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最後の魔女  作者: 砂鳥 ケイ
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最後の魔女99 断罪の時2

 エルスレインは放心状態のまま、連行されていく。

 頼みの綱のルルベルに裏切られては、どうする事も出来ないと悟ったのだろう。


 ちなみに、この玉座の間にいた全員は既にこの断罪イベントが始まる前に幻惑の解除を行なっていた。

 つまり、ここにいる全員が仕掛け人なのだ。


 ルルベルは両手を前に差し出す。

 命令されたとは言え、実行したのは全てリリベルなのだから、罪を裁かれるのは当然のことだと本人は思っていた。


「その必要はない」


 差し出された手をターニャさんが両手で握る。


「で、でも⋯」

「妻と娘から事情は聞いておる。騙されていた上に妹を亡くしてしまったとな。しかし、罪は罪だ」


 バングは宰相ロンドベルに目配せする。


「ゴホンッ、此度の件、幻惑なるものを使用し、永きに渡り王族並びに関係者の記憶、その意思を捻じ曲げたその卑劣な行為、断じて許されるものではない。よって、罪人狐獣人(ルナール)のルルベルに即刻幻惑の全解除を命ずる。その後、バラム王国から即刻出て行ってもらう。そして今後一切の入国を禁ずる」


 大罪を犯した割には破格の処遇に逆に混乱するリリベル。


「そ、それだけ?」

「不満か?」

「だって僕は王妃様に呪いを⋯」


 シルフィはバングの袖を掴み睨み付ける。


「ううむ。其方に重い罰を与えると娘に怒られるのでな。これだけで許してはくれぬか」


 少しおかしな展開にはなったけど、無事に自供も取れて一件落着って所かな。みんなよく頑張ったよ。


 その後、私たちは逃げるように王城を去った。

 何てったって私たちは部外者だからね。今日は王国の外れにある宿屋で一泊し、明日また鉱山都市トレランスに戻ろう。

 事前にリグにリサーチしてもらい、お風呂のある宿を探して貰ったのだ。私の準備に抜かりはない。久し振りにお風呂に入れるこの気持ちの高鳴りをどう表現するのが正しいのだろう。


 フカフカのベッド? 美味しいご飯? いんやそんなものよりもまずお風呂だよ。


「お姉様! 一緒に入りましょう!」

「うむ。ついてこい」


 流石に個室のお風呂は無かった為、今回は大浴場だ。

 やっぱり大きなお風呂はいいよね。脱衣所で衣服を脱ぎ、カゴに畳んで入れる。準備は万端。混んでいたら嫌だなと思っていたけど、どうやら誰もいないようだ。

 まずは、身体と髪を綺麗にして、お楽しみの湯船に肩まで浸かる。


「安心して下さい。私たち二人の邪魔は誰にもさせませんから」

「ん、どういう意味?」

「この宿ですが、全室貸切にしてありますから。思う存分お風呂を満喫して下さいね」


 ええと、貸切って⋯⋯お金大丈夫なのだろうか。


「あ、ちなみにこの宿は全額王妃様持ちです」


 え、そうなの。気が利くじゃない。

 ん、だけどそれってこの場所がバレてるって事じゃない?


 ガラガラとお風呂の戸が開けられる。


「失礼します。ご一緒させて下さい」


 断りを入れて中に入ってきたのは、王女のシルフィだった。


 その後、三人で仲良くお風呂を満喫する。


「あ、あのリアさん⋯お願いがあるのですが」


 改まって何だろう。

 それに、何だかうっとりした表情になってない?


「あ、あの⋯⋯お姉様と呼ばせて頂きたいのです」


 えぇ、何故に。


「感心ね、アンタにもお姉様の良さがやっと分かったようね」

「はい、こんな頼りになる人がお姉様ならいいなって、せめて呼び方だけでもお姉様と呼んでもいいでしょうか?」


 その頬を赤く染めてるのは、入浴してるからだよね。体温が上昇してるからだよね?

 うぬぬ。王女様にお姉様と呼ばせて私、罪に問われないのだろうか。第三者に聞かれて投獄なんて御免だよ。


「私たちだけの時ならいいよ」


 シルフィは『お姉様大好きです』と私に抱きついてくる。それに嫉妬したリグが反対側から抱きついてくる。挟まれた私は揉みくちゃ状態だった。


 はぁ⋯。

 

 いい加減にしてよっ、もう!


 二人の脳天にゲンコツを落として静かにさせる。


 お風呂をじっくりと堪能した後は、座敷の部屋に通され、豪華な食事を堪能した。


「うっぷ⋯もう食べられない」


 リグが大きなお腹でひっくり返っていた。


 食事を終えたシルフィが側へと寄ってくる。


「本当にお姉様には感謝しています」

「いいよ。十分お礼して貰ったから。それからお母さんをこれからも支えてあげるんだよ」


 シルフィは満面の笑みで頷くと、三人で部屋へと戻った。


 部屋に入ってこれまたビックリ。そこそこ広い部屋だと言うのにまたしてもベッドが一つしかないのだ。しかもこのベッド、クイーンサイズを通り越してキングサイズ? 初めて見た。

 案の定、一つしかない為、三人仲良く寄り添うように夜を明かした。

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