紫色のクロッカスが、募る。
紫色のクロッカスには『愛の後悔』という花言葉があります。
誰しも一度はそんなこと・・・
あ、筆者にはないですよ?そんなこと。
「はぁ~ぁ・・・」
「桃華さあ、この前もため息ついてたよね?なんかあったの?」
「ん~・・・別に何も~・・・」
「これは何かありましたな?真愛美さんや。」
「うん。たぶんなんかあったね。」
「だぁ~かぁ~らぁ~・・・何もなかったってぇ~~・・・」
いや、そんなわけない。
私、水蓮先輩に嫌われちゃったかもしれない。
・・・というかたぶん嫌われた。
あのあと、何とか黒木先輩の猿轡&亀甲縛りのSM地獄から抜け出して・・・もう思い出したくもないから、そこは・・・まぁご想像にお任せして・・・
そのあと部室に戻ってみたけど、そこには水蓮先輩はもういなくて・・・
あれから先輩は部活に顔を出さなくなってしまった。
たぶん、私に会いたくないから・・・
「あれからもう一週間・・・」
放課後。
部室にも行かず、帰るわけでもなく、ただ椅子に座って空を眺める。
もう4月も終わり。
桜も散り始めて、徐々に青く色づき始めている。
青春。
誰もが希望を持ち、理想に憧れ、恋する・・・そんな淡い時間。
人生の中で、ほんの一瞬だけ輝く青い春。
だけど、私の春は終わりを告げてる。
もう、花は咲かない・・・と。
「どこから、間違いだったのかな・・・?」
先輩にあんなことしちゃったこと?
在校部に入ったこと?
先輩に、恋しちゃったこと・・・?
それとも・・・
今となってはもう、無駄な後悔。
でも、止まらない。
私の胸の中で、それは募っていく。
「こんなんだから私、フラれちゃったんだよ・・・」
恋は盲目、なんて・・・私にぴったりな言葉。
誰かのこと好きになると夢中になって、周りが見えなくなって、それで、事故しちゃう。
あの時もそうだったのかも。
ぴったりくっついて。
買い物誘ったりして。
クリスマスプレゼントあげちゃったりして。
毎年バレンタインチョコ渡したりして。
告白して・・・
鬱陶しかったよね・・・
迷惑だったよね・・・
邪魔だったよね・・・
嫌いに、なっちゃうよね・・・
私もこんな人、きっと嫌いになっちゃうよ・・・
きっと、先輩も・・・
「もう、嫌だよ・・・」
止まらない。
後悔も、涙も、先輩への愛も・・・
「先輩・・・水蓮先輩・・・私、私・・・!」
「桔梗さんっ!」
窓側の、私の席から逆の方。
ドアの前。
振り返るとそこには、私の好きな人が、立っていた。
今回やっと純愛系書けたような気がします。
まぁ、そんなことになった理由はあれですが・・・
ともかくっ!これからは頑張って純愛系とエロをうまく組み込んでいけたらなと思います!