいたことや思いついたことの、
その思念を籠めておきましょう!
「むふ~、♡、!」
はやく、明日にならないかな…
あしたが、楽しみだなっ!