5-3
ぶすくれたヒナをバンに押し込めるのに5分、立てこもり事件現場からギャングのアジトまでの移動に30分を費やし、車から降りて再展開したのは都合36分後。サプレッサー無しの銃を撃ちまくって敵さんを叩き起こしたのがつい1分前の出来事である
向こうの装備は大半が拳銃で時折ショットガンが混ざる程度、しかも素人だ。もはや虐殺レベルの速度で中国様式の館の庭を制圧し、正面玄関を蹴り飛ばして内部に侵入、バリケードを作ろうとしていた下っぱ達をターンする
「くだらないくだらないくっだらない!!」
「はははは、まぁまぁ」
MP7を無駄に振り回すヒナを同じく無駄に笑いながらなだめるシグ、奥から飛び出てきた鉄砲玉と思われる男を確認してすぐ発砲、脳天に直径4.6ミリの穴を開けて玄関の端まで蹴り飛ばす。休憩終了、それぞれ武器を持ち直した
「僕らは外回りから片付ける、真ん中を突っ切って頭を潰せ」
ロイとシグが左右に消え、ルカはヒナと一緒にさっきの変なのが出てきたドアへ
「夢見てないで土でも耕せやあああああ!!!!」
「わかった、わかったから落ち着こう」
キレてはいるがMP7のモードはセミオート、ただの1発も無駄にすることなく部屋の中をクリアして更に奥へ。さすがに勢いで行くのはまずいと思ってなんとかヒナを静止、ドアに爆薬を仕掛ける
「3、2、1、ゴー!」
爆破、間髪入れずに飛び込む。中には合計4人いたが1人は既にヘッドショット済み、ボスと思われる貴金属だらけのおっさんに照準を合わせるも撃つ前にまたヒナがヘッドショット、そうなるともう間に合わず、4人ぶんの死体ができたのを見届けてからG36Cを降ろした
「あーったく…そこらの殺し屋で十分だったじゃない…」
「………………」
MP7をリロードするヒナを見るも、それは真似せずにセイフティだけかけた、なぜなら1発も撃っていないからである。ボスの死亡をしっかり確認し、それから机に置いてあるパソコン
「中見れるの?」
「見れるだろうけど、興味ある?」
「そりゃこんなギャング(笑)の相手させられた理由は知りたいわよ」
勝手な情報収集をするなとは言われていない、マウスを動かしてCドライブを覗いてみる
。大量のテキストファイルやらなにやらがあって、その中で一番新しいpdfファイルを選択
「なんだこれ…」
とある兵器開発計画、アメリカ軍のものだ。計画名"サジタリウス"、米国内デトロイトが本拠地
「射手座計画?聞いたことないな」
「え…ちょっと待ってちょっと待って」
パソコンの前からどかされた
「これ本物?なんでこんな所に」
「よくはわからないけど、アメリカ政府の承認印が無いから本物かどうかは怪しいかな」
最後の記録は2年前になっている、試作モデルが稼働可能な段階に達したため実験を行う必要があるという内容だ。肝心の兵器スペックはヒナがすっ飛ばしてしまったので不明だが、当のヒナは何かを確信したらしい、顔を上げてこっちを見
「ルカ」
「次のストレス発散場でも見つけた?」
「違うから、それはもういいから」
ガラになく真剣そうなのでいつもと逆にふざけてみたが流された。一瞬だけ横を見てロイとシグがまだ来ていない事を確認、こちらの目を捉えて一言だけ
「お願いがあるの」




