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ワールドリファイン  作者: 春ノ嶺
転げ落ちた未清算物どものホパーク
72/106

9-3

「に゛ゃっぐ…!」


シオンの肩をひっ掴んで机を蹴り飛ばす、MSRと一緒に床まで落下し、僅かに遅れた二つ分けの髪が集音機と共に機関銃弾の餌食となった


「だぁぁークソ!!見ろよ奴ら10センチも持ってきやがった!!元通りんなるまでどれだけかかると思ってやがんだあのクソッタレワンタン野郎共バーカバーカハゲ散らかしやがれぇぇーー!!」


「ステイステイステイ!」


直後、吠えまくる彼女を静止、床に留める。まだ射撃が続いているのだ、今頭を出せば死ぬ


「逃げるよ!」


「いや駄目です!飛行場出たら遮蔽物が無い!あいつら仕留めてからじゃないと!」


ドカドカ言っていた着弾音が収まると同時に階段へ駆け2階まで降りる。敵残り3人、最後の1発は外れたらしい。応戦するロシア兵は予想以上に頑張っているがもって2分だろう、まったく予期していなかったのだ、仕方ない


「火力が足りない、RPKとか無いかな」


「無いと思いますよそんな骨董品。ここから再度狙撃し敵を漸減、もう1人やりゃ確実に諦める」


2階は事務所になっていた、人払いでもされていたのか誰もいないが。隅っこに武器庫を見つけるも強固に施錠されている、中身は拝めそうにない。距離500メートルと少し、テロリスト御用達のAKー47が撃つ7.62ミリロシアンショート弾なら牽制射撃が届いただろうが、9ミリパラしかないので仕方ない。またシオンの隣に陣取って双眼鏡を構える


「完璧に隠れてるな…燃料補給車がある、あれを吹っ飛ばそう」


「さらっと言いますね、あたしゃゴルゴ13じゃねーですよ」


「距離530メートル、風速2メートル以下、給油口は後方下部」


「無視か」


パソコンを蹴っ飛ばしてバイポッドの置き場を確保、机にもたれかかるように体を委託する。文句は言っていたがそこから発砲までは僅か数秒だった、閃光が走って、一拍遅れの爆音が窓ガラスを震わせる


「ど?」


「1人は確実に巻き込んだ、撤退姿勢を見せてる」


「褒めて欲しかったんですがね」


残った2人が死体を回収、セスナの中へ後退していく。間も無くエンジンが轟音をかき鳴らし、滑走路へと走っていった


「よし帰っていった、前進、前進」


「前進?どこに?」


シオンが建物から飛び出してターミナルへと駆けていく、その時点でもう司令官を尋問したがっているというのは理解したため、アレクセイとの通信を回復するべく通信機を操作


『どうなりました?』


「中国の特殊部隊が警備隊を全滅させた、セスナは今南へ飛んでいってる、給油してないからそう長くは飛ばないと思うけど」


『南ですか、わかりました。そこからならウズベキスタンかキルギスでしょうか』


「スパイはいそう?」


『いますよ、問い合わせる所です。ええと電話番号は……』


「どっせぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!!」


『今の雄叫びは?』


「女の子がおじさんを蹴り飛ばした音だ」


確保慣れしているというか何というか、銃撃戦が止んでそろりと顔を出した所に見事鉢合わせた。それを視界に捉えた頃には司令官さんはSMバーよろしく足蹴にされており、ターミナル1階に誰もいないのを確認して近付いていく


「わっ…私は騙されてたんだ!あんなクソ野郎だったなんて!」


「上にはそう言っといてやるからさっさと吐け!奴の目的は!?」


「アメリカ軍に打撃を与えると!自爆テロみたいなチャチなものじゃないぞ!だが詳細は聞いてない!」


「どこを狙ってる!」


「アフガン!クウェート!サウジアラビア!」


「手掛かりはあるか!」


「アルカイダだ!何か知ってるはずがっ…!」


聞きたい事をすべて聞き出し、頭を殴って気絶させた。MSRを背負って外に出、セスナの航路を再確認、南にまっすぐ


「アメリカ本国を直接攻撃しないのは衛星の軌道でしょう、アラスカを掠めて中国中東アフリカに抜けるルートですから」


「どれくらいの威力が?」


「わかりませんけど、似たような兵器計画に"神の杖"ってのがあります、金属の塊落としただけで核兵器レベルの大破壊ですよ。最大の違いは放射能汚染を伴わないってとこです」


とにかく帰って報告しないと、と言いながらGPSで方位を確認、侵入時と同じように金網を壊し始めた。ここからセリカまで徒歩2時間、気が滅入る


『そのエーセーというのは新手のスーパーマンか何かでしょうか?』


「その件については黙っといてくれると嬉しいな」


『そうですね、三つ巴をやるつもりはないのでとりあえず聞き流しましょう。ですが、話が大きすぎる』


「大統領に相談すればいい」


『やめてください』

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