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最後の魔女  作者: 砂鳥 ケイ
134/145

最後の魔女133 新たなる旅路

 翌日、精霊の王さまに丁重にお礼を言い、精霊の森を後にする。その際、たくさんの精霊さんに出迎えされてしまい、中には行かないでと引き止める子もいた。ごめんね、私にはやらなければやらないことがあるんだ。だから、悲しいけど止めてくれるな!


 バッカスを呼び出し、颯爽と馬車に乗る。振り返ると気持ちが揺らぎそうだから、出発して少し経った後にこっそりと振り向くと、そこには精霊どころか、精霊の森の跡すら見えなくなっていた。


「それが、精霊何とかに関係する指輪ですか?」

「精霊ネットワークね。これがあれば、いつでも何処でも精霊さんとお話が出来るの」


 私の人差し指に光輝くそれは、精霊ネットワークに参加する為に必要なその名も精霊の指輪。この世界の至る所に点在している精霊さんから欲しい情報を教えてもらうことが出来る。私がお願いしているキーワードは、魔族と悪魔に関して。この命を狙われている魔族は当然のことだけど、悪魔がキーワードなのは、悪魔王サタンの動向を知っておきたい為だ。ないとは思うけど、もし私が生きてるのがバレたらもう一度命を狙いに来るかもしれないから。


「お姉様、これから何処を目指すんですか?」

「えっとね、力を取り戻しに行くよ」

「力って、リアさんの? 誰かに取られたんですか?」


 取られてはいないけど、似たようなものかな。強いて言うなれば置いてきた。が正解だろうか。


 あの時、悪魔王サタンと対峙した際に私は禁忌の秘術を使った。どうしてもあいつを倒さなければならなかったからだけど。でも、結果的に反射されて、自分で喰らう羽目になっちゃったけどね。


「その時にね、私は自分の力の一端をその場に残してきたの。今思えば、その時なんでそんな事したのか分からないけど、今なら分かる」


 二人が興味津々にこちらに顔を向ける。


「それは、きっともう一度その場所へ訪れる為だと思う。大切な物がそこにあるなら誰しもそれを取りに戻るよね? だからあの時咄嗟にそんなことをしたんだと思う」


 二人は顔を見合わせ、何のことだろうと言った表情を見せていた。


 でも、一つ気掛かりなことがある。

 あのダンジョンって消滅しちゃったんだよね。

 大まかな場所は分かるけど、どうやってその場所に行けばいいのだろう。地下の深い所にあったはず。もしかして、掘り進むしかないとか? まぁ悩んでてもしょうがないか。取り敢えず、記憶にあるその場所へ向かおう。


 人目を避ける旅路ばかり選んだお陰か、道中盗賊に出会したり、倒木で道を塞がれたりと散々だったけど、何でか記憶を取り戻した後の冒険は取り戻す前の冒険よりもずっとずっと楽しくて、凄く楽しかった。一人の冒険よりも仲間たちとワイワイ騒ぎながらの冒険って楽しいね。記憶を取り戻す前の私に教えてあげたいくらいだよ。


 三日の行程を掛けて、目的地のダンジョンらしき前へと辿り着く。

 ダンジョン跡地のつもりだったけど、もしかして同じ場所にダンジョンが出来たのかな?

 大きな縦穴が空いており、いかにもダンジョンの入り口みたいな感じだけど⋯なんだろあれ。


「入り口に何か彫ってありますね。ええと、《ミルエルのダンジョンへようこそ》ですかね、所々掠れてますけど、なんか可愛らしい字体ですね」

「リリベル、あんま前行かないでね、ダンジョンの中は別世界だから一歩でも入った瞬間、首チョンパされるなんてザラだよ」

「ひぃえぇ」


 リリベルが慌てて私の後ろまで戻る。リグはリリベルを驚かして楽しんでいるね。まぁ、毎度のことなんだけど。

 流石に入っていきなりは⋯⋯っと、そういえばそんなような光景の記憶があったような。確か最終階層にいそうなケルベロスがダンジョンの入り口で大口を開けて待ってるみたいな。いや、あのダンジョンはもう無くなっちゃったし、ないない。

「よしよし、大丈夫だよリリベルは私が守ってあげるから」

「うぅぅ、リアさんだけが頼みです」


擦り寄ってくるモフモフの大きな耳をガシガシといつもより多めにモフっておく。

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