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7話 ダンジョン始めました。

 俺のダンジョンはブルーランド王国の首都からほど近い場所に入り口を作った。開放と同時に諜報部を放ち、それとなく噂を流すように指示をして冒険者が来るのを待つことになる。


「いよいよ開放か、リリーどうなると思う?」


「そうですね。ダンジョンの出現の情報が冒険者組合に届くと、まず調査に来ます。そこである程度のランクを判定するようですね。ここは10層までに配置されているモンスターのランクを考えるとCランク辺りに設定されそうですが、ジュエルスライムの存在があるので人気は出ると思いますよ。」


 リリーは思い出したように言葉を続ける。


「あ、あと判定員は殺さないようにした方がいいです、死んでしまうとダンジョンが危険認定される可能性が高くなります。そうすると高ランクの冒険者が攻略に来るかもしれません。」


「アーシャもこの世界の出身だったね。どう思う?」


「あたしはBランクだったけど、当時の仲間となら10層のオークキングはなんとか倒せると思う。だけどコクトやリリーには絶対勝てないね、Bランク冒険者が30人居ても無理かもしれない・・・。後はあのトイレ罠には絶対掛かると思うぜ。」

 

 実際にこの世界で冒険してた2人が言うなら大丈夫だろうな。最初の期間だけスライムアサシンは農場の方に移動してもらおう、万が一間違って判定員殺したら洒落にならないからね。


「他のみんなもなにかあれば言ってね。」


「わたくしから1つよろしいでしょうか。わたくし共にもダンジョンの状況を確認する手段は御座いませんか?」


「確認方法か、ナビなにかオススメの方法はある?」


<コアルームへダンジョンモニターを設置する事をオススメ致します。>


 えっと、モニターっと備品の所かな?あ、ダンジョンパーツの所にあった。DP3,000を使用してダンジョンの状況を映像として確認出来る装置か。これは良さそうだし、設置決定だな。後はこのアラームも良さそうだな、DP1,000払えば設定した状況下でコアルームとメンバーへ信号を発信する機能。これ付けてAランク以上の冒険者が侵入した時と10層に進入された時に鳴る様にしておこう。


「モニターとアラームを設置したよ。これでダンジョンの状況が映像で確認出来て、Aランク冒険者の侵入と10層への進入時にアラームが鳴るはず。」


「ありがとうございます。全てカイ様に負担させるのは配下として心苦しかったので御座います。これでわたくし達もよりカイ様に尽くす事が出来ます。」


「あ、カイ様!初めてのお客様がいらっしゃいましたよ!」


 アルナの言葉でモニターの方に視線をやると3人組の冒険者がダンジョンに入ってくる所だった。


「リリー、奴等はどのくらいの実力だと思う?」


「装備から察するにFランクあたりかと、剣も只の鉄の剣ですし。判定員の可能性は低いですね。まだ開放してそこまで時間が経っていませんので、このタイミングで低ランクの冒険者を送り込むとは思えません。」


「じゃあ全員やっちゃっていいね。ダミーコアまで来てくれれば俺が直接吸収したいんだけど、厳しそうだね。まぁ、お手並み拝見と行こう。」


 冒険者達はスライムやゴブリン達を倒しながら奥へ進んで行く。モンスター達も生まれたばかりでLvも低いままなのでなかなか厳しいようだ、まぁまだ始まったばかりここからだ。


「ゴブリン達には荷が重いかな。ゴブリンの脅威は数だからね、もうちっと召喚陣を増やしていいかもしれないね。」


 アーシャが冒険者の経験から助言してくれた。俺は戦った事がないので分からなかったが、2~3匹では苦にならないみたいだ。


「う~ん、まだ1組目なのに早速改善点が見つかったね。やってみなきゃわからなかったなぁ。」


「まぁ、あんまりモンスターが強いと冒険者も来ないし、これくらいなら許容範囲じゃないのかね。あくまでも冒険者の狙いはジュエルスライムだろうからね。それに実際にはスライムアサシンがどっかに潜んでるんだろう?それならこんなに簡単にはいかないよ。」


「そうですね。私もこれくらいは普通だと思いますよ。その分フィールドが広いですし、疲労もします。時間が経てば冒険者達も疲労で集中が切れるでしょう。」


「我ら魔王軍に取ってはこの程度子供の遊び場にしかなりませんね。世界が違うのであくまでもわたくしの主観ですが。」


 それぞれが思った事を発言してくれるので非常にありがたい。その後もこの3人を監視したり、新しく入って来た冒険者を確認したりしていたのだが、どうやら最初に入った3人組がダミーコアに到達したようだ。


「警戒してるみたいだな、まぁダンジョンの中に家とトイレがいきなり現れたら警戒もするか。」


 そのまま冒険者達は家の周りで休息を取っていたのだが1人が急に立ち上がりダミーコアであるトイレに向かって行く。


「お、入りそうだな。アルナ、悪いけど現地に行って来て。俺が1人吸収したら残りを『誘惑』して情報を引き出した後にダミーコアに突っ込んでおいて。美味しく頂く事にするから。」


「畏まりました。お任せ下さい!」


 アルナは嬉々として現地へ向かって行った。初めての出動が嬉しいんだろうきっと。俺はトイレに入るのを確認する。


「あ、これダメだな汚いおっさんが俺のトイレで用を足すなんて耐えられない。この時点で殺意がやばいわ。これもトイレの妖精の本能なんだろうな。はい『吸収』っと。アルナ、そっちもやっちゃって。」


<<ダンジョンマスターのLvが上がりました。>>


3人を吸収したところでLvが上がった。確認するとDPも3,000増えてた。


「今ので1人DP1,000みたい。なかなか厳しいかもねー。アルナなにか情報あった?」


「はい、奴等はブルーランドの冒険者でリリー様の見立て通りFランクでした。このダンジョンはたまたま立ち寄っただけという事でした。まだ、他の冒険者はここの事は知らないと言っておりました。」


「ありがとう、あんまり大した奴等じゃなかったみたいだね。取り合えず今の感じで監視しつつ、対応していこう。いきなり強い奴が来ても困るしね。」


「はっ、畏まりました。」


 コクトの言葉と同時にみんなが頷く。


「ご主人様、私の眷属である蝙蝠達を召喚して頂ければより監視がしやすいかと思われます。私は眷属達の声が聞こえますので。」


 リルムがそう進言してきた。どうやら蝙蝠達を空に放って、そいつらを使って監視するようだ。大変かと思ったが本人が大丈夫というのでGランクの蝙蝠召喚陣を各階層に追加して置いた。


「これでよしっと。取り合えず大丈夫そうだから、リーフとアーシャ、それにアリスは自分達の持ち場に行ってもいいよ。」


「・・・言って来る。何かあれば連絡ちょうだい。」


 アリスは退屈だったのかさっさと行ってしまった。早くみんなと仲良くなって欲しいんだけどなぁ。続いてリーフとアーシャも持ち場に戻って行った。


「さっきはアルナに行って貰ったけど家に常駐の暗殺要員が必要だね。毎回向かって貰うのも大変だし。」


「それでしたら私の妹をオススメします。サキュバスとしての力は勿論暗殺を生業としておりましたので是非召喚して下さい。」


「おぉ、そうなんだ。じゃあ俺の手を取って妹の事をイメージして、そしたら多分召喚出来ると思う。君達もそうやってコクトからの推薦で召喚したんだよ。」


 アルナの手を取って召喚する。今回はDP8,000を使用する。


 現れたのはどう見ても幼女だった。身体と同じくらい大きい羽根を持った黒いワンピースのペタンコ幼女が目の前にいる。


「お、おねぇちゃん・・・?おねぇちゃんなの!?」


「久しぶりねイルナ、後でちゃんとお話しするけど今は落ち着いてご主人様の話しを聞いてくれる?」


 アルナがイルナの頭を撫でながら落ち着かせる。前世で2人に何があったのかは知らないがきっと仲良しの姉妹だったんだろう。


「俺は君を召喚したダンジョンマスターのカイだ。よろしくイルナちゃん。君にはサキュバスの力を使って俺の手伝いをして欲しい。いいかな?」


 俺もイルナの目線の高さに合わせて頭を撫でながら出来るだけ優しく話し掛けた。


「ご主人様、イルナは大人です。見た目はサキュバスの秘術で成長を止めた為に幼く見えますが・・・ですので、その・・・。」


「マスター私やります。またおねぇちゃんと生活出来るならなんでもします。」


「よろしくイルナ。君を歓迎するよ。」



※新しい配下


イルナ

サキュバス

暗殺者

<スキル>

『誘惑』『暗技』『闇渡り』

<魔法>

『暗黒魔法』





お読み頂き、ありがとうございます。


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