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最後の魔女  作者: 砂鳥 ケイ
112/145

最後の魔女111 眷属誕生

 錬金術かぁ⋯。


 確かにこの本の通りならば、万能薬を使えばどんな呪怨を解呪出来るかもしれない。

 材料も偶然かもだけど、私が保有している物で事足りそう。こう見えてもコレクターなんだよね私。使えそうなものは大事に保管している。何でも入るこの魔法の鞄(マジックバック)のおかげなんだけどね。

 魔力を動力源とした魔導具の作成に興味があったから収集癖がついてしまった。


 でもここで問題が一つある。

 材料があっても肝心の製法が分からない。錬金術の知識がないんだもん、それは仕方ない。この本にも、錬金術を使用する場合は錬金術師の職に従事している必要があるとだけ書かれている。


 錬金術師かぁ⋯。


 当然錬金術師の知り合いなんていないしね。

 落ち込んでてもしょうがないよ! 久し振りに眷属(シャナリオーゼ)を創造しちゃおうかな!


 錬金術師って言ったらやぱし、衣装は白衣だよね。理知的なイメージがあるから眼鏡は外せないとして、あとは⋯こんな感じで⋯うんうん、バッチリだね。性格は、抑えきれない探究心とかがカッコいいかな?


 眷属創造って楽しいんだよね。年甲斐もなくはしゃいじゃう。若干にゃもさんにジト目で見られてる気がしないでもないけどさ。

 最後に名前はどうしようかな⋯。確か錬金術の本に似合いそうなことが書いてあったような。


 "錬金術の最終定理とは夜空に浮かぶ金の星(アルナ)を作り上げることである"


 何のことかさっぱり分からないけど、カッコいいからこれでいいや。


 《眷属召喚(サモンアルナ)


 魔法陣が地面に現れ、眩いばかりの光に包まれる。光が徐々に収束し、人型になっていく。

 私の前に現れたのは、私が創造した通りの女性だった。


「そなたが我が主か?」


 ほわぁ、キレイな人だなぁ⋯。

 私なんかと違って頭も良さそう。毎度毎度細かい顔などはイメージしてないけど、いつも可愛くカッコよく仕上げてくれてありがとう。えっと、魔女神様?


「主よ聞いているのか?」

「あわわ、ごめんなさい。私が貴女を召喚しました」


 見惚れてボーッとして慌てふためく私を舐めるように上から下へと視線を向けるアルナ。

 召喚主は眷属に対して尊厳たる態度を示す必要がある。舐められたら駄目なのだ。と、魔法大全集先生に書いてあった。


 ふぅ、ふぅ、呼吸を整える。


「我の名はシュタリア・レッグナート。貴女の主にしてこの世界唯一の魔女。貴女の名はアルナ。この世界最高峰の錬金術師として我に支えよ」


 うぅぅ。いつもながら緊張するんだよね⋯。


 アルナは跪いていた。


「我が主、シュタリア様。誠心誠意お支えさせて頂くことをここに誓います」


 こうして主従の儀を終え、早速アルナに錬金術で万能薬の生成をお願いする。


「ふむふむ。最初の生成で最高難易度の万能薬ですか。流石は我が主ですね」

「難しい?」

「いえ、そんなことはありません。知識は全てここにありますので、何の心配も御座いませんよ」


 その後、アルナに言われた材料を取り出し並べて行く。本に書いてあった材料と若干違う気がするけど私には判断のしようがないのでアルナの指示に従う。


「ではこれより万能薬の製薬を行います。念の為少し離れていて下さい」


 材料が淡く光り出すとアルナの指の動きに合わせて宙を舞う。そのまま、重なってクルクル回って、ボーッと見ているうちにいつの間にやら完成していたみたい。


「主、ご依頼の万能薬最高品質完成しました」

「すごい⋯何だか思っていたのと違うけど、何か、キレイだった!」


 私の発言に対してアルナはクスッと笑う。

 あれ、私なにか変なこと言ったのかな?


「主は、素の方が可愛らしいですよ」


 しまった! 威厳が大事とか言ったばっかしだったのに⋯。赤面してしまった私を見て微笑ましい笑顔を向けるアルナ。


「リア様とお呼びしても?」

「え、あ、何でもいいよ」


 もう、威厳とか面倒だし何でもいいや。私は主従関係というよりもお友達でいいと思ってる。私友達いないしね。


 眷属創造の為、みんなには席を外してもらっていた。

 だって、何だか恥ずかしいしさ。それに集中しないといけない。だってイメージがすごく大事だから。初めての眷属のにゃもさんの時なんて、何十回失敗したことか。って、あんまり待たせるのも良くないよね。


 薬が出来たことを告げ、再びティナの元へ向かう。

 不安そうに見守り両親と女王様。私は万能薬を取り出すと、そっとティナの口元へと運ぶ。

 ティナは目を見開くと、ジタバタと暴れていたのが嘘のように大人しくると、そのままキョロキョロと辺りを見回す仕草をしていた。


「あれ、私は一体⋯」


 我に帰ったティナに両親が駆け寄る。

 女王様が手をサッと振るうと手足を拘束していた影のような物が消え去った。

 その後、両親は涙を零して喜び、何度も何度も頭を下げて私にお礼を言ってくれた。


「私からもお礼の言葉を言わせて頂きます。本当にありがとうございました」

「いえいえ、直せることが出来て良かったです。それにこんなにたくさんのお土産まで⋯」


 私の目の前には、たくさんの食べ物やら装飾品の類が並べられていた。ティナの治療に成功した噂を聞きつけた精霊さんたちが私に貢物を置いて行く。

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