表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワールドリファイン  作者: 春ノ嶺
真の願いは虚空に消えて
46/106

6-3

「とりあえず後顧の憂いを断つのは確定か?」


「本当ならストライクイーグルでも呼んで片付けたい所だけど……今回は直接行かないとならないから場所によるかしら」


明梨と老人の会話がやんだのを聞いてそちらに視線を向ける、老人は疲れたのかその場に座り込み、明梨はこちらに駆け寄ってくる最中。ただの予感だが、面倒な事を聞いたような


「女の人が何人も連れ去られてるわしいわ、他でも同じ事やってるなら相当な人数になると思う」


見事に的中


「これは警察に頼んだ方が……」


「警察にゃ荷が勝ち過ぎだ、組織全部を潰すってんなら正規軍出さねえと。そして中国の地方軍は黒社会からワイロもらってる」


「うぅ…なんでこんなに真っ黒なのよ……」


「その真っ黒をどうにかするのが君ら左翼の役目だよ、まぁ目の前の障害は俺らが片付けるがね。拠点の場所は聞けたか?」


首を横に振った。村長が知らないのであれば誰に聞いても同じだろう、仕方ない。溜息を吐きながら八割がた灰に消えたタバコを始末、携帯電話をまた取り出した。一番新しく登録した番号を呼び出して電話を耳に


『はいシオンです!!』


「うおうおうお!!」


当てる前に繋がった


『いやー!こっちからかけちゃおうかと何度も何度も思ってたんですけどまさかウィルさんの方から頂けるとは夢にも思っておりませんでした!ご用件は何ですか?お食事?ショッピング?ちなみに私の予定は24時間365日が有給休暇ヒマなのでいついかなる時でも構いませ』


「ストップストップ、デートのお誘いじゃないんだ。甘肅会っていう組織とトラブル起こしてる、こっちのGPS座標から一番近い奴らの拠点の位置が知りたい」


『え゛……そりゃまぁ確かにCIAは古今東西津々浦々の犯罪組織を網羅してはいますが、それを閲覧する権限は私には…………いや!でも大丈夫!なんとかします!ですから5分…!いや10……15分ください!いいですか!?』


「お、おう」


『ありがとうございます!ではまた!』


ガタガタと騒音が聞こえ、最後にハンドガンのスライドを引っ張ったと思われる金属音がして電話は切れた、一体何をするつもりなのだろうか


「しばらく休憩だな」


携帯電話をしまってラファールに言い、車2台を村の奥に引っ込ませた。警戒中のスナイパー組を除く全員を再集結させ、明梨を隠す安全そうな所を探す





「コンタクトーッ!!」


上の方から聞こえてきたロイの叫びに戦闘要員全員が脊髄反射で応じ、まずルカに押し倒された明梨が悲鳴。M95の睨んでいる方向から隠れ場所を思い思いに選出、数秒足らずで迎撃体勢を整えた


「休憩終了だ」


正宗からミニミを受け取って適当な民家の壁に身を寄せる。それからルカに手招きし明梨を引きずってこちらへ


「いだだだだだだだ!!」


「擦り傷で済んでよかったな」


「すっ擦り…首根っこて…!」


明梨を離したルカは民家を登って屋根の上に陣取り、射程の長い銃から順次火を噴いていく。ルカの後を追って上に登ってみると、ピックアップトラックが10台近く突っ込んできているのを目視確認


「非戦闘員の保護を優先!近付かせるな!」


下でラファールが叫んだのでACOGサイト越しにそいつらを睨みつける。おおよそ400メートル、まだ早いが制圧射撃を開始


「熱っ!痛い痛い!」


落ちた空薬莢が直撃しているようだ、今日の明梨は厄日らしい。走り続けるピックアップのうち1台にM95からの12.7ミリ弾が突き刺さって派手に転倒、それを見た他のすべては岩陰やら稜線の向こうに車を隠し、ライフルでの応戦を始めた。そこかしこで着弾音が上がる


「ネアと正宗は左翼から前進!それ以外は制圧射撃を継続!」


正面切っての銃撃戦は久しぶりのような、と思ったがつい先日スペツナズとやらかしたばかりだった。あれ以来日々の内容が濃すぎて仕方ない


銃弾の嵐に紛れてオレンジが左に回り込むのが見え、それから数分後には左から順に敵がばたばたと倒れ始めた。確認した者から制圧射撃をやめていく


「クリアだ」


ラファールに言って屋根から降りる、これで少しは大人しくなってくれるだろう


「めんどくさいわね」


「具体的には?」


「このまま放置したらこの村が虐殺に遭う」


なるほどそれはめんどくさい


敵拠点の位置が早く知りたい所ではあるがシオンからの連絡はまだない、敵さんから聞き出せないかという思いつきもネアと正宗に撃たれてまだ生きているとも思えないので無理。とりあえず新しい弾薬を全員に配り、警戒しながら暇つぶしにばらまいた薬莢を回収


「自衛隊では薬莢ひとつなくしただけで烈火の如く怒られると聞くが」


「正確には怒られた後死に物狂いで探す、それで見つからなかったらまた怒られる」


「地獄だな」


「銃刀法改正前より少しはマシになっているそうだが、それでもこんな小さいものを完璧に管理するなど無理だからな、米軍払い下げの空薬莢には本当に助けられた」


「ごまかすのかよ」


「ああ、だがバレるとまさに地獄だ」


と、ちまちま薬莢を拾いながら正宗と雑談


「やっぱりキツいからやめたのか?」


「違う、ミサイルひとつひとつにNo.○○飛しょう体などと書いてしまうセンスの無さに耐えられなかった」


「あーそうそう、常用漢字以外は使えないんだよな。ミネベア9ミリけん銃とか」


「隊員内の愛称ならガンタンクなどがある」


「むしろそっちの方がどうなんだ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ