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ワールドリファイン  作者: 春ノ嶺
我ら海豹止める者なし
89/106

11-7

コクピットの無いのっぺりしたヘリコプターが頭上に現れるまでにちょうど10分、レーザー照準器でマークした格納庫をファイアスカウトが認識し攻撃位置につくまで1分をかけ、高度20メートル程度でホバリング状態となったのが合計12分後。両脇にロケットランチャーを抱えていて、下手すれば撃ち尽くす前に敵は全滅する


「こんなもんがあるならなんで最初から使わなかったんすか」


「できれば使いたくなかったというのが偉いさんの考えだからな。NATO加盟国の領土を爆撃するんだ、国際問題になるのは避けれんだろう」


壁にもたれかかっていたライナーが乗用車の横まで移動し伏射体勢を取った、M249の銃口が格納庫に向けられる


「司令部、こちらの準備は完了している。目標の建物はかなり頑丈だ、正面のシャッターに向けまず2発撃ってくれ」


『了解した、攻撃開始』


ファイアスカウトの両脇から炎が上がる、いつもなら湯水のようにぶちまけられる直径70ミリの対地ロケット弾が寂しく2発飛び出して、恐らく一番脆いであろうシャッターに直撃、中型セスナが軽々入るそれを大きくめくれ上がらせ、同時に轟音と爆煙を発生させた


「スヴェンソン、何か見えるか?」


『奴らの城壁は中世ヨーロッパ貴族の髪型みたいになりましたが、煙が邪魔で何も見えません』


「見えないならいい、適当に撃て。間を開けたらさっきの二の舞だぞ」


『了解、制圧射撃を行います。…おっと?』


正面に展開した部隊が煙に向けて発砲を開始するも、数秒と待たず茶色いカーテンは吹き飛ばされた。見れば内部でプロペラ飛行機が始動しており、大量の煙はあっという間に霧散していく。内部にはプロペラ機の他に簡易バリケードと、空を睨む対物ライフルが見えた


ガゴン!と無人ヘリが悲鳴を上げる


『チーム9、ファイアスカウトに異常発生、何が起きた』


「信じられないだろうが聞いてくれ、メインローターシャフトを狙撃されて今グルグルと回ってる。暴走する前に墜落させろ」


ロケット弾を6発残したまま航空支援は終了、高価な無人機がローターを停止し落下していった。狙撃手は既に姿を消していたが、隣のライナーと前衛部隊が射撃を開始する


「短時間でこんなにバカスカ撃ってたら後がもちませんぜ、腰抜け陸軍みたいな補給線がある訳じゃないんだ」


「ああこのままじゃまずいな、包囲はやめる、激しく動いてカバーだ。フィエンド、射撃しつつ前進しプレッシャーをかけろ」


『大尉ストップ、近くで車両が停まりました。男1人女2人、武装してる』


スナイパーからの通報で指示をストップ、そちらへの対応を準備させる。次から次へと先手を取られる、これは偶然なのか


「そいつは恐らくCIAだ。リタ・ラフベルク、コードネームはシオン。彼女は何の訓練プログラムも養成課程も受けていないが、すごく有名な工作員を師に持っている。若い女性でどこにでも潜り込めるからとアジア方面では一番人気だ、やばいほどの実戦経験がある」


『こちらの配置がバレてやしませんか?フリーになってるあいつとか』


「それは間違いないな、スナイパー班はネアを捜索して、見つけ次第撃て。スヴェンソン、格納庫を時計回りに移動してCIAを挟み込め。俺達も続く」


ヘリが墜落した時点で包囲殲滅する火力は失っている。とにかく状況を簡単にしたい、籠城をやめさせるのにはひとまず成功しているし、彼女を仕留めればいくらか士気も削げる。なにより、あの気が狂った混乱製造機みたいなのを放っておいたらまずい


「相手が民間人だっていう事は忘れろ、背水の陣を敷いたデルタフォースだと思え。正念場だ!全員踏ん張れよ!」

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