3(3/8)歩幅を越えたその先に?
### 歩幅の埋め合わせに払うモノ?
所は変わって、昼のドウジバシハウス……
「まー、とりあえず、ルーのやつには罪は無い。なので、だ…」
なもんで、俺ちゃんは、いま……
ルーのやつのために、ピザトーストを作って振る舞っていたところだ。
「ユウタぁっ、とってもおいしいですっ!////」
そのようにルーちゃまの気分もごきげん状態。
ほぼ具なしのような状態ではあったものの、
一応、チーズとスライスサラミを乗せてある。
どうだ、うまいだろう。
ルーのやつには一人前として、四枚作ってやったんだぜ。
それを、ルーはぱくぱくと、夢中になって、いま、食べている。
そんで、俺も一枚、ひとかじり……
「でんしれんじ、地球の科学のちからって、すっごいですねっ!」「そうだなー」
焼く、というのも語弊があるか……
食パンの上にうすーく市販のピザソースを塗ってやり、
その上に、ヤケクソのごとく、スーパーマーケットプライベートブランド製品のとろける徳用プロセスチーズをぶっかけてまぶしてやり、
さらにその上から、先程いった通り、
スライスサラミをちょいちょいっと乗せてやり…
仕上げに、それを電子レンジにぶちこんで、
レンジ機能で2分半ほど、ちーん、ってやってやった奴だ。
ガーンズヴァルさんちにも、もっていこう。
まあ、一人前で二枚ずつあればいいよな!
「……にしても、エリルリアおばはんの件は、痛手だなあ……」
「先ほどのお話の事ですよね、ボクにもそのお話の詳細を聞かせてくれませんか…?」
うんうん、
というわけで解説開始。
「そ、そんなぁ!?!?」
ガビーン?! となったルーちゃん。
終了。
「…ボクたちは、これからどうしましょうか…? ユウタ…?」
「どうしたらいいか、……なぁ……」
あっはっはっは…★
……あかん、元気の内とは誰が言ったか、それでも空元気にも限界と限度があるわ……はぁ……。
……うらめしくはらただしくなってきたので、付け届けに持っていこう、と思っていたピザトーストのエリルリアへの分を、銀髪メイドどもか、目の前のルーに食わせようか、とも考えが回ってきたが……
「ま、なるようにしか、なるまい……」
「おばあさまが協力を続けてくれるというので、底抜けになることはないと思います……
ただ、おばあさまの魔法と錬金は、基礎技術が古式ゆかしい、古い物が多いと存じていますので……」
「おれのぼやっとした思いつきを異世界魔法として通る内容にルーが再翻訳して、ってとこまでは今まで通りだろうけど、
それを受け取って、うまいこと現代地球のニーズに合うような、変化球じみたモノをささっと作れてしまうのは、エリルリアおばはんの魔導のセンスの賜物、まさに得意領分だったってことだもんな……」
ウーン、これは参っちまう。
……すると、俺の傍らのルーは、なにかなにやらの決心をしたかのような顔の表情をこっちへと向けてきて、
「……ね、ねえっ、もしよかったら、ユウタのお部屋で、ボクと、魔法の練習をしましょう!
きっと、ユウタにも、魔導のセンスがあるはずです!
それの芽吹きを、ボクがお手伝いしちゃいます!」
「そりゃあー言うけどよー、
魔導のセンスっつったって、
こないだ、おまえのおばあちゃんに診てもらったら、
▼ てきせい:なにも、なし……つーって、才能適正一切なしっつわれた感じだったやんけ」
「え、ぇぅ…………、、。。」
あんときは俺だってショックだったさ。
せっかく華々しい異世界ライフが始まると思ってたのにの~!
「つまるところ、ルーちゃんよ、
おまえさんはただ単に、あそびたいだけじゃろ…???」
「えぅ!?
えぅぅ……ちがうよぉ。
ボクは、ボクはね? で、でも、たしかに、ユウタといっしょに、有意義な時間をすごせたら、なんでもいいのは確かですけど……」
「そこは確かなんかい」
「ぁう、…えへへ」
まったく、この萌えキャラショタ?め。
(でも、こうしてボクは……ユウタと一緒に過ごせることが、なによりものかけがえのない、素敵な時間であることは、たしかななのですよ……?)
なにごとかを目で申されているルーさま……まあ、含意の内容は分からんけんども。
「ま、なんでもいいか~~……
そんじゃあ、ルーちゃんや……」
「! ユウタとふたりきりになっていいの?!
行きましょう、行きましょう/////
ユウタのおへやが、ボクのたいせつなひみつきちにしましょう/////」
「……、……、。。。
ちょっち……それは置いておこうか……」
「ほぇ?」
俺は、タンマ、……のジェスチャーをしながら、
(どーしたもんかなあ……こないだの、例の一件……
ウッ、頭が!!!
……というのもあるし、
どうにも、二人っきりになってしまうと、俺のみでは、つぎああなったルーのことを、どうにもできなくなっちまうんじゃないのか……???)
ということで……内心、俺ちゃんは、肝が冷える感触を体の中で感じていたのだ。
「……、、。。そうなの、です、か……」
一方のルーちゃんは、
不服?としているのか? というような神妙な面持ちと気配。
よし、ならば、ここで俺が取れる行動は…
…ダメ押しだっ!
「……そんじゃあ、屋敷のお前の部屋にも行っていいって事かあ???
ガハハ! 自分の部屋ってのは神聖な聖域ってことだよなあ。
ギブアンドテイクってことならそういう理屈になっちまうが、ルーちゃんや、お前はそれでいいのk……」
「わかりましたよ、ユウタっ/////」
「えっ、」
俺ちゃん、面食らった。
そう返されたら、もうおれたん、なにも理屈の手立てがなくなっちまうやんけ。
そうだ、こいつは、俺と、同性……?ってことだったな。
顔が可愛いからっつーことで、内心身構えていたのは俺だけだったようで……
「ジョウダン! 冗談だっつーの!!!!」
「えっへへへ、/// 言質、取りましたからね~~っ/////」
「ぬかせーッ、このこのこのっ」
「あはは、きゃはっ/////」
そんな具合に、妹のセーブデータのかーびぃを勝手にクリアさせたり、などの余興を過ごして……
この時は、うまいこと、話をそらせたって思ってたんだけどねぇ(ため息)