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最後の魔女  作者: 砂鳥 ケイ
137/145

最後の魔女136 人造兵器(ゴーレム)2

「なんでアイツ魔法が効かないのよ!」


 リグは絶え間なく放たれるレーザービームから逃げ回っていた。


「ちょっとちょっと! 魔法が使えるなんてアンタたち何者よ。でもまっ使えた所で無駄だけどね。アームストロング君には物理以外の攻撃は効かないんだよ〜残念でした!」


 うーん、厄介な性能だなぁ。物理しか効かないくせに直接触れると痺れて動けないとか。だったら遠距離からの攻撃しか方法はないじゃない。


 《千石槍(サウザンドストーンジャベリン)


 魔法は魔法でも土属性は物理扱いだから、これなら効くでしょ。動きの遅いゴーレムなんてただの的でしかないよ。


 狙いを定めて、石の槍を穿つ。

 倍速の魔法を二乗で施している為、放たれたと同時にターゲットへと着弾する⋯⋯はずだった。


 ゴーレムは目にも止まらぬ程のありえない動きで、私の魔法を躱すと、大きく跳躍して、その豪腕を奮った。

 この場には私とリリベルがいる。

 私一人だけならまだしもリリベルを抱えて避けている時間はない⋯。


 《物理障壁》


 上空から繰り出されるその豪腕が私の物理障壁と激突する。その衝撃に大地が揺れ、ヒビ割れる。魔力がゴリゴリ削られるも障壁の維持はまだ少しだけ余裕がある。だけど、支えている大地の方が先に根を上げそうね。


 すぐにリグがゴーレムを悪魔の腕で殴り飛ばす。

 先程と同様に、弾き飛ばすことには成功するも帯電している超高圧電流により掻き消されてしまった。


「大丈夫ですか! お姉様!」


 リグが駆寄り、私たちの身を案じる。


「ごめん、まさかあんなに俊敏に動くとは思ってなくて油断しちゃった。リリベルは無事?」

「はい大丈夫です。でもあの動きは確かに反則ですよ。私、全く見えなかったですもん」

 確かに速い動きではあったけど、対応出来ない程ではない。だけど、もう頭に来たよ。そっちがその気ならこっちだって本気出してあげるよ。


 《植物の楽園(プラントオブガーデン)


 ゴーレムの足元から植物の根が生える。それは一瞬でその巨大へと纏まりつく。

 所詮は植物だから火には弱いけど、その強靭な根はちょっとやそっとじゃ引きちぎれない。ましてやそれを何十本何百本と絡ませてるんだからいくらゴーレムがパワーがあっても簡単じゃないはず。


 私の想定通り、最初こそじたばたと踠くも、やがてゴーレムの動きはピタリと止まり場に沈黙が訪れた。


「流石ですね。相手の性質を見極め、瞬時にその動きを封じる。私改めて感服致しました」


 リグが私の腕を両手で掴み頬を擦り付けてくる。


「リグ、まだ戦いは終わってないから油断は禁────」


 脳内に警鐘が鳴り響いた。これは自身に死の危険が訪れた際に知らせてくれる私が常時発動していた(危険察知》魔法。


 すぐに辺りを確認する。


 ゴーレムは蔓で覆われたままで特段怪しい所は⋯。


「リグ、リリベル私の後ろに早く!」


 二人は、必死の私の形相にただ事ではないと察したのか何も言わずに行動を起こす。

 それを目で確認した後、多めに魔力を込めた杖で発動する。


 《絶対障壁(クリスタルウォール)


 私たち3人の目の前に透き通るような異彩を放つ鉱物の壁が出現する。

 途端、目の前で大爆発が発生した。


 それはこの広い空間全てを吹き飛ばすのに十分な程の威力だった。


 ギリギリ間に合って良かった⋯。爆発と言うかあれは自爆よね。あの時、僅かに蔓が自爆前の熱伝道で硬直していたから気付けたけど。本当に運が良かった。あと少しでも遅かったら3人とも命がなかったかもしれない。


「自爆⋯ですか?」


 リグが恐る恐る、障壁からゴーレムの方を除く。

 ゴーレムは跡形もなく、地面に大穴だけ残して消え去っていた。

 ダンジョンマスターめ⋯⋯性格悪すぎじゃないの。あんな希少なゴーレムを犠牲にここで全滅させようだなんて。絶対見つけたら覚えてなさいよね!


 その後、貴重なゴーレムの素材は諦めて先へと進む。

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