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最後の魔女  作者: 砂鳥 ケイ
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最後の魔女105 円卓会議

 ここは、魔界と呼ばれる魔族の住む大地。

 その中央に一際大きな城が聳え立っていた。


「これより軍議を開始させて頂きます」


 魔城の一室にて、今まさに円卓軍議が開催されていた。

 この場に集いしは、魔王の息子、元老院と呼ばれるビャッコ、セイリュウ、ゲンブ、スザクと魔王軍最高司令官ザラメシア、魔王補佐のラザラスの六人だ。

 軍議を取り仕切っているのは、魔王補佐のラザラスだ。


「本日皆様方にお集まりいただいたのは、最近発生した特異点(・・・)に関してです。既に情報を掴んでおられる方もいらっしゃると思いますが、この場では現状知り得ている情報の共有と問題解決に向けて奇譚のない意見を述べて頂ければと思います」


 今回は緊急の招集ということもあり、事前に内容の説明を受けていない彼等だったが、特段驚いた様子をしている者は誰もいなかった。そもそもが、本来魔族である彼等はあまり人族のことを気に掛けたりしない。人族を劣等種扱いしている彼等魔族は、人族が何をしようと関係なく。邪魔ならば排除すればいい程度にしか考えていなかった。

 しかし、その範囲に収まらない事態を彼等は特異点と呼び特別な存在として警戒していた。


「そういえば部下たちが何やら騒いでいたな。高位悪魔が次々に始末されてる件だろう?」


 ビャッコの部下は悪魔退治を担当している事もあり、常に悪魔の動向を監視していた。人族と違い、魔族にとっては悪魔は脅威と捉えていた。


「そうです。皆様もご存知でしょうが、高位悪魔は我々と同じく相応の実力を有しています。それがここ数ヶ月に二体が殺され、一体が離反したと情報を掴んでいます」

「ほぉ、それは面白いな。高位悪魔と言えど上と下ではその実力は雲泥の差だが、久し振りに楽しめるかもしれんな。デススリンガー」


 ゲンブは、何でも力で解決してきた脳筋であり、四天王一喧嘩っ早いと言われている。ゲンブの愛刀デススリンガーは、知能ある武具(インテリジェンスウェポン)と呼ばれ持ち主と意思を交すことが出来ると言われていた。


「発言いいか?」


 手を挙げているのは魔王軍最高司令官のザラメシア。


「魔王軍第九師団に所属していたラース兄弟が企てた騒動があったと思う」

「あぁ、名誉欲しさに勝手に地界に渡り挙句の果てに転移門を破壊されるなどと言う失態を冒した若造か」

「えぇ、その者には結局逃げられてしまったが、その時の目撃情報から、その者の正体はあの絶滅した魔女である可能性が浮上したのだ。そして事前にラザラス殿と調査をした結果、特異点はその魔女で間違いないと結論を出した」


 大きな音がしたかと思えば、円卓の席を叩きつけたゲンブの仕業だった。強固に作られたテーブルだったが、辛うじて原型は留めているものの亀裂が走り今にも崩れそうになっていた。


「あの忌々しい魔女の生き残りがいたと?」


 約九十年前の前対戦の立役者として知られている魔女は、魔族の王である魔王を封印する事態に貶めたとして怨まれていた。


「一人一人の力は大したことはない。だが、それが複数合わされば我々とて油断は出来ん。前対戦の敗因は、人族ではなく魔女共を舐め切っていたことだ。まだ若い魔王様の暴走が原因もあるがな」


 これまで黙りを決め込んでいたスザクがその口を開く。


「相手が魔女一人なのだとすれば、我々の認識にある魔女とは別物だと思った方がいいだろう」


いくら魔女を警戒しているとは言え、たった一人の魔女如きが何かを成せるとは思っていなかったが、特異点と認定されたのは、ただの魔女ではないと判断されたからだ。


「特異点に仲間がいるのかどうかは現在調査中です」

「魔族の我等が舐められたままだと示しがつかん。すぐに排除に動くべきだ!」


 暫し円卓会議がヒートアップし、場が騒然とする。

 シリュウがそれをまとめ、今回の軍議で決定したことは⋯


 特異点の現在の居場所を把握し、常に監視下に置く。協力者がいれば全て洗い出し早急に全員を抹殺する。この任には魔王軍の幹部以上最低でも二人以上で事にあたると決定した。


「ビャッコ。悪魔どもの動向も把握しておけよ。父上復活(・・)のこのタイミングであまり対立したくはないからな」

「御意」



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(リアさまー!)


 誰もが寝静まった頃、何処からともなく念話が届き、目を覚ました。


 私の右腕は、リグにガッチリとホールドされている。左に目を向けるとリリベルの顔が間近に迫っていた。


 うーん。解せぬ。

 広いベッドなのに、なんでいつも二人は私に寄ってくるのさ。


(大変大変だよー!)


 そいいえば、念話が来てたんだった。

 念話の相手は、魔界にスパイとして残ってもらったアリエラからだった。


(もしかして魔王でも復活したの?)

(違う違う、もっと大変なんだよ!)


 魔王復活よりも大変なことって何だろう。ついに魔王軍が地界に攻めて来るとか?


(リアさまの存在がバレたよ!)


 その後詳しくアリエラの話を聞くに、最近の私の行動が魔族たちの目に留まり、その存在が疎ましくなり、私を討つという動きになっているようだ。

 魔界に行って暴れたことに激怒しているみたい。あの時は、仮面をつけたりして身元を隠していたつもりだったけど、甘かったかなぁ。これから私の居場所を知るべく魔界から魔族が派遣されるようだ。

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