4 (4/8)歩幅を越えたその先に?
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「わー! ツメキリとミミカキのとき以来です! ユウタのおへや!!」
「…………、」
情けないやつことワタクシです、はい。
結局駄々をこねてくるルーのやつに根負けして、
俺は、このルーのやつというのを、
わがドウジバシハウスの俺のお部屋へと、案内していた……
ま、まあ、そうだったな。
確かにルーがこの部屋に来たのは今回が最初ではない……
ツメキリしてやってミミカキしてやって、
ついでに風呂も振る舞った、先日のあの時の一連以来だろう。
とはいえであるが?
はー、それはともあれ、今日も今日とて、俺は、このちみっこを今回はどうもてなしてやろうか、って……
「たぁっ!!////」「えっ」
ん????
ルーのやつは、まるで飛び出た猫の如く、身体をジャンプさせて己の身を空中に放り出すと、
ぼすんっ! ばたっんむ、……
「あたたっ……ふふふ、むふ~、♡」「?!」
えっ…?!
「ユウタのおふとん、占領完了ですっ//////♡」「?!」
そう宣言して……
ルーのやつ、俺の万年床に、滑り込むように収まりやがった!??
そんな! 俺ちゃんの寝床は俺ちゃん専用のなのに!?
「ちょっち?! る、ルーよ、それは、そこは、俺の、俺ちゃんの、聖域なのに………」
「うーん、ボクのおうちのボクのおふとんより、すっごく厚みが薄いです。ヤスブシン、ってやつですか?」
「カッチーン☆」
ま、まあ、いいだろう。……
大人げない俺ちゃんのそれは置いときつつ。……
「わぁい、わーい/////♡」
ぐるんぐるん、ばたんばたん、と。
じたばたじたばた……
なんかごろごろぐるぐるじたばたしながら、
ルーのやつは、尻とおのれの身体の下に敷いた俺の布団ちゃんの上で身体を弄ばせながら、そんな物言いをしてくる始末。
く、ククク……まあ、これくらいの邪鬼た暴言は、大目に見ておいてやろう……(泣)
……というふうに括ろうとしていたら、ですよ。
なんと、続きがあった。
「……、。。……ユウタの、匂い……///」
一方のルーである……が、それは、なにやら身じろぎしながら、だった。
というのは、……俺の布団の中で、なにやらやらを、しかじかかくかく。
うん??? うーん、……
なにか、なにかをやらを、身じろぎしながら、ばたばたとさせながら、身もだえさせながら、
初め、利発に活発だったその身振りというのが、……徐々にしっとりと、ゆっくりとしていって。
しかし、……なんか、ルーのやつは、己を徐々に熱っぽくなりながら、させながら、
なんか、息を繰り返して、呼吸を深く取って、吸い込むようにして、
なにやら、なにやら……
「……はぅ、あぅ、、/////、♡」
なんか、怪しい……妖しい?
胡乱げな気配を、醸し出している。
その一連が、このルーというちみっこから放たれていたオーラのすべてであったのか……?
……という風にごまかす事はできるだろうが、
要するに、なんだろうね……なんか、蒸れるような、上気しているかのような。
なんなんだろうね、この異世界っ娘。
「……ぇへへっ/////」
その時のルーというのは、無邪気そうな笑顔でそう仕草を取ってみていた。
……が、果たして、その気配というのは、なにかすこし、……邪気が無い、とするには、多少、それは、多少。……
……それはともかく、たった今から、変化が起きていた。
ルーのやつは、己をサンドイッチさせた状態で俺ちゃん布団の敷布団を半分めくり、ぺしぺし、と叩いて……
手招き???
のような身振りを、俺に見せてきている。
こんどはなんぞ?????
「ユウタ////♡ さあ、いまから、ボクの傍で、ボクといっしょに、いっしょにお昼寝しましょう/////」
「?!!!」
はぃ?!!
「ユウタっ///// おともだち! ボクとキミは、友達、なのですからっ!」
「う、う? うん……???」
そんな具合に、俺はこのルーのやつというこいつに、
まるで布団型ミミックに喰われる愚か者の如く、からめとられる様にされてしまい……
「……えへへ…………にゃむ…………」「……~~!!」
そうしていま、こうなってるわけです☆
といっても、これだけでは断片的すぎるであろうか。
そう、ならば現状説明を行おう。
添い寝をしていたはずの今の俺は、背中側にいるルーに、背中をベアハッグされているのだ。
そりゃあもう、ものすごいパワーで。
(んぐぐぐぐぐ、んぎぎぎぎぎいぎぎ……!!?)
ミリミリ、メシメシ……という異音、怪音?が。
なんやねん、ルーのやつの、この怪力?!
なんだこれ、ゴブリンか何かか????!
「ふにゃ、……」
おぉ、???
なんか、緩んだみたいだぞ、……ふぃ~、俺ちゃん命拾いしたぁ。
…………
背中越しに、ルーの寝ている気配を感じる……
ルーがこうして、寝落ちするまえの、その直前のこのルーのやつとのやり取りを、思い出してみる。……
“ユウタ、ユウタ///// ……ボクのそばに、ずっとキミは居てくれますかっ?”
んー、どうだろうかな。
“……じゃあ、じゃあ、……キミのそばに、ボクは、ずっといてもいいのですかっ?”
まあ、、現状、拒むような理由はないよな。
“……いつまでも、ボクが死ぬまで……この世の中から、灰も残らないほどに滅びて消滅するまで、
キミと、添い遂げることを、ボクに許してくださいますか?”
どうかなー、ま、これからの、日々次第やな……
“……そうですか……”
「ん~んん、ふあ、っ……くあああっと」
そのように、大あくびを一度掻きつつ……
まあ、このまま、コイツが起きるまで、のんびりしてるのが一番か。
「俺っていうのもなあ。
ま、ガキの使いっ走りとしちゃ、上出来かね?」
俺は独り言をそう述べてみたが、
……はたして、その時それを聞いたのであったろうルーの気配の変化というのを、
察知できたのか、気付くことが、出来たのか……
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