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始まる前、三分間
んっんん……
なんだか頭が痛い。
そして身体も痛い。
白くさらさらとした砂が頬に触れる。
痛む身体をやっとこさ起こし、辺りを見渡す。
そこは、見渡す限り広大な砂場だった。
辺りは仄暗く、天には星のようなものが煌めいている。
【ようなもの】と表したわけは、自分が知っている星よりも遥かに大きく、金平糖のような形で、しかも色とりどりに輝いているからだ。
変な星空だ。
と、いうか、ここ、どこだ……?
どこもかしこも砂ばかりだから、砂漠……だとは思うが、暑くもなければ寒くもない。
もし砂漠なら、夜は寒いはず。
いやそれより、家路についていた私が、何故砂漠、のようなところにいるのか。
ズキン……ズキン……
嗚呼……頭が……痛い。
私はずきずきと痛む後頭部に、手を伸ばした。
何かぬるっとしたものが触れる。
ん?
ま さ か ……
後頭部は掌を真っ赤に染めるほど出血していた。
嗚呼……だめだ……
血はだめだ………
私は目を覚まして三分で再び意識を手放したのだった。