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ワールドリファイン  作者: 春ノ嶺
我ら海豹止める者なし
85/106

11-3

「来ましたぜ」


双発の中形ジェット機が着陸態勢に入ったのを見てスナイパーが一言、同じく機体を確認した部下の1人が舌打ちしながらスティンガーのコンテナに照準器を接続した


「どうやらハズレを引いたのは我々のようだ」


「大尉、せめてそこはアタリって言ってくださいよ」


丘の斜面に張った迷彩ネットを片付け、土嚢に立てかけたM4に弾倉が入っているのを確認、500メートル前方でもネットが取り払われ8人のうち1人が同じくスティンガーを準備


「最後の作戦内容確認をするぞ、俺達チーム9に与えられた任務はあの旅客機に乗っているPMC部隊、通称スリーシックスの排除。及びそれの護衛する日本人女性、葛城明梨の確保だ。彼女はコードネームを複数持ってる、俺達は”ヨハンナ”と呼んでいるが、スリーシックスでは”アストラエア”、今回介入が予想されるCIAでは”ライラック”と呼称されてる。そしてもう一つ、重要な条件だ。確保に当たって生死は問わないが、できる限り確実な選択が望ましい」


周囲の3人からも前衛部隊の8人からも異議は上がらなかった。しかし沈黙と視線が静かに言う、お前頭大丈夫か


「マトモな思考ならこんな判断はできないだろうな、核兵器の行方も未だわかっていない。だが俺達の上にいる奴らは何らかの確信を持って、しかも相当焦ってる。皆殺しが嫌だと言うんなら、彼らが俺達を退けるくらいの能力を持ってる事を祈るしかない。戦闘員全員の顔と名前は覚えてるな?『天宮疾風”ラファール”』、『ウォルト・F・リヒトホーフェン”ウィル”』、『シモ・V・シベリウス”ロイ”』、『シグルト・チェンバース”シグ”』、『岡崎正宗』…コールサイン省略、『エレナ・ユースマリット”ヒナ”』、『カ・リンシン”メル”』、『ルカ・オルネイズ”ルカ”』。”ネア”に関しては結局わからずじまいだが、こいつは2年前に中国の有名なマフィアを皆殺しにしてる」


ジェット機はだいぶ近付いてきた、スティンガーの射出口が天を仰ぐ


「司令部、こちらシールズチーム9。赤ん坊はこちらのゆりかごに乗った」


『こちら司令部、了解実行せよ。忠告、英仏トンネルにSASが展開し始めた、大先輩は怒らせるな』


本格的に着陸態勢へ移行、脚を出し限界まで速度を落とした


「では始めよう。ライナー、ホップス、やれ」


バシュン、と、スティンガーミサイルが撃ち上がった。その戦闘機さえ叩き落とせる傑作ミサイルは失速寸前の旅客機に難なく命中し、大きく右に体勢を崩す。これがジャベリンだったらと一瞬よぎるも持って来れなかったので仕方ない、大地が震えるほどの衝撃を伴いつつ目標は原形を留めたまま滑走路脇の格納庫に突き刺さった


「何人かは死んでくれたと思うか?」


「わからん」


「悲観的に見た方がいい。ニッケル、クリンコフ、ここで待機しろ。ライナー、俺達も行くぞ」


M4を持ち上げ立ち上がる。まもなく銃撃戦が始まるのだ、この土嚢は4人隠れるには小さすぎる


「フィエンド、敵は見えるか?」


『ぐったりしたパイロットが操縦席から引きずり降ろされるのが見えましたがそれだけです。いかがしましょう?』


「考える時間を与えるな、出てこないようなら機体を爆破して突入しろ。2分以内に俺も合流する」


『了解、機体右側のドアにC4を設置しま……ちくしょう!!』


ジェット機下部がいきなり爆発した。燃料に引火したかと思ったがタンクは基本的に主翼内だ。走りながらよく確認すると四角い鉄板が転がっており、貨物室に繋がるハッチが綺麗に吹っ飛ばされたものと思われる


「制圧射撃だ!撃ちまくれ!」


煙が消えると同時に断続的な発砲音、それを一身に受けながら黒いスポーツカーが滑り出てきた。爆音をかき鳴らしながら全速走行で建物の影に消えていく


「2人乗ってたな、正宗とネアだ」


「狙撃班、あの方向をずっと見てろ。とにかく合流しないとな」


丘を駆け降りて手近な建物に到着し、まもなく前衛部隊と接触した。ジェット機へ制圧射撃を続けながら少しずつ距離を詰めている最中


「ハッチに2人、ぱらぱら撃ってきます」


「恐らく残りは機体裏に回っているはずだ、十字砲火であぶり出すぞ。フィエンド、2人連れてあっちの建物まで……」


『待った、車がまた出るぞ』


スナイパーからの通報、まもなくスポーツカーが踊り出た


黒い車体が銃弾の嵐を受けボコボコになるも5.56ミリではなかなか貫通できず、高速で滑走路を疾走、進路をこちらに向ける


「1人?助手席に誰もいない」


「待てそれは後だ!突っ込んでくるぞ!」

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