3(3/5)-末妹の病室-
「な、なにを言ってるんだ? ルー…」
「なにも、おかしなことは言ってませんよ?」
家に帰宅してから、続きを聞くこととした。
そんな中で、
ルーは、自信満面で、
「ボクのいのちを、ユウタにささげます!」
……あ?
「そして、そのいのちを、ユウタはいもうとさまの未依さんに、あげればよいのです!!」
「あのなぁ、…」
……なんだよそれ、ウルトラマンの最終回でもあるまいし、……
「意図はわからんし、言ってる意味はわけわからんし、ルーよ、なんなん?」
「あれ? ユ、ユウタ……な、なんで、」
その表情は……──
「な、なぜ怒ってるのですか?」
「こっちだって、難病でいつ死ぬかわからん妹がいる身なんだ……
それなのに、そんな大それたことを、おふざけで言ってくれちゃあ、俺だって…怒るときは怒るぞ?」
「そ、そうじゃないんです!!」
果たして、怒りの一線は超えずに踏みとどまったゆうたではあるが、しかし、ルーに対する好感の度合いというのは、明白に数段階、下がったのがこの一連である。
ルーは、それを認識して、しかし、声をだそうにも、
「あ、あー……」
(ぼ、ボクの語彙じゃ、、うまい説明が、できないよぅ?!)
……という塩梅であった。
「あー、えっと、うー、ボクじゃあ、うまく説明できない……」
「おじいさまを、呼んできますから、まっててね!」
「ボクは、決して、へんなことをいってはいませんから!」
……そういって、ルーは勝手口の向こうへと、行った……
「はぁ………」
ゆうたは、ため息であった。
今日の今はママ上の提案で、家族総出で夕飯の買い物にいっているらしい。
あねきといもうとさまのことも、脳裏によぎる……
「俺のしあわせのかたちって、そんなに高値の花なのかね……」
「ユウタ!」
「はあっ……まったく、って、ん?」
ゆうたが勝手口の方を見やると、
そこには、
メイドの二人も連れた、
当人、奥方、娘、孫、
それらの、
ガーンズヴァル一家のそろい踏みであった。
……しかも、
「な、なんやの、その、重装備は???」
まるで、強力で悪いモンスターを討ち果たす為の、
完璧な重装備をした、魔道士の一団、
ユウタには、そのようにも見えた。
「完全装備をさせてきた…」
ぱん、と、手触りを確かめるかのように、
その衣服のポケットをたたくと、
「今日、やろうではないか。」
ガーンズヴァルは、
まるで物語の中の勇者かのように、心強い笑みを浮かべてみせた。
…………
……