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3(3/6)-ルーのおもちゃばこ-

###3   * * * * *






 そうしてそうして、




「ほぉぁ~~~?!////」「つまりそうこと……」




 口頭で説明するとルーには納得もしてもらえたわけなのだが、

 その上で、実演を、!

 と、その模型改造ツールの現物を見てもらうことにした……



 果たしてそれらとは。




「エポパテ? ポリパテ?

 なんでしょう、これらは…?」




「あんまり使わないけど、なんだかんだでストックは用意してたんだよな……


 ようし、

 

 じゃあこうしよう、

 今日は、このエポパテで、粘土細工的遊びだ!」




「お、おお☆」




 さあて、今からだ、作業開始!

 とは言ったものの……



「む゛むぅ゛。」「ほぇ?」



 あー、手作業アナログの腕はヘボなんだよね、俺ちゃん!

 子供の頃ガシャポン人形改造するのに夢中で、

 その時に指の先ザクザク怪我しちまってるしさ。

 正直、今は刃物恐怖症気味……



 でもでも、せっかくのこの異世界ちみっこの興味心がこのホビーに向けられた、ということで、俺ちゃんも、そうそう空振りに終わるのも目覚めが悪い。

 ならば…

…ということで、ちょいとそれ(・・)を使ったその作業に取り掛かろう、と。



 

 そうしていると、ルーの鼻歌が聞こえてきたのはその頃だ。

 



「ふんふんふ~ん♪」




 俺のこれのその一方で、

 もう一方のルーのやつは……ん?



 んんん……???



 ん!?





「~♪」



 せいぜいがミヤタ★☆の安い、

 塗料用金属攪拌棒をスパチュラ代わりに使っての、

 楽しい粘土細工のはずを想定してたのが……


 ルーの様子は、

 ミミズか? それともカイコちゃんか蜘蛛の糸か?

 というように、

 にゅるにゅる、とエポパテが……



「糸紡ぎ…?」



 そうなのである。

 箱からの開封時には保護用のビニールフィルムで多少の厚み分がサンドイッチがされて小分けになっている、

 粘土質な質感…の小ぶりの短冊状のシートだった状態から、

 それの片端の方から、

 紐状、糸状にルーの片手のひらの手元から空中を伸びて行き……

 もう一方の片手の中で、形状となって目的の形を帯びていっている。



 まるで手作業での糸紡ぎとか、

 虫ちゃんの繭が作られるかのような感じでもあり、

 あるいは、傍からみている限りでは、

 まるでりんごの皮むきの逆再生を見ているかのよう…でもある。



 これは?!



「えへへ、

 ボクの精密錬金魔法、これが得意でよかったっ!

 ボクの数少ない取り柄が、これなのですっ…」




 エポパテって、けっこー扱いに癖があるんだよね。

 なので、

 パテで、しかも刃物も使わず…

…それどころかスパチュラすら使わずに…

…ヤスリでの削り出しすら用いず……

 一発で、目的の形状が形成されて完成しつつある。

 そんなルーの手元の中。



「どうですか、? あまり自慢できる特技でもないのですけど……えへへ/////」



 いやいや、さすがはファンタジー異世界人なだけはある。

 なによりも、ルーの手先の器用さというのがあるだろう。

 魔法! 錬金術! そうしたもので、

 こうした、プラモデルの工作作業をしてしまえるとは、

 できてしまえるとは、ムゥ…ッ。




 まあ、俺の言える感想はひとつ。




「バッチリすげえぜ、ルーの腕前っ!」



「! あ、ありがとうございますっ!//////」




 怪我なしでアナログ造形を出来るのはとてもうらやましい……

 こうなると魔法というのも工具や工法のひとつであろう。



 もっとも、俺も今、チートをやってる最中なんだがね……とパソコン操作しながら言ってみたり。


 さあ、これでデータを転送して……

 あとは、“それ”の電源を入れて、

 動作を始動させてやるまでだ…




「ほめてもらえた、ほめてもらえた♡/////」




 ルーのやつは? というと、

 只今、しあわせモードになっておられた…




「ボクは、褒められて伸びる性分なのでっ!/////

 ユウタにほめてもらえて、うれしいよっ♡/////」




 とのことであったらしい。

 ふーむ?






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