8-4
「はい集合、集合」
「そういう時は再集結って言うんだよ」
「隊長やるつもりは無いの、んで見つかった?」
「ウェディングドレス見つけました!」
「戻してきなさい!!」
「なんかよくわかんないけど、俺は消費期限が1年前のピザの切れ端を」
「捨てろーーーーッ!!!!」
結論としてこの家に爆発物の存在は認められなかった、プロ2人が言うのだから間違いない。これ以上先に首を突っ込むとなると探偵の真似事をする羽目になるが、かといってこのままほっとくのも人としてどうかと思うし恥をかかされた警察が何をしでかすかわからないというのはUちゃんが身を挺して証明している。ここで降りる、というのは考えられない
「いやせめて選択肢には入れといてくれ」
「え?」
「冗談は抜きにして。君は俺達の依頼主だが、それ以前に最優先防衛対象だ。さっき見た通り、自爆テロに使われる爆薬は軍用のものほどじゃないが、それでも発火した時点で周囲を漏れなく破壊してしまう」
カピカピを通り越してもはやオブジェと化した何かをゴミ箱に投入したシグが言った。明梨の後方にあるベッドでは娘さんが座っていて、そちらに明言する形、とも取れる
「年間何百人と殺してる奴の言う事じゃないが、1人の人間を助けたい気持ちはわかる、元はといえば俺がここにいるのもそんな感じだった。そしてそれと同じ理由、意味で、俺達は君の父親からこの案件を承ったんだ」
ふざけた印象はどこにいったか
「君の安全は俺達の命よりも優先される、それは理解してもらえてるか?」
諭すような口調で、そいつはふざけた正論を言った
「ああでも勘違いしないでくれ、もうやめろって言ってるんじゃない。ここから先は適材適所で行こうって事だ」
「それは…わかってるけど」
何か違う
それは求めているものじゃない
「じゃあお嬢さん、お名前教えて貰えるか?」
「はい、ユーリヤと申します」
「よしユーリヤ、まず質問だ。君のお父さんはこれから何をするか言ってなかったか?」
「わかりませんけど、私ももう成人だから大丈夫だとついさっき……」
「あーまずいな」
言いながらインカムを装着、メルにも付けさせる
「変な集会ってやつの場所はどうだ?」
「少し南に言った所の公園の近くだとは思うんですが詳しい事は…すみません」
「いや、それだけわかりゃなんとかなる」
とりあえず状況報告、と通信機を操作し
途端にガタガタと音がした
「逃げた」
「なるほど、ではトラッキングしてみよう」
操作しながら窓を開ける、そこからメルが飛び出した。続いて玄関が勢い良く開き、ドカドカと屋根を何かが走る音
これであっちは大丈夫、地震でも起きない限りは見失わない
「隊長、そっちの様子は?警備に駆り出されてる?はははお疲れ様」
しばらくラファールと会話、少し困った顔をして通信を切る。やや考えて、まぁなんとかなるかと呟いた
「暴走気味の野次馬を片っ端から投げ飛ばす仕事をしてるらしい、俺といた方が安全そうだな」
「それもう暴徒鎮圧じゃ……」
「隊長は基本的に誇張するから」
と
いきなり拳銃を取り出した
「ちょっ……」
そんないきなり一般人の前で、と言う前にPx4の弾倉を引き抜いて薬室の1発も排出、弾倉へ戻して装着し再び装填する
「少し手荒な事になる可能性がある、そんなヘマはするつもりないが覚悟だけはしといてくれ」
それはどちらに言ったのか
「父を…お願いします……」
「ああ、本当は金取らなきゃならないんだけどな、これは内緒だぞ。あとそれから」
状況開始、拳銃をしまってリビングに出る。きつく縛ってあったにも関わらずタオルはほどけて落ちていた、少しは知識があるらしい
それを一瞥、既にわかっていた事なので驚きはしない。そのまま玄関に向かいつつ、ユーリヤへ向け最後の質問
「このへんに薬局ってあるか?できればマニアックな」




