4(4/6)-ルーのおもちゃばこ-
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それはさてさて、
とにかく、そうしてしばらく見守っていると、
徐々に形状が見えてきて…
…最初に見始めたときはゆっくり目に感じられた、
その時間速の所見よりも、
思ったより実際の造形速度のペースは早く、
「できた! …かなぁ?」
キットの箱絵の通り、あるいはインストにも載っている3DCGの、かっこいいジムカスタム…の頭部。
いつしかそれが出現していた……ちいさなルーのおてての中に。
「どうですか?/////」
ふむふむ、
「よく出来てるな……形に関しては。
プラモ模型歴1日目にしてこれをできるとは…」
だけどね、
「ひとつ遅れて言うとな……
エポパテってのは、主剤と硬化剤を、練って混ぜてから使うものなんだ……」
「 ?! そ、そんなぁ~!?」
「 気を拙いて、
逸りすぎたな、オマエ……」
そんな不発な空回りをはさみつつ……
さておき、めげずにルーはリトライに挑んだ。
「え、えっと、…
この絵の通りをやろうとすると、ここがこうで、これがこうで、
こうなってて……」
えい、えいっ。……
「も、もう一回やり直しました!
どうですか/////」
おお!!?
俺が認めるとかじゃなしに、すげー出来の良さだ!!!
「えへへ…魔法を使うときの集中力の関係で、さっきよりも形の正確さはうまく取れなかったけど、
だけど、これで、ボクだけのジムカスタム、できちゃいましたねっ!!!」
そうとしながら…
…ルーの手指の中の、ジムカスタムの頭部。
とにかくも、かっこいい形状で、
もともとのなんともいえなさ…から打って変わった、
端正な印象の、そんな顔立ちの外観の状態になっていた。
しかし、パテは、まだ半硬化の状態だ。
「あっ、手から取って置こうとすると、
まだちょっと柔らかい? 状態なので、
置いた時に、形が歪みますよね……?」
粘土みたいな性質を持つエポパテは、
硬化時間があるからな~
でも、慎重にやればいいんだぞ。
パテで作ったところには、触れないようにな……
「でも、いまのボク、手がふさがっちゃってるよぅ~!?」
ちょっとまっとき……
「こ、このままだと、せっかくかっこよく尖らせた、ジムカスタム、というゴーレムの顔の顎が、置き場の底に着いちゃいます。」
まっとき、って。
そうしたら…
胴体から生える首の軸と、適当なガンプラの廃ランナーの径が同じだから…
これなら生首の中にも刺さるな……
これをこうして、と。
「 わぁ…!」
とりあえず簡易に、ランナー立てにクリップで取り付けて、
ランナーを使ったその場しのぎの差し込み台を用意して、硬化が完了するまで、そこに安置することとした……
ここまでで、一時間半が経ったかどうか。
集中してのめり込める、という意味において、
プラモはタイムパフォーマンスのコスパがすこぶる、良い。
~♪
「あぅ、? なんでしょう、この機械の音……」
「さて、こっちもできたみたいだな。」
「ほぇ?」
さあてさて、しめしめ…
この作業会をやる直前に、おれは、予めセットしておいたのがあったのだ……