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1(1/8)-アヴトリッヒ家の華麗なる食卓 TAKE 2-

書き溜めが溜まったので、今日から、17日間連続投稿を開始致します…

みなさま、ごゆるりと…

###1(1/8)-アヴトリッヒ家の華麗なる食卓 TAKE 2-










 さて、それから一日が経ち、





「キュゥゥゥン……ガガッ、ヴォヴォヴォヴォォォォ…バファァンム!」



 

 今、俺は所謂、“ブンドド”という奴に夢中だった。




「スカーレット隊、発進っ…………ガファーン、ガシャンっ(カタパルト射出の効果音……ここはあえて1stか0083時の効果音に則って)、

 ぶしゅ、しゅー……(スラスター噴射調整の効果音)……“隊長から部隊全機へ、コロニー内壁への、相対距離と相互速度に気をつけろっ”“了解っ!”

 かしゅ、かしゅー…(対地減速の効果音)…ギュゥム、(着荷の時のSE)ッンと」




 半分口に出したり半分暗唱しながら、

 そんなかんじにブンドドとはなされるものである……



 ここに第三者がいたら、大層間抜けな絵面になっているとおもう。


 だが! ブンドドとは心の圧力解放なのである。



 こうして、孤立した自室の中で、他人に恥となんとと思われることも問われることもなく、静かに、しかし情熱をもって、このメカおもちゃで、遊ぶのである。





「スカーレット隊、全滅! よわすぎぃ……だがそれがいい……「…………、、、」

 ねふふふふ…………ふふふ…………、ん?」「………………、、、、」




 そんな時、





「…………」「…………。」





…………





「ぎゃあ!!」「………………」





 部屋の扉が四分半分開いているのでなにか、と思ったら、

 ルーの奴が覗いていた!!!!






「いつからそこにいた!」




「え、えっと、ゆうたが口でばきゅんとかずきゅうんとか言い出したあたりから、かな……」



 それだいぶ前からじゃねーか!?




「だけどゆーた……?」「おおっと、」



 ずい、っと迫り来るルー。

 ルーテフィアの目は、俺のブンドドしている、俺の手の中のそれ……をとらえて離さない。





「おおおおおぉ……」




 きらきらと輝くルーの瞳と顔。

 まるで見たことのない未知の宝石か宝物を

 初めて目にしたかのような表情だ。


 そのルーの眼の瞳孔には、

 俺の持つこれのシルエットが鏡のように写り込んでいる。




「かっこいい………!」



 まあそうだろう。

 キリリと精悍なフェイス形状とゴーグルアイ、

 無機質ながらヒーロー感を際だたせるセンサーデバイス付き装甲バイザーの装備、

 クールな印象で統一された、藍色と水色、所々のワインレッドの差し色……の寒色系カラーのボディ。

 個人的モビルスーツかっこよさランキングでは堂々の第一位……



 ゴンダム0080に出てくる、ジムスナイパー2のアクションフィギュアだ。

 当時価格3000円ちょっと、

 俺の好みはANIME版ではない、昔出た無印のやつである。


 目の前の机の上にはケンプファーとNTー1FA、

 俺の左手にはプラモを組んだ物であるガンキャノン量産型のそれも握られていたが、

 ルーのやつの目は、まるで出典元たる0080劇中のワンシーン……

 バーニィの階級章から目が離せなくなったアルフレッド・イズルハの視線のように、

 今、俺が右手に持つジムスナイパー2君の姿から、離れない。



「………、、、」「………、、、、」


 

 手の中のジムスナイパー2に空間戦をやらせるかのように、

 左右に、つかむ手のまま空中をいったりきたりさせても、

 この貴族っ娘の目と顔が追いかけてくる。

 目線の先が、はがれない。





「…ほしいか?」


「 ! 」



 言われたルーのやつは、俺のいる正面から背けた目線で、

 目をなんだか逸らそうとしながら、

 しかし頬を染めながら、在り場の所在が無いような感じで、逸らす目の先がいったり、きたり…

…宙を泳ぐ。



「はぁ、」



……まぁ、しょうがないな。



「よっ、と」



「!」



 かつて布団収納として使われていて、今はダンボール箱だらけになっているこの部屋の物入れに、立ち上がった俺の腕が伸びる……

 がさごそ、とまさぐってやり、その中から目当ての物を取り出した。


 その代物を、ルーに渡してやる。



「ホレ、新品未開封だ、」「!?」




 驚愕しておどろいたままのルーに構わず、その両の腕を開かせると、開かせた両手のひらの中にそのジムスナイパー2の箱を納めてやる。




「あ、ありが……」



 ぱっと見としぐさだけなら、ルーはまるで美少女だ。

 ルーの奴は、そう大きくはないロボット魂のその箱を、

 愛おしげに、小さな身の丈なりの長さの両腕で

 ギュウッ、と抱きしめながらだった。



 可憐な光景…………



 ご役目頼むぞ、ジムスナイパー2君。


 




 さて、押し入れの方へと目をやる。




 あと予備は5個あるからな……


 俺は、今も新品未開封の出品があってプレミア額がそれほどでなければ買い足しているのである。





「ありがとうっ!」



 ルーのやつは目当てのモノを手に入れられてご満悦というやつだった。


 ま、俺の出血サービスは相応の対価となってルーに還元されたらしい。


 いいことだよ(血涙)





「むふー♪」



 早速、お気に入りとなったらしいロボット玩具……積みの中から俺がプレゼントした、ロボット魂のジムスナイパー2(ANIMEじゃない無印の旧版)

 をポーズを付けたりしていじりながら、

 ルーの奴は満足しているようだった。







 さぁ、あとはまた、一緒にゲームとかして遊びましょうかね…………






 そんな一日であった。







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