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5(5/8)-アリエスタのしあわせムコ取り計画…-






「むふ~、♡」




 勇者さまの血筋????



 そう話を振ると、ルーはえっへん、と無い胸を張り、




「勇者の称号は、確かに、世襲でも受け継がれるものではあります。

 ですが、だけど、ボクは、実力を伴った……騎士の勇者になりたいのです!」



 ルーに伺った所、そのようなお返事であった。




「で、でも、」




 しかし、ルーの奴は直後に顔を暗転させ、




「つるぎもたりない……し……よろいもほしい……し……まほうのまんとだって、おばあさまに作って貰うには、材料を買わないとだし……、、、、。。。


 え、えぅ、ぇうぅ~~~!??」



 ふむ、



「要するに、先立つものが必要、ということなのですわね…………」



「そういうことだな…………」




 俺ちゃんも、そう首肯した……



 のだが、





「……あんた、」




「へい、」




「わたしのしゃべりに、言葉を架けて続けない!」




「はぁ????」




「…………ッッッツ……!!!!!」





 どうしたんだ、このアリエスタのやつ????




(くぅぅ……!!! 視てるだけでも聞いてるだけでも、いらついて腹が立ってイライラしてきますわね、この、ドウジバシ、とかいうやつ!!!!

 どうしてルーさまは、こんなやつと、おともだち♡ になってさしあげたのかしら~~!?



 あ……? で、でも、もしかしたら、これをそうすれば……


 あ、いけそう、! そうしたら、……、、、)




 果たして、アリエスタの奴。

 ! と頭の上に電球のマークが浮かんだ……というのは、はたして電球がないであろうこの世界では、どうなのか、如何なのか、、、、



 それはともあれ、




「 わたくしも、びじねす、というのを、やりますわ!!」




 

 と、急に宣言なされた。




「???」となる俺ちゃんに、「?」となったルーの奴。




 はたしてそれの趣意とは???





「こほっん……ドウジバシ、とかいったわね、、」




「へぇ」




「へぇ、じゃないわよ!!!……あっ、こほんこほん、

 アンタ、昨日の紙以外にも、なんか、よさそうなモノ、知らないかしら???


 いや、知らないなんて言わせないわ。

 なにか、なにかなんでもいいから、持ってきて引っ張ってきなさい!!

 」




「そ、それは、一体どうして……???」




「ルーさまのためよ!モッチロン!!!

 あたしとアンタで協力してお金を稼いで、

 ルーさまに渡してあげれば、解決するのよ!!!」



 おお、カンパしてやる、ということか。

 いいねぇ、それ!




「ですがねぇ、?

 ワタクシめも、先立つものが必要でして……」



 

「あんた! 昨日、わたくしのおとうさまから金粒貨頂いて置いて、それをつかえばいいじゃない!!


……ま、いいわ、。

 そうしたら、ハイ。」




 アリエスタの奴が、なにかを投げてきた。


 慌てて手で受け止める。

 なんだこれ、けっこー当たったとき痛かったぞ???

 となった俺ちゃんであったのだが…………




 なにこれ。




「なにってことはないわよ。小金貨よ。

 みてみればわかるでしょう? 

 なんも不思議もへったくれもない、唯のこの国の通貨のコインよ」




 き、金貨?!



 しかもけっこー大きめで、重量感が……とても良い。


 こ、こいつで、一体何をすればよい、と???




「なにか、そう……なにか……、あっ、」




 は、はい?




「……ちょうど喉が渇いてきたことですし、

 なにか、そうねぇ、飲み物でも買ってきなさい!!!」

 



…………というオーダーを頂いた。




「ゆ、ユウタ、? 

 い、いったい何の話し合いというか謀られごとを相談されておられるのです、?」



「さ、さーぁって、俺ちゃん、ちょっと、買い出しにいかなくちゃなんねぇ……

 アリエスタさん? げ、げへへげ、ちょ、ちょっと待ってておくんなし~~!

 というわけで、ルー。んじゃな!!!」



「え? 、ユ、ユウタ?!」




……脱兎の早さで勝手口へと戻っていったユウタである。

 ルーはそれを呆然と見送るしかなく、

 そしてそうして空いたとなりのスペースを、アリエスタが、“塞いだ”。




「さぁ、ルーさま、わたくしとごゆっくりいたしましょう♡」




「え、ええ、う、うん…………」




(な、なにこの子……

 ユウタ、はやく帰ってきてくださいね……?)




挿絵(By みてみん)




 ……さて、ヨコシマなるアリエスタの腹の内。




(わたくし、知ってるんだから。

 昨日仕入れた紙の束、おとうさまがその日のうちに、すっごい高値でお売られに、なされたことを!!!)




(紙の需要、、たしかにこのアヴトリッヒ領ではいくらあっても足りないくらい……

 そうであって、若干多少のプレミアの付け加減であって、あれだけのお金になるなんて!

 流石、お父様なのですわ!)




(あれだけ稼げるなら……わたくしにも、ツテと販路というのは、以前からございますの。

 そうすれば、トントン拍子よ! なにを仕入れられて売るか売れるか、に寄りますでしょうけど……

 ルーさまとの結婚費用……それから、籍を入れるための、結納のための準備費用だとか、それからそれから!!!)



(ほしいものが、いっぱい!!!ぐ、ぐふふ~……)



(このドウジバシ、とかいう奴を、存分に使い倒してやってみせるわ……!

 クーックックック……おーほほほほほ!!!ほー!!)







…………果たして、邪悪であった…………








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