ピンクのヒヤシンスに、魅了し魅了され。
ピンクのヒヤシンスには『しとやかなかわいさ』という花言葉があると同時に、なぜか『ゲーム』という花言葉があります。
というか全般的にヒヤシンスには『ゲーム』という花言葉がついてます。
「だいじょうぶ、ですか・・・?」
「そう。だいじょうぶよ。」
「はぁ・・・ほんとにだいじょうぶなんですか?」
「そうよ。『大状部』。正式名称は『大々的に状況を明かしちまえば、この部活に入ってくること間違いじゃね?!的なスタンスの仮入部体験』よ。」
誰だよ、そんな訳のわからないネーミングしたやつ・・・
「それで、そのだいじょうぶは私たちも参加しなきゃ何ですか?」
「いえ、私たちはそのサポートをするだけよ。」
「生徒会の役はもう揃っちゃってるし。そもそも、僕たち在校部は正式な部活じゃないからね。いつも通り仕事をするだけだよ。」
「そう、なんですか?というか珍しいですね。もう5月に入る手前ってところで一日使ってそんなことするなんて・・・」
もうほとんどの人は何か目標を立てて活動を始めている。
今更こんな行事をする必要なんてないと思う。
「あら、以前にも言ったと思うけど4月の間はまだ仮入部扱いよ?」
「・・・え?」
存じ上げないのですが・・・
というか言われてないのですが・・・
「この学校は部活に入って新たな才能をって言ってるくらい部活動に積極的で、結構有名になってるんだ。」
「でもいくら積極的でも部活動に入ってくれなかったり、その部活動がその人に合わなかったら意味がないでしょ?だからこういった時間を設けることで本当に自分に合った部活を見つけれる、というわけ。」
「なるほど・・・」
「そこで私たちは今回、『風紀執行部』と協力して生徒の案内をし、この行事のサポートをします。」
「わかりました。ではさっそく・・・・・・『風紀執行部』?」
初めて聞いた・・・
『生徒会執行部』とかならよく聞くし、中学の時はそうだった。
でも『風紀執行部』は・・・そもそもうちは何で『生徒会』だけなんだろ・・・・・・
「桔梗さんはあまり気にしなくていいんだよ。」
「はぁ・・・」
「ほら、仕事しに行こ?」
それですぐに迷子になるのが私です・・・
なんでいつもこうなっちゃうかな・・・
この学校に来てもうそろそろ一か月。
生徒会にも入って。・・・まぁまだ仮入部らしいけど・・・・・・
好きな人もできて。・・・まぁ絶賛片想いなうですけど・・・・・・
・・・・・・・・・・・
こんなだから迷子になるんだよっ!
もぉやだぁ~・・・
先輩とはあれから何も進展ないし・・・
というか一緒にゲームもしてな―――それはその方がいいのか?
まぁとにかく距離は詰まらない一方でして・・・
はぁ・・・いつになったら私を人生の迷子から助けてくれる王子、水蓮先輩は手を差し伸べてくださるのだろうか・・・あと今現在の迷子も助けてくれるとありがたい・・・
「もぉ~・・・ここどこぉ~・・・?」
あぁ・・・もう帰ってゲームしたい・・・・・・
あ、なんか今ゲーム音が聞こえる・・・幻聴かな?
「ってほんとに聞こえるんですけどっ?!」
いったいどこから・・・?
ってすぐ横なんだけど・・・
「・・・ん?風紀執行部って・・・・・・」
今日一緒に仕事やってくれてるあの・・・?
でも中から・・・
そぉーっと、その中を覗く。
・・・!
部屋の真ん中にぽつんと言った感じで置かれた3つのデスク。
それを取り囲むかのように置かれた壁一面の本棚。
ほとんどが生徒会と、在校部と同じ・・・
違うところと言ったら――――――
「やっぱりこんなところにいたのね、シン。」
「え!く、黒木先輩?!」
いつの間に・・・というか、ご知り合い?
ディスプレイに向かって座っていた男と隣に座っていた・・・JS?が同時にこっちに顔を向ける。
っていうかあのロリ・・・マジでかわいいな・・・
「百合恵・・・なんだい?まさか、俺を迎えに来て―――」
「そのバカなことしか喋れない口とパソコンを早く閉じて早く仕事をするよう言いに来たのよ。」
「黒木!シン様になんてこと・・・!」
「真実を言ったまでよ。あなたも、早くその腐った眼を早く洗って仕事しなさい。」
「・・・っ!!!」
「まったく、風紀執行部らしき人が一人しかいないからもしかしてと思って来てみたら・・・アホみたいに格ゲーやってたなんてね。」
え、何この修羅場・・・
私ここにいていいの・・・?
「まあまあ二人とも。落ち着いて?」
その修羅場の根源が何言ってんだよ・・・
お前は落ち着き過ぎなんだよ・・・
「え~、っと・・・黒木先輩?あの人はいったい・・・?」
「桃華さん。アレの存在を見てはだめよ。アレは・・・」
「俺は冷山シン。百合恵の許嫁だ。」
「え?」
とうとう他の登場人物を出す時がきました。
そしてこれからどんどん増えていって・・・
今の時点で結構名前忘れてたりしていてヤバいです・・・