La CIA 2
「ちょちょちょちょっと待った心の準備が…!」
『なんすかそのまるで思春期真っ只中みたいな言い草は』
「テメエそれはどういう意味だ!!」
階段まで走っても5秒以上、一般市民を装ってやり過ごすとしても間違いなく警戒される。大急ぎでギターケースを開封、スタンダードなAK47が現れた。M4慣れした人間からしたら心配になるくらい曲がった弾倉を装着、チャージングハンドルを引き戻す
薬室に弾が入ったかどうかどうかのタイミングで端部屋のドアが静かに開いた
「何だ!?」
肩にガツンとくる反動、銃を撃ってると実感できる発砲音。廊下に出た瞬間フルオートで蜂の巣にされた中国人を室内に蹴り飛ばし、突然の出来事にとりあえずナイフを掴んでいたもう1人と対峙する
「ッ!」
テーブルが飛んでくる、横に飛んで回避する。銃口を向ける前にCQC距離まで接近され、機関部でナイフを防御、傾けて受け流す
「だぁりゃ!!」
全力の縦打撃、脳天に直撃し卒倒した。落ちたナイフを拾い上げ、胸の中心に突き立てる
静かになった、日本の平和ボケ患者達は今の騒音が何なのかまだわかっていない
「あー今のはヤバかった、特殊部隊の訓練受けてる」
ドアを閉め、まずドローンを回収。ゴルフクラブケースにはM82が分解状態で納められていた、窓からは国会議事堂と首相官邸がはっきり見える、特殊部隊員の扱うM82であれば目と鼻の先に等しい
「まさかマジで狙撃しようとしてたとは。バレットが1丁あった、こいつらの身元はまだわからないけど…………ジェラルドくん?」
『少し待って、今ラングレーと電話してる』
ラングレーとはアメリカCIA本部の事だ、バージニア州ラングレーに建物があったからなのだが、マクレーンに移転した今は通称として残っているのみである。その間に何か無いかと周囲を見回し、テーブルと一緒に吹っ飛ばされた高そうな灰皿、そばに紙の燃えかすが散らばっていた
『姉さん、まずい。自衛隊レーダーと中国在住エージェントからの情報。毛沢東がドン引きするくらい大量の戦闘機、爆撃機、強襲ヘリが中国軍基地から一斉に飛び立った。奴らおっ始めるつもりだ』
「はぁいぃ?」
M82のスコープで首相官邸を見る、慌ただしくなる予兆はまだない
『日本海側にあるすべての空自基地へスクランブルか発令された。海自も第2、第3護衛隊が即応体制、陸はまだ動いてないけど』
「こっちは?」
『沖縄の海兵隊がオスプレイを準備したのみ。まだ宣戦布告された訳じゃないすから、すぐには動けませんよ』
すぐ動いて貰わないと困る、なにせ30分後には第二次日中戦争開戦だ。紙の燃えかすを慎重にまさぐり、僅かに燃えていない箇所を摘出、スマホの写真に収めた。判別できる有益なワードは宣戦布、強襲、滅のち揚陸等の数箇所のみ。ドローンの録画映像と一緒にメールで飛ばす
「今送ったのをラングレーに。情報収集は終了だ、あのタレ顔オヤジが暗殺されるのを阻止せにゃならん」
『ならそこから南へ、BTRの入ってたガレージがあるはずです。警備員には警告しとくんでこっちは心配なく』
部屋から出る、非常階段から地上まで駆け落ちる。外部からの侵入を阻止していた柵を一思いに飛び越えて愛車セリカに舞い戻った。エンジン始動、The改造車とも言うべき轟音が上がる
『報告、レイヴンが飛行中』
「投げたの?」
『戦争アレルギーに気使ってる場合じゃないでしょ。5分以内には姉さんの上空に到着する、それまで幹線道路沿いに』
横に逆バンジーしたような急加速、ここぞとばかりにエンジンを唸らせ国会議事堂まで舞い戻った。こんな時でなきゃ市街で全開なんて出せないのだ、ようやく慌ただしくなり始めた議事堂を尻目に南へかっ飛ばし、途中突っかかってきたシビックだかなんだかを数秒で置き去りにする
上空で爆音、Fー15Jが2機編成で現れた。自衛隊の方は既に臨戦態勢らしい
「守り切れんの?」
『アメリカ本国が救援に来ること前提の話ですか?だったら十分すぎる戦力がありますよ。問題は漁船だと思ってた中国船籍の船が一斉にこっち向いたってとこです、陸自の展開が間に合わない』
そもそも自衛隊の戦闘計画として、上陸を阻止する事は不可能と決めつけた上ですべてを準備しているのだ、若干の不法入国を許した程度で破綻するものではない。問題は海岸からどれだけ侵攻を食い止められるか
『そもそも陸自は動いた瞬間に自国民から攻撃食らうんすから、さっさと宣戦布告してくれりゃ非常事態宣言出せるのに」
「何にせよ首都防衛だけしてくれれば本国がどうにかするっしょ。位置もそう悪くないしソウルみたいな惨事には……何だ?」
車のクラクションが鳴った。法定速度まで減速、様子を見る
『レイヴンが到着、監視に当たります。さっそくだけど目標のガレージ、車が出ようとしてるけど目の前が渋滞で発狂してる』
なるほど今のはそれかと納得、走りながら上空を見る。ちっちゃいラジコンが飛行しているのを確認した。渋滞している太い道路を避け住宅街へ突入、ガレージの真後ろと思われる場所でサイドブレーキを引き上げてスリップしながら急停車、AK片手に飛び降りる
あったのはボディショップであった、このサイズならBTR2輌程度楽勝だろう。裏口から店内に突入、目の前に現れたメカニックをストックで殴り飛ばす
「なっ!何だお前!」
「ドーモ中国人=サン!アメリカンヤンキーデース!」
テーブルに置かれた拳銃を発見、明らかに普通の車屋じゃないと判断した上で弾倉ひとつを一気に空にする連射で視界内の全員をグワーッ!させる。急ぎガレージまで突き抜けるも、銃声を聞いて危機を察したR34GTーRは一般車を押し飛ばして無理矢理発進した
「なんだよいい車乗ってやがんな!今の青いの追って!」
『体当たりでもするんすかー?』
「しねーよ!セリカちゃんボコボコになるじゃんか!」
『いいじゃねーですかそんな15万キロ超えてるようなポンコツ車』
「てんめぇーーー!!!!」
口論している場合ではない、相手もセリカ以上の高齢車だが超が付くほどのベストセラーだ、徹底的に延命整備している愛車に舞い戻り急発進
と
「むっ?」
銃声




