1(1/6)-ルーの発明ちゃれんじ!-
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(SIDE:ルー)
「ねえねぇねえ!」
「ふむふむ?」
翌日、ボクは待ちきれずに、
早起きして、ユウタのもとに直行しました!
「きょうも、つかいましょう! 3Dプリンタぁっ!」
「うむ……」
でも、ユウタはなんだかためらっている様子…
どうしてでしょう?
その理由を聞くと、
「いやあね、ちょーっち、ちいちゃくて細かいものだって油断してたから、
ちょっち、手持ちのレジンが残りわずかでなー……」
なんと?
「3Dぷりんたぁ、のレジン?液って、そんなに高価いモノなのですか…?!
………、、、。。ふむふむ。
か、からあげべんとー、十個分?!!
1ラッター(リットル)で?!
はわぁ、……」
「 こーら、気絶するほどのことじゃねえべ。
まあ、先だってのSDのマスコットくらいなら、作って出せて遊べるくらいの余裕は、まだあるさ。」
ひまつぶし、ということに限っていえば、
粘土細工でよければ、
なんだったら石粉粘土もあるしな、ともユウタはいってくれました。
けど……
「えぅ~、で、でも、やっぱり硬い樹脂の質感が、良いですよぅ…」
「オマエも、いっぱしのマニアみたいなコト言うのね……」
ユウタはほめてくれてる?みたいです!
うぇしいっ(うれしいっ)!
さて、その一方で…
(うーん……うん。)
なんとしても、ユウタに、この便利な魔法や錬金術というものを、体感できるようになってほしいのです…
ぜひともっ
挙げずげにいうと、
ボクなんかより、よっぽど才能も、センスも、あるはずなのです。
今回見せてくれた、あの、ユウタの作られている模型や、3dcg、
立派な作品たちでした…!
そのときに実演して見せてくれた
3dプリンタ、といつものも、たしかにすごいでしょう。
でも、ボクなら、もっとすごいこの世界の魔導と錬金術に、
いま、この世界中で、
ボクだけが、アクセスさせてあげられる!
使命とその責任は、重大です…!!!
おじいさま、メイドたち、ボク、がんばるからね!」
「ルー?」
「ひゃ、ひゃい!!」
「んー?」
*****
その後、ユウタはボクに、昨日と同じように、3Dプリンタを使わせてくれました……
でも、申し訳が無い。
ユウタのたいせつな、お金。
それを、たくさん使わせてしまっているのですから!
だから……
……その日の夕方。
「ふふ~、ん!これが!ボクのお家の、錬金釜ですっ!!!
ボクは屋敷に帰るなり、真っ先にそれの前にまで直行しました。
そうなのです。ユウタの世界にはスゴイ機械があるでしょう。
そうしたら、ボクのこの世界には、
千万年単位の積み重ねがある魔導の極みたる、
この、錬金釜があるのです!
早速、つかってみましょう。
錬金硬化すると木材のような感触と質感で固まる、
その錬金素材の、疑似木質液…は、エリルリアおばさまの作りためを、拝借させてもらいます…
…後で、ユウタから頂いた、とっておきのジャガリィコで買収すれば、問題なしっ! た、多分、そのはずです。
出来上がったら、ユウタに、自慢しますっ。
ボクひとりのちからでも、できたよっ、って!
その時、ほめてもらえるのが、今から楽しみで仕方ありませんっ。
そして、きのうボクに体験させてくれたように、
ユウタにも、この錬金釜を、
ボクが教えてあげるから、体験してほしいなっ…
……だけど……
「……え?」