2
魔族の男性視点です。
我が主は、何をお考えになっているのか!!
常よりその自由すぎる言動に振り回されて来ましたが、今度のコレは酷すぎです!
長年のごたごたがやっと片付き、これで平穏が手に入ると思った矢先にっ!
やらかして下さいましたなあのお方は!!
催しの途中で唐突に席を立った瞬間に嫌な予感はしていましたが、
いえ、むしろ嫌な予感しかしませんでしたが、
まさか、まさか、
相手方の側室をかっさらって来るなどという暴挙に出るとは…!
しかも、しかもですよ?
主の膝にちょこんと乗せられていたのは、
あの戦姫様ではありませんか!
なーにしてくれてやがりますかオイ主コノヤロウ!!
民からの人気ダントツトップで、さらに人間達だけでなく魔族内での好感度も高い、
あの戦姫様にあらせられますぞ!?
かくいう私めも、戦姫様の事は高く評価しております。
私が直接戦場に立つことはありませんでしたが、
戦いの様子は魔物達の目を通して覗き見しておりましたので。
ひたと前を見据え、凛と佇むそのお姿、今もしっかりと私めの脳裏に焼きついております。
戦装束もぐっと来るものがありましたが、こうして華やかに着飾ったお姿もまた可憐で…
っと、話がズレてしまいましたね。
とにかく、そんな方に手を出そうものなら、再び人間達を敵にまわす事にもなりかねないのです。
それなのにあの方はしれっと!
「問題ない。」
じゃありませんよ!もはや問題しかありませんから!!
うぅ胃が…っ