秘密と苦労と王都
書き直しが思ったよりもキツイ…。
意外と話を書いてたんだなぁ。
つーことで続きへゴー☆
あれから、二日が経った。あたしたちは傷が治ったのを機に、予定を変更して王都に向かうことになった。神獣が復活した、ということももちろんあるけど、エスラが何故こんなことを行うようになったのは、結局分からずじまいになった。そのことがあまりにも不吉で、この一連の事件を王に報告すべき、とラトーさんが言った。
ラトーさんはエスラに操られていた村人たちを介抱するので忙しく、あたしたちが報告しに行くことになった。
「もう、まだぶつぶつ言ってるの?みんなで決めたことじゃない」
そう、問題はリューが王都には行かない、と一点張りになったことだ。どうやらラトーさんに何か言われて一緒に行くことは同意したけど、未だにぶつくさ言っている。
「ふん、こんな奴いてもいなくても同じさ。さっさと行こう、アリシア」
このことでうれしい誤算が一つ。ムゥが牙族の使いということで旅に同行することになったんだ。頼りになる仲間が増えて、単純にうれしい。
「はぁ、もういいわ。リュー、王都に行きたくない理由は分からないけど、仮にもあたしたちは旅人だわ。国の一大事に繋がるかもしれないこのことを、あたしたちは伝える義務がある。違う?」
「こんな時に限って正論言いやがって…。あー、もう分かってるよ。こいつはただの個人的な問題だ。確かに、旅人としては、今回の事件は無視できない」
リューはため息をつきながら背に負ったリュックを持ち直す。
「それに、そろそろ帰らなくちゃとは思ってたんだ」
「え?それって…リューって王都出身なの?」
「ああ、話したこと無かったな…。ちょいとばかし厳格な家に生まれてな。いろいろあって、家を飛び出した。きっと今頃帰ったら大騒ぎだろうよ」
「ちなみに、どれぐらい帰ってなかったんだ?」
「……三年」
「「三年!?」」
あたしたちが驚いた声を出すのに、だから嫌だったんだ、とこぼすリュー。
「きっと、我が親父殿は大変な目にあってんだろうから、帰るのが嫌だったんだよ」
そう言って、リューは空を見上げた。家の事に思いを馳せながら――――。
ところ変わって王都、とある場所で――
「で、朝になっても起きてこないと?」
「は、はい。いつになっても起きる気配がなく、まさか私ごときの者が部屋に入るわけにもいかず」
「よい、お前の判断は間違ってはいない。万が一、本当に寝ているだけだったら本人はかなり機嫌が悪くなる。今日に限ってそれはいささか拙い」
深と静まり返った石造りの廊下を、二人の男が早歩きで歩いていた。一方は執事風の神経質そうな男性で、流れる汗をしきりに拭いている。もう一人は口髭が胸元に届くまで伸ばした老人で、額に走る青筋が男が怒っていることを表していた。二人は目的の部屋にたどり着く。そこは見るからに豪華な造りの扉で、この部屋の主がとても位が高いことを暗に示していた。
髭の老人がドアをゴンゴン、と音を鳴らして叩き、
「起きて下され、今日は大切な会議の日。あなた様が遅れれば会議は始まりません」
しかし、いくらドアを叩いても起きてくる様子はない。
「いい加減起きて下さい。開けますぞ――」
業を煮やしたかノブを回して扉を開ける。そこには――
もぬけの殻となった豪奢なベットと、立派な机に一枚の手紙が置いてあった。それには、
『最近休みも無く仕事に追われる毎日に嫌気が差しました。会議は勝手にやっといてね☆』
手紙を読んだ老人は顔を真っ赤にして肩を震わせる。その姿に執事はひぃぃと、怯えの声を漏らした。
「こ、のクソ陛下がーー!!いい加減にしやがれこのジジイぃぃぃぃぃ!!!!」
ちなみに、この声は王都中に聞こえたそうである。
感想とかあったら下さい。
待ってますよ~。