5(5/6)-五十歩百歩のその歩幅-
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銀髪メイド二人組、
その今日のお出ましであった……
いや、今日のこれは、タイミングが良かった。
なあ、なあ、ルーが、るーがおかしくなっちまったよぉ!?
「……タチアナ、これは、」「……ですね……」
おお! さすが、ルーに仕える忠臣二人衆、ぜひとも解決の程!願います!
……とおれたんは喜んでいたのだが、
「ルー様?……」「ルーテフィアさま……少々、しつれいして、」
「えぅ、あぅ、はぅ、……/////……」
なにやら熱暴走状態になっている(そうだ、この形容が、正しいであろう!)
ルーのやつを、
銀髪メイドふたりは、慣れていますよ、というように、両脇からその体を持ち上げて抑えると……
…… そのふたりの銀髪の銀の筋が、ルーの、まるで野うさぎの毛のような、褐色の毛髪と、重なり合い……触れ合って……交差して…… ……
そして、
「え゛」
ルーの顔の、両のほっぺたに……タチアナさんとイリアーナは、唇を寄せると、
「?!!」
ちゅうぅぅ、………、……。。。
…………
「ふうっ、」「ぷはっ」
たっぷり、一分間…いや、もっと長かったきがしなくもない。
な、なにが起きて……なにがおきてんだ???? お、おれの目の前でっ!?
「精力吸い……ボルテージ・ドレイン……、というやりかたです。
ガーンズヴァルさまは違いましたが、私たちのような愛玩用ホムンクルスのメイドが宿さられた、そのそもそもの、用途のため……」
「ドウジバシはあっち(現代日本)のやつだから、それを説明しても、意味はないでしょう、…それよりも…」
「へにゃ、」
「るーさま、しっかりー」「しっかりしてください……ルー様……」
な、なんんだ、なんなんあ、いや、なんなんだ。
俺の目の前で繰り広げられたことは……起きたことは……
いったい、なんなのだったというのかっ?!
先ほどの、様子のおかしいルーと、そして、いまの。
このふたつが、まるで、俺の脳内でビジョンがタイルモザイクのように、混線した映像となってしまっていて……
し、刺激が、つよ、すぎ、r。
……おれたん、衝撃的だった……
「ちくしょーがおー、」「ドウジバシどの、」
「ぎゃああ!?」
「なんなんですか、その。凶悪な人食い怪物に迫られたみたいな素っ頓狂な声を出して。」
「同じく、です……」
そうはいうが、
「な、なああ、い、いまのは……」
「…ドウジバシめ、ずいぶん顔が赤くなってますね?」「そのようです…ね」
い、いや、これは、その、べつに、なんとかとかなんとかとか、そういうわけじゃあ、なくてですねぇっ……
「ふふ~? ……ついにこいつの弱点気づきましたよータチアナぁっ、こいつ、初心すぎます!」「……あらまぁ……」
も、もうだめだ、俺には、こいつらが人食いモンスターのように見える……
カエル化現象とはよおいったものだが、
この一連というのは、どう見做せばいいのだというのか?????
そんなおれちゃんの混乱というのを、さらに追い落としてきたのが、
「……たまってるのですか?」「………、」
「!?」
そういいながら、銀髪メイドふたりは……お互いの肢体を、メイド服の上から、絡み合わせた。
「ふふ~ん? …ちょっとからかってやりましょうか」「…ふふっ……」
“ ぎゅっ… ”
「!!?」
しまいには、濃厚なキス……までもを、見せられた……
「っぷはぁっ」「ふぅ、」
これというのは、果たして……何分……はたして……
「……はーぁあ、ここ数日天気が陽気だから、なんかからだが熱ばんでしょうがないんっすよねー たまってきたのかな?」
「そうですね、イリアーナ……なら、この後の、今日の晩は、……ねっ、…」
「ほほほ~! うっし~☆ なら、今日の午後も、気張っていきますよぉっ! いえ~ぃっ☆」
もう、察するしかなかった。
いや、叩きつけられた、といっても良いだろう。
そんな!?……ショッキイイング……おれちゃん……
このふたり、できてたんだ……
……俺のヒットポイントは、ゼロになった……
…おーい、ドウジバシー? あんた、新しい試料できたから、みてみなさいよー」
エリルリアおばさんの、その声というのが、わ、わたくし、…答えられそうに、応答できそうに、ない……
…がくっ