表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

133/278

8(8/8)歩幅を越えたその先に?


 

 

 

 

 はっ、と意識が中途覚醒したのは、

 はたして…何分後?何時間後? のことであろうか。

 

 

「…… っ………/////」

 

 

 覆いかぶさってきてる!?

 

 密着されている…?!

 

 

 目を、目を開けねば……とも思考したわけだが、し、しかし、

 目を開けるのが……こわいっ!

 な、ななな、ななな何が、なにが起きてるんでしょうかねぇ……????!

 

 

 なんか、荒い息の声が聞こえてくる…ルーのやつの

 

 そして、

 

 なんか、湿度と温度のあるぬるりとした液質状の質感が、

 熱っぽい素肌の肉肌の感触に、絡むようにして組み合わさって、俺の指先には感じられている…

 

 な、なにがおきているんだ?



「ユウタ…ユウタ……/////……え?」



 そうして俺を覆いかぶさっていたルーが、俺の意識が覚醒していたことに、今、気付いたらしい。



「…?! あ、あわわ…、…!…〈睡眠魔法〉」



 ふ、フガァ、……。。。。







 そうして、翌朝である。



 チュン、ちゅん、

 

 

 ……雀に似た異世界の鳥? がさえずりを鳴いている…




 確かめてみる…。

 

 

 ……



 なんか、カピカピしている…

 

 あと、生臭い。

 ただ、これについては、どうにも、男のジェントルメン・スメルとはまた違う系統の……これは、ナンダ?

 コレンナンダー。



「ユウタ! おはようっございますっ!!////

 きょうもすばらしい一日のはじまりですねっ!/////」

 

 

 ふおっ?!…ルーちゃんが、朝の洗面から、部屋の扉を開けて戻ってきた。

 そうして、まだあったのだ。

 そのまま、勢い任せ、というかのように、

 飼い主に懐いている猫か犬のように、

 あたまをぐりぐりと押し付けてくる。

 …俺の胸ぐらへと……



「ユウタ、ゆうたっ///// 昨日も、素敵な一日だったよねっ/////

おなかがすきましたっ、ごはんをたべましょう!

今日は何を作ってくださいますかっ?/////」


 なんか、精気を吸い取った、というかのように、

 生気に満ち満ちたルーのやつ…代わりに、俺ちゃんはなんかドレインンゥ…されてしまっているような、さ、錯覚?うーん…



「? どうしましたか? ユウタ…?」



 あ、あのー、そ、それでなんですけどもぉ、


……なんか、ルーの目の色、というか、俺のことを見る……目線、というか、目つきが、

 昨日寝る前までのあの純粋なおこちゃまだったときから、なんか、なーんか、なんーか、少し違って見えるんだが???



 ……

 


 人間、考えないのがいいことって、人生生きてりゃ、あるよね!


 いや……なにがあった…おきた……?

 ま、まあ、まああああ……


 ……、

 …やめとこ。




「ゆ~うたっ、!//// きょうは、なにしてあそんでくれますかっ/////」



ふぉっ?! ふたたび、抱きついてきた、このちみっこ…ルーのやつ。


そ、そうだ、そうなのだ……

俺ちゃんは、このおこちゃま専用の、プレイメイト、としての仕事についたばかりなのだ……



 このまま永久就職できたらいいですねぇ(涙)

 

 

「…そのとおりに、ボクならできるからねっ?

 ユウタが、そう望んでくれるならっ……

 …今は望んでないつもりとしても、ユウタの心は、そう遠くない日までに、ボクがかならず、手に入れて見せますっ」



 そんな折に小声とボソリッとルー様は。

 

 んん????

 な、なんか、なんか申された…????

 ルーさんや????

 


###***



 

 さて、ルーとそういうことがあった日の、それに至るまでの昨晩……




……コン、コン……




「くそあにき……ばかおにぃ…おに、ぃ……zzz」



 舞依が寝た頃合いを見計らって、来てみたわけだが……

 おお、さすがちみっ子、ちゃんと寝ておるわ。




 あねきどの~

 

「 おお、

 わたしのごはんを持ってきてくれたんだね…ありがとう。」


 

 ポークジンジャー……豚肉の生姜焼き、

 しろめし、味噌汁、

 それと、


 夕飯のポテトサラダ、

 それをアレンジして、

 ピザトーストの具にして、あねきへと持ってきていた。




 あねきの机にお盆ごとそれらを置いたとき、

 あねきと……俺は、目が合ってしまった。




「 ゆーくん、

 やっぱり、いけないことなのかなぁ、」

 

 

 どうなのかね、……まあ、時間が経ったのは、確かっす。

 

 

「…わたしたちが、家族になってから、いままで。

 今は、もう?

 それとも、昔から、ずっと?」

 

 ……

 どうでしょうねぇ……

 

 

 

 

「 ……

 ありがとう。また明日ね。」

 

 

 

 ゆいねぇが喰い終わった頃合い見計らって、また後で皿取りに来るぜ。

 

 

「 うん、……」

 

 

 

 …………

 

 


 あねきどの…… 

……いかんでしょ、本当に……



 この時のユウタは、翌日の事を考えるのに精いっぱいで、

 いまこの瞬間の出来事というのには、無頓着な隙があったのだ。




 そうして……

 ガーンズヴァル屋敷で、ルーと共に一晩過ごした後の、翌日の朝……




「ゆーくん!!!!」



 ほ、ほわぁっ?!!

 

 

「ゆーくん、昨日がああだったから、わたしのことを……!」



 い、いやいや、そういうことではなく……

 

 

「そうか……! よかった……」



 そんなゆいねぇは、すん、……と、俺の手の匂いを嗅いで、



「……これは……?」



 な、なんでしょう???



「……くく、」


 ん?九九? 八十一、……ってそうじゃないって、そう?



「くくく……あはは、ははは、あはははは、あーーーーーははっはあ!!!!」



 ひぃ?! あねきどの、どうしたっ?!!



「ふふふ、くくく……ゆーくんを掛けての戦い、ということか……受けて立とうじゃないか。く、くく、くくく……」



 あねきどのは黒いオーラを背後で迸らせて燃やしながら……



(……ゆーくん、おとうとくん。……最後に君を手に入れるのは……わたしだからね……?)



 ひ、ひぃっ! いたい!

 そんなに強く、俺の手を握らないでくださいぃぃいい……

 

 

……こんなわけで、徐々に変形を始めた俺ちゃんの日常であるらしい……


 おれちゃん、どうなる?!!!



(つづく)

###***


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ