4(4/6)-五十歩百歩のその歩幅-
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「…、///…あは…っ…」
ルーの雰囲気が、……その時、
「ね、え、ぇ、ゆ、う、た。……///」
なんだぁ?
はっはっは、今度はピザトーストでも作ろうか。
これなら明日のルーのおやつにも……
いや、! 今日このあと、一回わがドウジバシハウスに戻って、昼飯に作ってもいいだろうな!
いやー、ルーさんや。
もう、おまえさま、様様! もう俺は、いいっこなしのもう本当に、恩義ばかりがありまして……
……って、……
「…ちょっと、いい? ……かなっ……//」
る、ルー?
雰囲気の変化に、おれというのは、はたして中腰に腰を浮かせて、……しりぞくように、逃げるように。
一方のルーというのは、
椅子から立ち上がって、……無防備な俺へと、……その無防備な体と顔を、………俺にへと……近づけさせてきて…………
「ボク、きょう、おやくに立てた…よ、ね? ……だから……//」
そうして、距離は一方的に詰められ……あ、あかぁん…おれたんの背中、壁になっとるやないけぇ……!?
そして、……
XとY、これの座標が、一致した瞬間が、訪れた。
抱き寄せられた。
いや、抱き着かれた?
いやあなんというのか、
その両方であり、同時にその二つの意味なのでもあり、……というか……
「あはぁ……/// ユウタのからだ……とってもあったかい……
……役得ですねっ////……」
あ、あは、は、なんでえ、すきんしっぷってやつか?
ま、まあ! ちょっちまたれよ、ルー。
まずは、まあ、サンドイッチを食べるのが先……
おまえの口元にも、ほら、メープルジャムとホイップついちまってるし……
だ、だから、
「あふっ、///」
んっ?!
おれちゃんの体を、ルーのやつ、さらにぎゅっ……と、抱きしめてきた。
「ボクががんばったごほうびとして///、たくさん、やさしくしてくださいませんか…////……いいですよね///……ユウタ……ボクの……ユウタ……////」
は、は? は、はい、そうですか。そうなのですか?
と、それだけなら、まあよかろうとしたところだったろうが、
「ユウタ、?」
は、は~い……?
「ボクは、ともだち、だよ、ね?」
え、友達って、…こういう…どういう…
事態の急変に付いていけてない俺が無限回廊を迷うがごとく自問自答していると。
「……」「♡ ♡ ♡」
……
「……、?!」「//////…///」
たっぷり数分間、そのまま膠着が続くか、……と思っていたら……
「…ぅっ…っ、…ぅっっ……」
俺のからだに、たっぱの小さいルーが、はぐりついている。
なので、俺の眼下に、はたしてルーのやつはたしかにいる……のだが……
これは、なにだ、?
このルーのやつは、只今の様子はというと、
目の輝きは、濁っているように、……なにかに取りつかれたかのように……
声と顔を、蕩けさせるようにして……上気させながら……
なんか、やけに熱っぽい体温で、わたくしの太ももに、抱き着いておられる。
あ、あはは、は、ハッハッハ、……、俺のボンレスハムでピザトースト作りたい、って?
「~~~~っ~~~~」
そんな俺の渾身のおどけにも反応は見せぬまま、この、ルーのやつは……
なおも熱っぽいまま……いや、さらにその域を高めて……
挟んだ股の腰を、ぎゅ、っと押し付けてくる、ルーのやつ。
「……まった! な、なあ、なぁ、まった。まつんだ、ルー」
「…… ///// ……」
なおも己の体を押し付けてくるこいつは……俺の体を抱きしめる腕をさらに強めて……
…あれ??おかしいぞ、なぜ、こうまで密着してきているのに、肝心の、こいつの腰にあるだろう、その感触が、…無い。え、え? ん???
って、いてぇ、いてえ!? ちょぅち、なんなのこの子、なんでジャリなのに、こんな
臂力…というやつ? それが、こんなに、高くて、強いのよ?!
いてて、いて!
ルー、タンマ、ステイ、ステイ!!?
…あ、これは行けるのでは?
「すてい、すてい、ルー、タンマ、ルー、ステイ!」
「あふ、あふ、ぁふ、♡」
とりあえず、頭を撫でまわしながら…顔と体を離そうとして……
ルーは、頭を撫でまわされるほうに意識が行ったらしく、いまなら!
…よっし、こいつを引き剥ぐことに、成功した……
「…? ユウタ…」
このときのルーというのは…拒んだから?の、絶後のさみしさ…という気配でもあったし、そもそも、なんか、前後不覚になっておられる印象。
な、なにやらわからんが、これで窮地をだっせた……ハズだと思いたい。
って、ん?
「 」「……」
ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
「うるさいですよ! 畜生顔っ!!」「…ていっ、」
バシィ! ドガァ!!
「ぞろむこっ?!」
銀髪メイド二人組、
その今日のお出ましであった……
いや、今日のこれは、タイミングが良かった。