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最後の魔女  作者: 砂鳥 ケイ
139/145

最後の魔女138 ミリエム2

 リグとダンジョンマスターであるミリエムが言い争いをしていた。


「踏破者報酬を渡せるのは一番最初の人だけなのよ。数日前にアンタたちが来るよりも前に踏破されちゃったのよ」

「へこへこしていたさっきまでと偉く態度が違うわね。そんな言い訳で言い逃れ出来ると思ってるのかしら。私は別にいいのよ、アンタを消してダンジョンのお宝を根こそぎ頂くだけだから」

「ふーんだ。魔力が回復したからには侵入者如きどうとでもなるわ。私はダンジョンマスターなの。この階層における絶対的覇者なの。ここで逆らう輩は強制排除しちゃうんだからね!」


 いがみ合う2人。どうあっても相入れない存在同士な気がする。リリベルはどうしようかと、おどおどしてるし⋯。


「私の目的はこの石だったから、それが手に入るなら別にいいよ」

「ダメですお姉様。私たちは死ぬ思いをしてこの場に辿り着いたのです。借りを返さなければ悪魔の名折れです」


 私は悪魔じゃないんだけどな⋯

 でも気になるのは、ダンジョンは踏破されれば消えてしまうはず。なのに何故このダンジョンは存続しているのかなぁ。


「ねえミリエム。踏破されたのにダンジョンはなんで存続してるの?」

「あら貴女。ダンジョンの存続意義を知ってるのね」


 ダンジョンは一度最深部まで踏破されてしまうと、無用の産物となりお役御免となる。それは踏破の報酬は1回限りの物であり、それがなくなるとダンジョンの存在意義がなくなるのだ。


「以前ね、ここと同じ場所にあったダンジョンマスターに養ってもらったことがあって、その時に色々教えて貰ったんだよ」


 ミリエムが目の色を変えて興奮状態になっている。


「え、え、貴女! なにそれ、もしかして前任者のヒスイ様を知っているの?」


 ヒスイ⋯確かそんな名前だった気がする。だけど、接点はないはずだよね。ヒスイはダンジョンに人が来なくなったことが原因で毎日の利息分のダンジョンポイントが払えなくて消滅しちゃったはずだから⋯。その時の事を思い出すと胸が苦しいな⋯。もうちょっと他のやり方はなかったのだろうか、本当にヒスイを助ける事が出来なかったのだろうかってね。


「知ってるよ。お友達だったから」


 ミリエムはダンジョンマスターとなり、このダンジョンへとやって来たその日に、とある日記帳が隠してあるのを見つけた。その日記帳には、前ダンジョンマスターであったヒスイが自身の得た知識や経験が事細かに記されていた。ミリエムもまたその知識に助けられ、今日まで生きてくることができ、ヒスイのことを神様のように尊敬していたのだ。


「そうだったのね⋯。手荒な真似をしてごめんなさい」


 ミリエムはついさっきまでの高飛車な態度から一転し、すっかりと大人しくなっていた。

 そんな対抗心のなくなったミリエムに興味がなくなったのか、この階層の探索をしたいと言うリリベルと一緒にリグもついていった。


 残った私は、ミリエムが知りたいと言うので私の知る限りのヒスイの話を彼女にしてあげた。そう、それはヒスイの最期の話もだ。途中、ヒスイのそんな境遇を聞きミリエムが泣き出してしまったのを宥めたりもした。

 ちなみにダンジョン踏破されてもダンジョンが消滅しないのもヒスイの日記に記載されていた裏技らしい。


 そうしてすっかり語り明かして気が付けば夜になっていた。だってダンジョン内部だから常に一定の明るさだし、分からなかったよ。

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