神獣の森
むかしむかし、あるところにるあんというちいさなくにがありました。
るあんはちいさなくにです。なので、くにのひとたちはいっしょうけんめいはたらきます。
あるとき、わるいけものがこのくににあらわれるようになりました。
けものはまいばんくににあらわれ、くにぢゅうのひとをおそいました。
るあんのくにのおうさまはこまりはててしまいました。くにのきしたちでもはがたたなっかたのです。
「そうだ、わなをはってつかまえよう」
そのばん、くにぢゅうのいえにおとしあなをほり、けものがくるのをまちました。
「おうさま!けものがつかまりました!」
おうさまはきしをあつめ、けもののもとへむかいました。
おうさまはけものにといました。
「おお、けものよ、なぜこのくにのにんげんをおそうのか」
けものはこたえました。
「ナゼコノクニノニンゲンヲオソウカダト?オマエタチニンゲンハモリヲキリ、ケモノタチヲコロシ、ソノウエ、ワタシノワガコタチヲコロシタデハナイカ!!」
けものはちのなみだをながしていました。
そのすがたをみたおうさまはふかくこうべをたれ、けものにあやまりました。
「もうしわけありません。あなたのこどもたちをころしてしまったのはわたしたちです。わたしたちはどのようにつみをつぐなえばよいでしょうか」
けものはこたえました。
「モリデイキヨ、ニンゲン。モリデイキテモリニスマウモノタチノココロヲシレ」
おうさまはけもののことばにしたがい、くにのひとびとをつれ、もりにすみはじめました。
それから10ねん、20ねん、50ねん。
300ねんのつきひがたちました。
るあんのひとびとはしぜんにかえり、けもののようなすがたになりました。
それからです。
けものになったるあんのひとびとのすむもりを、ひとびとは
『しんじゅうのもり』とよぶようになったのです。
―――――『ウェルタナ大陸神話全集』 『神獣の森』より