5(5/8)-アヴトリッヒ家の華麗なる食卓 TAKE 2-
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ごゆるりと…
###5(5/8)-アヴトリッヒ家の華麗なる食卓 TAKE 2-
「わ、わた、し、たち、から……??」「………、、、」
話はこじれつつある。
なにやら話は巡って、今度はメイドどもに、お鉢が回ってきた。
「こ、こないだは二度も蹴ってしまって、………まあ懲りましたか? あ、あなたも! ……」
そう赤顔しながら、銀髪メイドのかたわれ・イリアーナは言い募り、
「わ、私のおしっこ出るところみれたんでしょう!? そそそ、それでいいじゃあないですかっ、ホムンクルスなりの世間知で、雄の人って雌の股間に執着するって、わたし、しってますし! ホムンクルスなりの世間知で、」
だめだ、こいつは……
ガーンズヴァルとエリルローズのジジババとエリルリア叔母さんは、頭を抱えるしかなかった。
ルーのやつは、あんまりよくわかってないみたい…きょとん、としておられる。
というわけで、
次にお鉢を回ってきたのは、もう片方の銀髪メイド・タチアナの方である。
「……わたし、ですか……?」
……莫迦なことをひとつ言っていいかい?
実は俺ちゃん、このタチアナさん……のことは、
だいぶ、というか、けっこー、以上に、
なかなか、……タイプであった。
あるわけだったが、
「……あの、その、……」
「……え……」
……一拍の間。永劫とも思えるほどの沈黙……。。。。
「ちょっと、タチアナ? 惑わされないでくださいよ? ちょぅっと、タチアナ!?」
「わたしにきがあるのですか? 」
「…………」
「…………、……、
へんな、ひと……ですね…………」
どぎまぎとしてしまう、この瞬間……
「改めて、考えてみると、わたしがこの世に宿ってからと、これから、
…………」
透き通るような令顔を己の追憶へと向けたあと…タチアナさんはそう言葉を紡ぎ、
「こんなこと、はじめて、です…………」
……
おれちゃん、もう、なにもしゃべれなぁい!!!!!!?
だったのなのだけども、
「その、…………」
「………………」「わっ?! ちょぅっと、やめ、あっいや、ギャッ、ホガッ!!?」
なぜか知らないが、関節技を掛けてこようとする、この、タチアナさん。
ホムンクルス、ということではあろうが、この時俺の体には、紛れもない美少女の体が密着していたわけで……
というかよ、関節技、いったぁい!!?
ちょっと、ちょぅっと、ぎぶみー!?
「いたいいたいいたいイタイ!」
「……ふむ、」
ふへっ、やっと解放された……
その一方で、タチアナは神妙な顔つきになり、
「なんだ、取り立てて頑丈、という訳ではないのですね。
それどころか、並の人間よりも、虚弱…………」
「失礼なこというな?! って、ぐああがあああ~~!!」
また関節技を掛けてきた!
あーもう!
「わたしと、つがいになるのなら、なりたいのなら……わたしには、この家の使いのメイドとしての役務がありますので、
住み込みを前提に、あなたも同じ職についてもらわなければなりません……
それをかんがえたときには、この貧弱さでは、はなしになりませんね」
タチアナは、ふん、という息を鼻から吐きつつ、そう滔滔と述べた。
「好意を、もっていただけるのはうれしいのですが……
なにぶん、この家のメイドとしての仕事以外には、世の中をしらないもので……
こうして、雄の人間から、こうも好意を示していただけたのも、初めてで、……
なにから言えば、いいのか…………」
なんだか、口調は穏やかなのか、というよりも動揺しているんだろう…か?
でも、なんども混ぜっ返してなじって、HPゼロな俺はそのたびに身もだえしていた。
それを、このタチアナさんは、見ながら、わかっている。
……今わかった。
それをわかった上で、こうも何度も、なじって混ぜっ返してきているのだ。
(……、ぇ)
そして、口で混ぜっ返している内に、なんだか動揺していたタチアナは、なにかの境地に達したらしい。
なんだか、それをみながらやりながら、このタチアナは……
薄く、笑っていた。
サディストかよ!?
俺はおののくしかなかった……
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